2012年06月30日 11時00分

意外とオーナーは知らない? 犬の肥満と食事療法

愛犬の摂取カロリーに気をつけよう [拡大する]

愛犬の摂取カロリーに気をつけよう

 ときどき街で見かける肥満犬。その身体の丸いフォルムや性格の穏やかさに「かわいい!」と言ってしまうのも無理はない。だがそのかわいさとは裏腹に、肥満になることで心臓や呼吸器系の病気などが発生する確率が高くなることや、寿命が短くなるなどと命にかかわる危険度も上がる。実際に都内や都内付近の動物病院で働く動物看護師に、週にどのくらいのペースで肥満犬が来院するかを聞いてみた。

「4〜5頭に1回の割合で来院」(足立区)
「毎日1頭以上は来院」(松戸市)
「1日の来院数の2〜3割」(蕨市)
「週に5〜6日」(新宿区)

 ほぼ毎日肥満犬は来院しているようだが、ではこの犬たちはなぜ肥満になってしまったのだろうか。

 その原因には、オーナーがおやつや餌を与えすぎるケースが多いと考えられる。ペット総研が調べたアンケート「ペットの通信簿2011の“健康管理編”」に関する調査によると、約半数の45.0%のオーナーが「1日に与えるおやつのカロリー管理をしていない」と回答しているほか、「自分や家族などが愛犬に人の食べ物をあげたか?」という問いに対しては、半数以上の60.6%のオーナーが「はい」答えていることがわかった。

 また、動物看護師が来院した犬のオーナーに肥満について触れたり、アドバイスをすると下記のようにあまり関心を示さない人も多いようだ。

「受け流されてしまうことがある」(足立区)
「笑って誤魔化されてしまう」(船橋市)
「「私はおやつをあげていないんだけど、お父さんがねェ〜」と言われてしまう」(松戸市)
「1日の給餌量をアドバイスすると「こんなに少なくて大丈夫ですか?」と驚かれる」(新宿区)
「「太っていても、健康体なんだから大丈夫」と言われる」(蕨市)

 しかし、病気になってからでは遅い。もし今飼っている愛犬が太り始めてきていると感じているのならば、これから言う3つのことが重要になってくる。

■(1)【人の食べ物(食事の残りやお菓子)などのおやつの与えすぎは一切やめる】
犬が太る原因として多いのはおやつの食べ過ぎや、オーナーの食事の時間に残り物をもらう行為。どうしてもおやつをあげなければならない時は、フードを数粒持って行き、それを与えるなどしてカロリーの高いものは控えること。

■(2)【愛犬の1日の摂取カロリーや給餌量を把握する】
犬の種類、年齢、状態(妊娠中など)にもよるが、1日の摂取カロリーや給餌量を把握することが必要。もしカロリーを超えていた場合は減量用のフードや、カロリーの低いライトタイプのフードに変更したり、低カロリーの野菜でフードのかさを増やすなどの工夫が必要。

■(3)【愛犬の標準体重を調べ、その体重に近づける】
まずは犬種によって標準体重があるのでそれを調べておくこと。毎日体重を量る必要はないが、週に1回など体重を量る日を作るといい。

 愛犬に人の食べ物やおやつをあげたい気持ちはわかるし、なにより一緒に同じものを食べることでお互いの絆を深めあえるのかもしれない。しかし、それは犬にとって本当にいいことなのかを、もう一度考えてみてはどうだろうか。

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