2017年04月12日 09時30分

個人型確定拠出年金“iDeCo(イデコ)”のメリットとは

老後に向けてお金を準備したい人は、iDeCo(イデコ)を検討してみよう  [拡大する]

老後に向けてお金を準備したい人は、iDeCo(イデコ)を検討してみよう 

 新年度を迎え、「お金をしっかり貯めたい、増やしたい」と考えている人も多いだろう。最近のニュースなどで「個人型確定拠出年金」という言葉を耳にするかもしれないが、「そもそも個人型確定拠出年金って、何?」「複雑なようだけど、何かメリットがあるの?お金は増えるの?」など、疑問に思っている人も多いだろう。また、“iDeCo(イデコ)”という愛称を聞いたことがあっても、内容はさっぱりわからないという人も多いかもしれない。そこで今回は、お金を増やしたいと思っている人に向けて、個人型確定拠出年金(以下、イデコ)のメリットについてお伝えしよう。

■自分で老後資金を準備する人に、税金を軽くしてくれる制度

 イデコとは、簡単に言うと、「自分で老後資金を準備する人に対して、税金をオトクにしてあげますよ」という制度だ。働き方などによって、1ヶ月あたりに積み立てられる金額の上限が異なるが、上限金額までであれば3つのメリットを受けられる。それは、「毎年納める税金」「利益が出たときの税金」「受け取るときの税金」という3つの税金へのメリットだ。

 特に注目したいのが、「毎年納める税金」と「利益が出た時の税金」の2つのメリット。仮に、イデコで月々1万円を積み立てた場合、1年間で12万円になる。この12万円分からは、所得控除といって、所得に応じて払うことになる所得税10%と住民税10%分を軽減することができる。

 そして、毎月の掛け金を運用していくことになるのだが、この運用によって得た利益に対して、20%(復興特別所得税を除く)の税金が、イデコを利用する場合はかからない。もし利益が1万円出たら、普通の投資なら、1万円×20%=2000円が税金として差し引かれるが、イデコならこの2000円が非課税となるので、そのまま利益として受け取れる。

■メリットをどう生かすかが重要

 税金のメリットがあると魅力的だと感じるかもしれないが、運用商品によっては元本保証できないなど、注意点はいくつかある。さらに、イデコによって税金が浮いた分を、外食や好きなものに全部使い切ってしまうと、結局お金をたくさん使う癖がついてしまう。浮いたお金の一部はしっかり貯蓄に回すなど、賢く利用していきたいものだ。

 また、イデコはそもそも“老後資金”という目的なので、自分が積み立てたお金を受け取れるのは原則60歳以降だ。始めて数年後に「やっぱりお金が必要になった」と引き出すことは基本的にできない。先々まで見越した上で、イデコで積み立てるお金をいくらにするか検討しておきたい。ただ、「老後まで引き出せない」という原則は、確実に老後資金を貯められる“メリット”でもあると言える。

 「老後に向けてお得にお金を準備しておきたい」「老後に少しでもゆとりのある生活を送りたい」と思っている人は、一度検討してみるとよいだろう。

(ライター:西山美紀)
ファイナンシャルプランナー。2児の母。これまでに1万件以上のマネーデータを分析し、500人以上にマネーの取材を行うほか、女性の生き方などをテーマに取材・執筆・記事監修なども行っている。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。公式サイト:http://www.nishiyamamiki.jp/

>><ランキング> 利用者から評価が高いネット銀行を調査!

>>続けやすいのはどれ? 人気の『家計簿アプリ』4つを比較してみた

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

当サイトで公開されている情報(文字、写真、イラスト、画像データ等)及びこれらの配置・編集および構造などについての著作権は株式会社oricon MEに帰属しております。これらの情報を権利者の許可なく無断転載・複製などの二次利用を行うことは固く禁じております。