2015年11月06日 09時00分

親なら知っておきたい「奨学金制度」 “もらえる奨学金”を解説!!

教育費の負担をできるだけ減らすためにも「奨学金制度」について抑えておこう [拡大する]

教育費の負担をできるだけ減らすためにも「奨学金制度」について抑えておこう

 子どもを持つ親であれば、誰しも気になるのが教育費。そのなかで最も費用がかかるのが、大学生の時期だろう。どうしても家計が苦しい場合は、奨学金制度を利用するのも一つの手だ。前回は、奨学金制度の「種類」と「利用条件」について解説した(関連記事を参照)が、今回は“借りる奨学金”の返済と“もらえる奨学金”について紹介しよう。

 前回、奨学金には「貸与タイプ」と「給付タイプ」の2種類があり、貸与タイプの奨学金には、有利子と無利子のものがあること、一方の給付タイプは返済する必要がないことを紹介した。

■借りる奨学金は返済についても想定を!

 「貸与タイプ」の借りる奨学金は、当然ながら返済しなければならない。だからこそ、卒業後に本人にどのくらいの負担がかかってくるのか、ということを借りる前にイメージしておいた方がよいだろう。これは、利子の有無に関係なく重要なことだ。

 そのためには、借りる手続きだけでなく、返済の額や方法についても調査し、想定しておくのがよい。JASSOのホームページでは、奨学金の貸与・返還シミュレーションもできるようになっているので、奨学金制度利用を検討中の方は、利用してみるのがオススメだ。気を付けたいのは、卒業後の本人のライフプランに、この返済が影響を及ぼす可能性があるという点。

 就職すれば、ある程度の収入が入るから、返済すること自体はさほど負担に感じないかもしれない。ただ、転職、結婚といった人生の転機の時期に、また予想外の出来事などが起きた場合に、こうした返済負担が重い現実としてのしかかってくることは大いに考えられる。

 また、就職しても「まず返済ありき」では、将来のための貯蓄がままならなくなってしまうことも。大げさに聞こえるかもしれないが、本人の結婚後の生活や老後にまで影響する可能性もある。「貸与」されるタイプの奨学金制度を利用する場合には、この点を考慮して、少額の利用を心がけるのがよいだろう。

■「もらえる」奨学金も利用

 返済の負担を避けるには、「給付」されるタイプの奨学金制度を利用するという手もある。最近はこうした「給付」されるタイプの奨学金制度を充実させる大学が増えている。父母の年収、居住地などの条件のあるもの、父母の年収等に関係なく学業成績が条件であるものなど、条件はさまざまだ。

 「貸与」される奨学金制度よりも条件は少し厳しいが、利用できれば在学期間の経済的負担をかなり軽減させることができる。申請期間も限られているので、まずは早めに受験予定の大学の制度について調べてみるのがいいだろう。

 大学以外にも、企業や自治体による、給付タイプの奨学金制度がある。こうした制度では、成績優秀であることが条件であることが多い。これらの制度を利用したいのであれば、まずは本人が意欲的に学業に励むことが大事だろう。

 ここまで、さまざまなタイプの奨学金があることを紹介したが、とにかく「経済的に苦しいが進学したい」という場合、まずは通っている高校で相談すれば、個々にあった利用できる制度を紹介してもらうことができるはずだ。まずは諦めずに、さまざまな方法を考えてみるのがいいだろう。

 大学進学にかかるお金は、できるだけ事前に準備しておいたほうがよい。ただ、どうしても足りなければ、あくまで足りない部分を補う手段として、奨学金制度を利用するのがよいだろう。無利子の「貸与」、有利子の「貸与」、そして「給付」、これらの奨学金をうまく選んで、また、組み合わせるなどすれば、卒業後の負担は少しでも軽くできるはずだ。上手な利用を考えてみてはいかがだろうか。

(記事/川口沙織)

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