2014年10月28日 12時00分

<『みんなの家庭の医学』おさらいニュース>酒を飲まないのに肝炎!? 大切な肝臓を破壊する意外な病

肝炎の意外な原因は“歯周病菌” [拡大する]

肝炎の意外な原因は“歯周病菌”

 「沈黙の臓器」と言われる肝臓。1970年には1万人に満たなかった「肝臓がん」の死亡者数は、ここ20年は毎年3万人を突破しており、要注意のがんとされている。主に酒の飲みすぎが肝炎を引き起こし、やがて肝硬変、肝臓がんへと進行することが知られているが、最近、アルコールを全く飲まず、肝炎ウイルスにも感染していないのに、肝炎を発症する人が多数存在していることが明らかになってきたという。今回のORICON STYLEと朝日放送『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』(毎週火曜日午後8時放送)のコラボ企画“おさらいニュース”では、『長引く身体の不調を解消する!3つの新事実SP』から、日本の成人の約8割が抱えている“あの病”が、大切な肝臓を破壊してしまうという驚愕の新事実をお伝えする。

■脂肪肝から肝炎に進行 犯人は“歯周病菌”

 今回、番組では酒を全く飲まないのに肝炎と診断されたYさん(43歳女性)の事例を紹介。15年前、予備校講師として多忙な日々を送っていたYさんは、運動不足など生活習慣の乱れから、肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」になってしまった。医師から「食事の制約が必要」と注意されたものの、脂肪肝が“病気”であるという認識は薄く、数値が悪化することもなかったため、特に気にすることもなく毎日を過ごしていた。それから10年、2人の子供の母親となっていた彼女は、ある日を境に、微熱があるような重いだるさを感じるようになる。歳のせいと思い込み、病院で診察を受けることはなかったが、実はこの症状こそ沈黙の臓器、肝臓がついに上げた「声なき悲鳴」だった。

 だるさの症状の原因が判明したのは、2年後に何気なく受けた健康診断。肝臓の数値が異常なほど高くなり、精密検査の結果、肝炎になっていることが判明したのだ。酒を飲まないのになぜ? そこで彼女が治療に向かったのが、“肝炎研究のエキスパート”として知られる中島淳先生(横浜市立大学大学院 医学研究科 主任教授)。中島先生は、脂肪肝から肝炎に進行してしまった原因を徹底的に調査。すると、最後に行った唾液の調査で先生の予想通りのものが見つかった。それは歯周病の原因“ギンギバリス菌”。そう、この歯周病菌こそが、アルコールを飲まなくても肝炎を発症させてしまう犯人だったのだ。

■歯周病を放置すると肝炎になる理由とは?

 ギンギバリス菌は、300〜500種類もあると言われている歯周病菌のなかでも最も代表的な菌で、誰の口にでも存在する菌。歯周病菌は、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目にたまると、そこから体内に侵入し、血管を通して全身を巡り始める。その多くは白血球によって退治されるが、強いギンギバリス菌はしつこく生き残り、免疫機能をかいくぐって肝臓まで到達。侵入を感知した肝臓は、刺激物質を分泌し菌の退治を始める。この時、健康な肝臓であれば刺激物質の影響をほとんど受けないが、Yさんのように脂肪肝になってしまった肝臓は過剰に反応してしまう。そのため、細胞が炎症を起こし、長い年月をかけてゆっくり肝炎へと進行してしまうのだ。

 その後Yさんは、投薬治療や運動、食事療法とともに、歯周病の治療を始めた。すると肝臓の数値はみるみる下がり、歯周病の治療が終わるころには正常値に。現在は歯周病も肝炎も完治している。日常生活に支障がないと放置してしまいがちだが、たかが脂肪肝や歯周病と油断せず、専門医に相談してみてはいかがだろうか。

「みんなの家庭の医学」番組HP

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