2010年05月31日 20時00分

「ツェッペリンNT号」の日本飛行船が自己破産

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 帝国データバンクは5月31日、飛行船「ツェッペリンNT号」で広告宣伝業・遊覧飛行業務を行っていた日本飛行船が同日までに事業を停止し、自己破産を前提とした債務整理を始めたと発表した。同社は日本唯一となる“飛行船遊覧クルーズ”のほか、アニメ映画や自動車CMとのコラボレーションを実施していたが、飛行船の維持費などがかさんで創業以来赤字決算が続いていた。帝国データバンクによると「負債は2009年3月末時点で約9億5500万円だが、変動している可能性がある」という。

 同社は2005年3月より開催された万国博覧会『愛・地球博』のPR事業や飛行船を利用した広告宣伝を目的に2002年3月設立。2003年6月には約10億円を投じて飛行船「ツェッペリンNT号」を購入。「愛・地球博」の宣伝活動やその他広告収入を含め、2006年3月期には約3億6100万円の年収入高をあげていたが、債務超過のため2007年には筆頭株主が日本郵船から都内の海運会社に、2009年には都内の内装工事業者になるなどしていた。

 伝説的ロックバンドのレッド・ツェッペリンのバンド名の元にもなっている飛行船「ツェッペリン」は1900年にドイツで誕生。「ツェッペリンNT号」は1990年にドイツのツェッペリン・ルフトシフ・テヒニーク社によって開発された最新型の飛行船で、同社が所持していた船体は世界で2番目に製造されたものだった。

 今後の事業については「現在複数のスポンサー候補と交渉を行っているが流動的である模様」(帝国データバンク)とのことで、優雅な飛行船での遊覧クルーズが再び実施される日が来るかは未定となっている。

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