ペーパーレス化された自動車保険の保険証券、どこに保管してる?

自動車保険(任意保険)は、自賠責保険の補償限度額を超える賠償金の支払いに備える保険です。自動車保険は対面式で担当者を通じて加入する代理店型と電話やインターネットを利用して加入する通販型(ダイレクト型、ネット型)があります。どちらも自動車保険に加入すると保険証券が発行されますが、この保険証券はどこに保管しようか迷ったことはありませんか?
今回は自動車保険の保険証券について解説していきます。

保険証券の保管場所はどこがよいか

車の運転は屋外になるため、手元に置いておくとなるとダッシュボードのなかに保管したいと思いがちです。ですが、自動車の盗難、事故で炎上するなど、万一の非常事態のことを考えると、原本は自宅に保管しておくと安心です。車中には保険証券の写しを保管しておく、もしくは緊急連絡用携帯カードを免許証と一緒に携帯しておくと、事故や故障の時にも保険会社にスムーズに連絡を取ることができます。また、保険証券の原本の保管場所をご自身だけでなく家族にも伝えておくと安心です。

自動車保険に加入する背景

自動車保険は任意加入ではありますが、全国平均の加入率(2016年3月末時点)※は自家用普通乗用車の「対人賠償保険」「対物賠償保険」は82.1%となっています。ほか自家用小型乗用車は78.8%、軽四輪乗用車においては76.4%と高い加入率と言えます。

それぞれの加入率からみても「対人賠償保険」と「対物賠償保険」はセットで加入する必要性があると推測することができます。やはり、万一事故を起こした場合に、自賠責保険だけでは補償範囲が足りないと捉えていることが考えられます。強制加入である「自賠責保険」の補償内容は他人(被害者)の人身損害のみに限定されていて、死亡による損害賠償限度額は被害者1名につき3000万円となっています。自動車事故における死亡事故では高額賠償になる可能性があり、自賠責保険だけでは補償として不安です。

自動車事故を起こさない事は大前提ですが、万一に備え「対人賠償保険」「対物賠償保険」は保険金額無制限で契約しておきたいものです。加入している自動車保険の補償内容は保険証券を見れば確認することができます。
※「2016年度 自動車保険の概況」/損害保険料率算出機構より

保険証券があれば契約内容が確認できる

保険証券」は、自動車保険に加入すると保険契約内容の証明として、保険会社が保険証券を作成し保険契約者に交付する書面です。保険証券は契約が成立したら1週間程度で契約者の住所宛てに送付されます。

このほか、書面以外に「Web証券」など、保険証券は発送されず保険会社のホームページ上で契約内容を閲覧することができる方法もあります。保険証券の発行を不要とした場合は、契約が成立したら保険証券(継続証)の代わりに「保険契約引受のお知らせ」などの書面が送付されます。証券が届かない場合は、誤って保険証券の発行を不要とする契約になっていないか、確認をしてみましょう。

また、通販型では保険証券不要を選択すると保険料を割引してくれる保険会社があります。保険証券不要にした場合は、保険会社のホームページ上にある契約者専用のページなどから契約内容が閲覧できるので、いつでもどこでも契約内容を確認することができます。

保険証券に記載されている内容は保険期間、記名被保険者(主に車を運転する者)、契約自動車(契約の車)、運転者の年齢条件等、補償内容、保険料払込方法などが記載されています。

保険証券の読み方


【自動車保険の保険証券サンプル】

それでは保険証券のサンプルを見ながら記載内容を確認していきましょう。
1.保険契約者
契約者の氏名・住所等が記載されています。保険契約者は契約の当事者であり保険契約上の権利を有しています。更新手続きや契約内容の変更手続きができるのはこの契約者となります。

2.証券番号
契約を特定するための番号です。保険会社へ契約内容を問い合わせする際に証券番号を伝えるとスムーズです。手元に自動車保険証券がなく証券番号が不明な場合は、氏名・生年月日・住所・電話番号を伝えて(または入力)、本人確認ができれば契約内容の確認が可能です。

3.問い合わせ先
契約している保険会社名・問い合わせ先が記載されます。万一事故のときはこちらに連絡します。

4.契約内容
保険種類と対象となる保険期間が記載されています。保険期間が満了する前に継続手続きをお忘れなく。

5.被保険自動車(契約の車) 
契約の車の内容が記載されます。申込みの際には車検証を確認すれば、車の内容が把握できます。

6.記名被保険者等
契約の車を主に使用する方の氏名・性別・生年月日・免許証の色などが記載されます。

7.運転者の年齢条件等
契約の車を運転する人の範囲(限定しない・運転者家族限定・運転者本人・配偶者限定など)や運転者年齢条件(年齢を問わず補償、21歳以上補償、26歳以上補償、30歳以上補償、35歳以上補償など)が記載されます。

8.保険料の支払内容・方法
保険料とその保険料の払込方法(口座振替やクレジットカード払い)などが記載されます。

9.割引・割増等
契約に適用される等級、事故有係数適用期間、割引・割増の内容が記載されます。

10.補償内容と保険金額
契約した補償や特約、あわせて保険金額、免責金額等が記載されます。

保険証券の表示形式は保険会社ごとに異なりますが、記載される項目や内容についてはほとんど変わりありません。

保険証券を使うときは?

保険証券が必要な場面は、例えば、マイカー通勤をしているケースで勤務先から保険証券の写しの提出を求められるときがあります。その場合は契約時に保険証券の発行を不要としていたら、保険証券を発行してもらうため契約内容の変更手続きをする必要があります。なお、保険証券を発行する際には追加保険料を支払います。

また、自動車保険を他社に乗り換える際にも必要になります。現在加入している契約内容や保険期間などの情報が必要になるので保険証券を確認しましょう。

もしも紛失したら?

保険証券を紛失した場合は、再発行することができます。保険証券が再発行される前に、事故や故障などで保険金請求をすることがあっても補償の対象となります。

ペーパーレス化は自動車保険にも無関係ではありません。保険証券が発行されない契約でも、補償は変わることなく安心として持ち続けることができます。自動車事故は屋外で起きるため、保険証券の写しはマイカーに保管しておきたいものです。

自動車保険を比較する

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→ パターンで比較!個別見積もりのとり方

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自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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