2011年02月17日 15時30分

伊集院静氏、電子書籍レーベル設立 文学と音楽の融合で新潮流期待

会見を行った(左から)伊集院静氏、宮澤正明氏 (C)ORICON DD inc.  [拡大する]

会見を行った(左から)伊集院静氏、宮澤正明氏 (C)ORICON DD inc. 

 作家の伊集院静氏が17日、都内で初の電子書籍『なぎさホテル』の出版と、自身の提言で誕生した電子書籍レーベル・デジタルブックファクトリーの設立会見を行った。「電子書籍にしかできない事があるはず」という伊集院氏に、写真家の宮澤正明氏も協力してプロジェクトがスタート。今後、人気アイドルグループ・SKE48や大衆演劇の人気女形・早乙女太一の写真集を出版する。なお、作家が電子書籍レーベル設立にかかわった例として2010年11月に村上龍氏が立ち上げた電子書籍の新会社がある。

 伊集院氏は村上氏の電子書籍作品を見たことに触れ、「村上さんの作品も見ましたし(同作に楽曲を提供した)坂本(龍一)さんの音楽を聴きましたが、これに映像がついたらいいなと思った」と自身が電子書籍出版に関心を寄せたと話し、「電子書籍には遊び心がなければ」と持論を展開。第1弾作品となる伊集院氏の同著には伊集院・宮澤両氏のほか、井上陽水が楽曲を提供する。

 電子書籍を出版するにあたり、伊集院氏が作家デビュー前の青春時代に過ごし、同著の舞台となった湘南・逗子海岸の「なぎさホテル」が取り壊される前を撮影した宮澤氏の写真を使用。宮澤氏は「20数年前に伊集院さんから“撮ってくれないか”と言われた写真がこんな形で世に出るとは思っていなかった」と笑い、音楽や映像が添えられることで「文学だけよりも読者の方との距離を縮められたのではないかと思う」と“音”を加味できる電子書籍の可能性に期待を寄せていた。

 iPad、iPhoneで見られる同作はApp Storeで配信中。価格は税込み1000円。

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