2012年05月26日 07時00分

SNSでファン層を拡大〜中国版Twitter“ウェイボー”活用法

『中国版ツイッターウェイボーを攻略せよ!』(著・山本達郎/ワニブックス) [拡大する]

『中国版ツイッターウェイボーを攻略せよ!』(著・山本達郎/ワニブックス)

 今やユーザー数は3億人を超えると言われる中国版Twitter「ウェイボー」。Twitter、Facebook、YouTube等に自由にアクセスできない中国では、このマイクロブログ「ウェイボー」が独自の進化を遂げている。このほど刊行された『中国版ツイッターウェイボーを攻略せよ!』を上梓した著者に、「ウェイボー」攻略法を聞いた。

 「中国ビジネスで成功するには、ウェイボーといかにつき合っていくかが重要」と語るのは、北京でインターネットの広告会社を経営する山本達郎氏。最近、日本でもウェイボーを扱った記事を目にするようになったが、実際にどんなメディアなのか、分かりにくいのも事実。当然、山本氏の元にもよく問い合わせが入る。それが『中国版ツイッター〜』をまとめるきっかけとなった。中国では現在、新浪、騰訊、網易、捜狐といった4大ポータルサイト全てが、自らのウェイボーを提供しており、利用者は日々増え続けている。

 「中国、香港、台湾、シンガポール…と見ている人は多い。中国ではメディアからの発表よりも口コミを信用する傾向にあるのも急速な広がりを後押ししている」と山本氏。同書は、ウェイボーとは何かに始まり、一気に広がった背景などがまとめられているほか、日本企業や、中国企業によるウェイボー活用の成功事例も挙げられている。その中に、自動車メーカー・マツダや朝日新聞、フェリシモといった成功事例に交じって、浜崎あゆみがウェイボーに公式アカウントを持ち、ファンと交流を図っている事例も示されている。
 文字中心のTwitterと違って、ウェイボーは画像を掲載するとコメントが付きやすいそうで、浜崎の場合もファンとの写真や撮影の様子、プリクラやネイルの写真なども公開され、フォロワーが増加。つぶやきは基本的には英語だが、時には中国語や日本語を交えたものも見られる。言葉の壁はあるが、とにかく“本人がつぶやくこと”が重要なのだ。

■日本人アーティストでフォロワー数1位のw-inds.

 日本及び海外の著名人も多く、ウェイボーにアカウントを開設している。日本人では、元サッカー選手の中田英寿のフォロワー数が最も多いが、その次に多いのがw-inds.である。その背景を、PC社の松尾晃氏と山口直孝氏に聞いた。今や東南アジア全域に活躍の場を広げているw-inds.だが、そのきっかけは03年に台湾で「Because of you」が大ヒットし、単独公演を行ってからだという。06年に「MTV マンダリンアワードJ-POP 特別賞」を受賞してからは、毎年のように各国のアワードに招かれて賞を受賞するほど人気を集めている。

 ウェイボーを開設したのは10年11月。「オフィシャル以外の情報を発信し、もっとファンに親近感を持ってほしい」というのが始めた理由だ。これまでの活動による数々の経験があるため、リスクよりも本人たちが発信していくことのメリットの方が大きいと考えた。5月頭の時点では210万人に伸長し、中華圏でのファン拡大に一役買っている。

「中国で展開しようと考えるのであれば、まずはウェイボーでファンベースを作ることを薦めます。フォロワー数を増やすには、1日少なくとも複数回はつぶやく。そして、中国に興味を持ち、好きになることでしょう。楽しもうという気持ちがないと続けられませんから」(山本氏)。

 もちろん、いいことばかりではない。文化の違いにより、時には炎上するケースもあるだろう。しかし、今後、中国での展開を考えるアーティスト、企業にとって、ウェイボーは魅力的なメディアであることには違いない。(オリジナルコンフィデンスより)

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