2011年03月17日 11時00分

コーエン兄弟の最高傑作『トゥルー・グリット』で注目の新鋭女優ヘイリー・スタインフェルド

今年2月に『トゥルー・グリット』のプロモーションで初来日したヘイリー・スタインフェルド  (C)ORICON DD inc.  [拡大する]

今年2月に『トゥルー・グリット』のプロモーションで初来日したヘイリー・スタインフェルド  (C)ORICON DD inc. 

 14歳44日という史上9番目の若さで米アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、世界中から注目された米女優ヘイリー・スタインフェルド。父を殺した男に復讐を誓った少女と、彼女に雇われた二人の男たちの姿を描いた西部劇『トゥルー・グリット』(ジョエル&イーサン・コーエン監督、3月18日公開)での好演が評価された。

 スタインフェルドは8歳の時、いとこがバービー人形のTVコマーシャルに出演したことに触発されて、演技のレッスンに通い始める。同作のオーディションを受けた時は13歳。全米の約1万5000人の参加者の中からヒロインのマティ・ロス役を射止めた。「子供なりに私もテレビに出たいと思ったのがきっかけだけど、実際に演技を学び始めたらすごく楽しくて、演じることが好きで好きでたまらないって思えたから、女優になる決心ができました」。

 彼女の映画デビュー作となった同作は、映画『勇気ある追跡』のオリジナル原作でもあるチャールズ・ポーティスの小説『トゥルー・グリット』を新たに映画化した作品。マティに雇われる、大酒飲みの連邦保安官ルースター・コグバーン役をジェフ・ブリッジス、同じくテキサス・レンジャーのラビーフ役をマット・デイモンが演じる。ブリッジスは『クレイジー・ハート』で2010年の米アカデミー主演男優賞を受賞。デイモンも『グッドウィル・ハンティング/旅立ち』でブレイクし、『ボーン・アイデンティティー』やハリウッドスター総出演の『オーシャンズ』3部作など、数多くのヒット作に出演している。

 ハリウッドでも屈指の実力派俳優二人との共演を、スタインフェルドは「撮影中、彼らはすごく私のことを気にかけてくれて、自分が初めて映画に出た時の話もしてくれました。監督やほかのスタッフ、キャストみんなに甘やかされた現場だったかもしれません」と振り返る。たいした“新人女優”だ。「素晴らしい仕事をする人たちは人間的にも素晴らしい。そんな教訓を得ました。私は俳優という仕事を始めたばかりですが、彼らのようにやっていけたらいいと思います」。

 タイトルの『トゥルー・グリット』とは“真の勇気”という意味。父親を殺した犯人に罪を償わせることを心に誓ったマティと、彼女に協力するルースター、ラビーフの3人は、犯人追跡の過酷な旅の中で、それぞれに“真の勇気”が試される。マティは人生初めての旅で、無法者たちを相手に命がけで戦いながら、自分自身の心とも激しく衝突し、大人の女性に成長していく。

 「マティは14歳ですが、タフで、精神的に自立している少女。自分の父親の仇を討つという目的に向かってまい進する彼女を誰も止められない。自立して自己主張することの大切さを教えてくれるマティの姿は、若い女性に対してすごくいいメッセージになると思う」。

 彼女自身にとっての“真の勇気”とは…。「忍耐力を持って何かを続けること。困難があってもひるまないで目的に向かって突き進むことなんじゃないかしら。いろんな場面で必要とされるものだと思う。私の中にも“真の勇気”はあると信じています」。

 自分の考えを端的に話すスタインフェルドを見ていると、14歳であることを忘れてしまうが、今回の初来日にはインテリア・デザイナーの母と家庭教師が同行。「友達とのメールに夢中になっていると、“早く勉強しなさい”と母に叱られるの」と冗談めかして笑う表情には、ティーンエイジャーらしさがのぞく。滞在中の自由時間には「ファッション大好き」と東京・渋谷の街にも繰り出した。

 「俳優を志した時、華やかでファッショナブルな世界を想像していたのですが、最初の映画は西部劇の時代の古い服装で、いつも土やほこりまみれだったの、ちょっとがっかりでした(笑)。今後は、もっとファッションを楽しめる映画にも出てみたいです」。

【動画】映画『トゥルー・グリット』予告編⇒


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