2014年11月18日 11時30分

治らない「五十肩」が恐ろしい病のサイン!? 

いつまでも健康でいたい。なかなか治らない不調に悩まされている人は「セカンドオピニオン」を受けてみてはいかがだろうか [拡大する]

いつまでも健康でいたい。なかなか治らない不調に悩まされている人は「セカンドオピニオン」を受けてみてはいかがだろうか

 診断や治療について主治医とは異なる別の医師に意見を求める「セカンドオピニオン」。主治医からの紹介状が必要で、自費診療が原則となるが、思わぬ原因や解決法が判明することもある。今回のORICON STYLEと朝日放送『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』(毎週火曜日午後8時放送)のコラボ企画“おさらいニュース”では、「長引く治らない症状 本当の原因をもう一度探ります!〜名医のセカンドオピニオンSP 〜」から、セカンドオピニオンによって症状が改善した2つの事例を紹介。セカンドオピニオンの必要性を改めて探る。

■「動悸」から判明した病「サルコイドーシス」

 まずは50代以上の約200万人が悩まされているとされる「動悸」。ある夏の昼下がり、突然動悸を感じた専業主婦のT・Yさん(56歳)は、近所の循環器内科で「軽度の不整脈」と診断された。しかし薬を飲んでも胸の動悸は治らない。そして半年ほど経ったある日、目の前に黒いゴミのようなものがちらついていることに気付く。さらに1ヶ月後、今度は左目と鼻筋の間に丸いできものが。皮膚科を受診すると、老人性のイボと診断された。こうしたなか、またも動悸に襲われ、ついに意識が遠のくまでに。病院で再び検査を受けたが、結果はやはり「軽い不整脈」。その後、病院めぐりを続けるが、診断が変わることはなかった。

 しかし3ヶ月後、担当医から心臓の名医・諸井雅男先生(東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科 准教授)を紹介されたことで、動悸の陰に恐ろしい病が潜んでいたことが発覚する。エコー検査で左右の心室を隔てる壁が通常よりほんの少しだけ薄くなっていることに着目した先生は、心臓の筋肉に栄養を送っている太い血管「冠状動脈」に奇妙な血流障害が起こっていることを発見する。そして目に止まったのがT・Yさんの顔にできた吹き出物。この時先生の脳裏にある病の名前が浮かんだ。病名「サルコイドーシス」。一体どんな病気なのか?

 “サルコイドーシス”とは、ラテン語で“肉のようなものができる病”という意味。心臓や皮膚、肺、目など全身のあらゆる臓器に炎症が起き、肉芽腫と呼ばれる肉の塊を作ってしまう病だ。進行すると、全身の臓器の機能が低下し、最悪の場合、死に至ることもあるという。発見が困難なこの病を諸井先生が見極めたポイントは、血流障害が冠状動脈の一部分だけで起こっていたことと、同じ炎症が心室を隔てる壁にも及んでいたこと。さらにあのイボと飛蚊症が決め手となった。こうして先生は、病の正体を、見事に突き止めた。

■あちこちの関節に激痛 原因はなんと「肺がん」だった

 2つ目は、「五十肩」と勘違いしやすい恐ろしい病を紹介。H・Mさん(68歳男性)は、肩の痛みを訴え整形外科で検査を受けたところ「肩関節周囲炎」、いわゆる“五十肩”と診断された。処方された薬で痛みも取れたが、3ヶ月後、肩や肘、手首、指、ひざなどあちこちの関節に激痛が走るように。「関節リウマチかもしれない」と診断されたH・Mさんは、関節治療の名医・川合眞一先生(東邦大学医療センター 大森病院 リウマチ膠原病センター教授)のもとを訪れた。川合先生は、関節リウマチの特徴である関節の赤みがないことや、関節の腫れがないこと、熱を帯びていないこと、そして骨同士の癒着がないことを確認。そこで改めて関節を調べ始めた先生は指先に着目すると、指先が太鼓のばちのようにふくらんでいることを発見。そこで肺のレントゲンを撮影し、原因が「肺がん」にあることを突き止めた。

 実はがんが放出する物質のひとつに、体中の様々な組織を成長させる物質がある。H・Mさんの場合、肺にがんができてしまったため、この物質が血管を通じて全身の骨に運ばれてしまった。結果、必要もないのに骨が成長してしまうことに。この骨を敵とみなした免疫細胞が攻撃してしまったことで、骨の関節に炎症が発生していたのだ。あまり知られていないが、指先のふくれは肺がんの症状のひとつ。『ばち指』と呼ばれ、肺がんの数少ない自覚症状の1つといわれている。幸いH・Mさんの場合、他の部位に転移がなかったため、手術でがんを切除。再び元気な生活を送っている。

 上記の症状に限らず、病院に行ってもなかなか治らない不調に悩まされている人は、この機会に「セカンドオピニオン」を受けてみてはいかがだろうか。

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