リフォームで「最高評価」を得た、意外な企業 ネームバリューだけじゃない、最重要の3項目

記事は2015年10月9日に東洋経済オンラインに掲載されたものです。
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 高齢化に伴うバリアフリー化、子どもの成長に合わせた間取り変更など、ライフスタイルの変化に応じて行う「住宅リフォーム」。そのパートナーであるリフォーム会社は、どう選ぶべきなのか……。

 「オリコン日本顧客満足度ランキング」で上位10社に入った人気のリフォーム会社を検証してみると、ネームバリューだけでは計れない、本当に重視すべきポイントが見えてくる。

 今回行ったのは、過去5年以内にリフォーム会社を利用したユーザーが対象の満足度調査。自身でリフォーム会社を選定した計1万7629人に、「価格の適切さ」「仕上がり」「会社の信頼性」といった8項目を、それぞれ100点満点で評価してもらった。

 また、アンケートでは「特に重視する項目」も合わせて質問。多くのユーザーが重視する項目において評価が高い場合は、ポイントに反映される仕組みになっている(詳しい調査・ランキング方法はこちら)。

エディオンの強さが光った、3つの点

  • 【画像】リフォーム顧客満足度ランキング

 総合1位に輝いたのは、家電量販のエディオン。全8項目のうち7項目で75点以上を獲得するバランスのよさが光った。特に前述の「重視項目」として上位に挙がった「価格の適切さ」「会社の信頼性」「仕上がり」での評価が高く、3項目の合計得点が頭ひとつ抜けている。

 リフォーム専業や大手の会社を抑え、同社が最も高い評価を獲得したのは意外に思えるかもしれない。ただ、実はこのエディオン、家電量販の中でいち早くリフォーム事業に取り組んできた会社のひとつなのだ。

 エディオンは2009年からこの分野に本格参入し、2013年にはLIXIL(リクシル)グループと資本提携。以降は、よりリフォーム市場に注力し、今や大手住宅メーカーを脅かす存在となっている。
 同社が特に力を入れるのは、オール電化やキッチン、バス、トイレなどの水回りリフォーム。家電量販店としての特性、リクシルとのパイプを生かし、設備系で強みを発揮する。現に施工箇所別の満足度評価でも、エディオンは旭化成リフォームに次ぐ2位に輝いた。

 また、前述の通り「価格の適切さ」は同社最大のセールスポイントといえる。付帯工事費込みのパッケージ商品「ぷちdeリフォ」は、レンジフードや洗面化粧台を交換するだけといった、ピンポイントな要望に対応している。低価格かつ短時間の工事で住まいの悩みを解決できるお手軽さが受けているようだ。

 なお、ユーザーからは「パッケージ化したものであり、価格等わかりやすかった」(50代男性)、「現在使っている物で残せるものは残して、料金を安くしてくれたので信頼出来ました」(40代女性)といった声が寄せられている。

「いかにストレスなく進められるか」も重要

 一方、2位の大阪ガスは昨年の総合1位から一歩後退したものの、項目別では「工程管理」で1位、「仕上がり」「営業担当者の対応」で2位を獲得。「営業担当、施工担当共に丁寧な物腰で好感が持てた」(40代男性)、「無理な営業をせず、こちらの判断を気長に待ってくれた」(40代女性)など、対応のよさを評価する声が数多く寄せられている。

 3位の東京ガスリモデリングは「営業担当者の対応(4位)」「施工担当者の対応(3位)」がともに上位で、社員教育に力を注ぐ会社の姿勢がうかがえる。内容によっては、数カ月もの長期にわたるリフォーム工事。その間、いかに顧客がストレスを感じることなく進められるかは、担当者の人柄や力量によるところも大きい。こうした各セクションの対応力も、重要な指標のひとつといえそうだ。

 今回の上位3社に共通しているのは、重視3項目の総合力が優れている点だ。いずれもユーザーニーズを正確に捉え、顧客の心をがっちりつかんでいることが分かる。

 なお、今回の上位10社の顔ぶれは「リフォーム専業」「家電や水回りなどの設備系」「ハウスメーカー系」に大別できる。
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 系列によってそれぞれ長所・短所は異なるが、手厚い保証やアフターサービスを含め、ユーザーの信頼性が高いのは「ハウスメーカー系」。なかでも総合4位のへーベルハウスは「仕上がり」「会社の信頼性」「保証・アフターサービス」「施工担当者の対応」の4項目で1位を獲得。品質に裏打ちされた安心感、技術力の高さは申し分ない。しかし一方で、「価格の適切さ」の評価が低く、コスト面がネックとなってベスト3入りを逃している。

リフォーム箇所の得手・不得手も知っておこう

 ユーザーからは「建築メーカーであるため間違いのない施工をしてくれる」(50代男性)、「何十年点検といって無料の点検があり、その際に修理の提案があること(が安心)」(40代女性)など、ハウスメーカー系リフォーム会社ならではの信頼性や手厚いアフターケアが評価ポイントとして挙げられた。

 また、同じくハウスメーカー系の積水ハウスリフォームも、総合順位こそ10位だが、やはり「保証・アフターサービス」「会社の信頼性」の2項目で3位と高い評価を受けている。

 リフォーム箇所ごとの得手・不得手もある。パナソニックのリファインショップは「屋根」(1位)、「外壁」(3位)、「内装」(4位)、「窓・建具」(3位)など、4箇所の評価で上位5位以内を獲得。また、リフォーム専業のゆとりリフォームは、「内装」と「窓・建具」で1位に輝くなど、独自の強みを見せている。こうした各社ごとの得意分野、施工実績などもふまえておくと、失敗しない業者選びが出来るだろう。

 近年は、ホームセンターや家電量販系列の企業がリフォーム事業に参入し、ユーザーの選択肢は増えている。そのぶん、施工箇所や重視したいポイントに合わせ細かく評価を見ていくことが望ましい。
オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

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