2016年04月18日 07時50分

今さら聞けない「マイナス金利」基礎知識 “ネット銀行”の優位性に注目!

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今さら聞けない“マイナス金利”の基礎知識をFPが解説!

 日本銀行が新しい金融政策として導入した「マイナス金利」。これにより、多くの銀行で預金金利や住宅ローン金利が引き下げられた。資産運用や生活に大きく影響しそうだが、きちんと把握できていない人も少なくないのでは? 

 そこで今回は、今さら聞けないマイナス金利の基礎をFPが解説。特に金利をウリにしているネット銀行はどうなっているのか、最新情報を確認してみた。

▼大手銀行の普通預金は20分の1へ

 2016年1月、日本銀行で行われた金融政策決定会合によって、翌2月16日からのマイナス金利導入が決定された。この政策は、金融機関が利用している日銀の当座預金について、一定限度を超える残高に対する金利をマイナスにするというもの。一般の預金金利や住宅ローン金利などをマイナスにするものではない。

 だが、導入後、債券市場において国債の利回りが大幅に低下。2月下旬以降は、10年以内に満期を迎える国債の利回りは軒並みマイナス状態に陥り、4月に入ってもこの状態が続いている。そのようなマーケットにおける金利動向は、当然、預金金利や住宅ローン金利にも影響を及ぼし、多くの銀行で引き下げを行うようになった。

 大手銀行の金利で見ると、マイナス金利導入前の普通預金金利は0.02%だったが、導入後は0.001%まで引き下げられ、20分の1となった。これまでは、100万円の預金に対して年間200円の利息がついていても、今後はたった10円しかつかないというわけだ。

 さらに、この利息からは20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金が差し引かれるので、100万円を普通預金に置いておいても、1年間で手取り10円の利息さえつかない。108円や216円といった時間外ATM手数料などの割高さが、より際立ってきたといえるだろう。金利が低いからこそ、手数料には要注意だ。

▼定期預金ではネット銀行の金利が高い

 一方、定期預金金利では、大手銀行の大半が0.02〜0.03%から0.01%に引き下げている。普通預金ほどではないが、預入期間や金額にかかわらず一律0.01%になってしまったようだ。1ヶ月満期から10年満期までの金利が同一ということになるが、10年満期までの国債の利回りがマイナス状態であることを考えれば、利息がつくだけ“マシ”と考えるべきだろうか。

 では、ネット銀行の金利はどうかというと、普通預金金利は引き下げを行っているところもあるが、定期預金金利についてはウリとしている銀行が大半なので、多少の引き下げは行われているものの特定の商品などは高めに設定している傾向がみられる。

 例えば、住信SBIネット銀行では1ヶ月満期が0.02%、6ヶ月と1年満期が0.03%、3年満期が0.04%。じぶん銀行では3ヶ月満期が0.04%、携帯電話のキャリアがauの場合は0.1%の上乗せが行われて0.14%、さらに新規の預け入れについては0.1%の上乗せが行われ、合計0.24%の金利が適用されるようだ。

 また、新生銀行の「スタートアップ円定期預金」では、新規に口座開設をした人を対象に、3ヶ月満期の定期預金金利が0.5%になるキャンペーンを行っている。この金利は破格だ。

 そのほか、イオン銀行では「イオンカードセレクト」を持つことで金利がアップするなど、上乗せサービスを行っているところは多い。自分に合うスタイルを考慮しながら、利用できるサービスは積極的に使っていくべきだろう。

<記事/菱田雅生(マイアドバイザー登録FP)>
早稲田大学法学部卒業後、大手証券会社を経て独立系FPに。資産運用や住宅ローンなどを中心テーマに、相談業務や原稿執筆、セミナー講師などに従事している(http://www.la-consul.com)。

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