2017年06月18日 10時50分

申告漏れに注意! ふるさと納税「ワンストップ特例」が使えないケースとは

ふるさと納税で「ワンストップ特例」が使えないケースとは?(写真はイメージ) [拡大する]

ふるさと納税で「ワンストップ特例」が使えないケースとは?(写真はイメージ)

 ふるさと納税という言葉が以前にも増して浸透してきており、実際に始めた人も多いのではないだろうか。会社員など、勤務先で年末調整を行っていて、確定申告をしない人は、寄付先の自治体が5つ以内であれば「ワンストップ特例制度」が適用される。この特例制度は、自治体と書類のやりとりだけで、確定申告をしなくて済むというもの。手続きが簡単になるので、すでに利用している人もいるだろう。ところが、会社員でもこの特例制度が利用できないケースがある。

■「確定申告」をしたら、ワンストップ特例制度は帳消しに

 そもそも、「ワンストップ特例制度」の対象者は「確定申告が不要な人」が前提だ。よって、確定申告が必要な以下のような人は要注意だ。

【ケース1】医療費控除を申告する人

 例えば年間の医療費が10万円を超え、医療費控除をした場合が該当する。さらに今年から「セルフメディケーション税制」ができ、薬局などで購入した薬代(スイッチOTC医薬品)が1万2000円を超えた場合でも医療費控除を申告できるため、該当する人もいるだろう。また、出産にかかる費用も控除の対象となるため、出産の翌年などに医療費控除を申告する人も注意が必要だ。

【ケース2】住宅ローン控除の申告をする人

 会社員の場合、住宅ローン控除の申告は、初年度のみ自分で確定申告をする必要がある。2年目からは勤務先の年末調整で手続きができる。

【ケース3】株で損を出して、損益通算の申告をする人

 株などの売買で損が出た場合、翌年以後3年間のうちに確定申告をすることで、以降の利益と損益通算ができるため、申告をする場合は要注意。

【ケース4】

 副業が20万円を超えた人、給与を2か所以上からもらっている人、給与収入が2000万超の人

 いずれも確定申告をする必要がある。

 上記のケースを含め、何かしらの理由で確定申告をした場合は、仮に確定申告前にワンストップ特例制度を使っていても無効になってしまため、ふるさと納税についても、確定申告をする必要があるというわけだ。

■申告漏れは自分で防ぐしかない

 「あなたはワンストップ特例制度が無効ですよ」と誰かが教えてくれることはなく、「ワンストップ特例制度を使って、ふるさと納税の手続きをしたから大丈夫」と油断していると、お得に利用できなくなってしまうこともある。自分で確認して、自分でふるさと納税の確定申告をする必要があるので注意しよう。

 申告漏れを避けるためには、最初からワンストップ特例制度を使わずに、「確定申告をするつもり」でいることも一つの手だ。さらに、確定申告の経験をすることで、自分がふだん納めている税金と向き合い、税金の仕組みを知るきっかけにもなるというメリットも得られるだろう。

(ライター:西山美紀)
ファイナンシャルプランナー。2児の母。これまでに1万件以上のマネーデータを分析し、500人以上にマネーの取材を行うほか、女性の生き方などをテーマに取材・執筆・記事監修なども行っている。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。公式サイト:http://www.nishiyamamiki.jp/

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