第144回芥川賞・直木賞受賞の4氏が喜びの会見

17日、受賞会見に出席した第144回芥川賞受賞作家・朝吹真理子さん (C)ORICON DD inc.  [拡大する]

17日、受賞会見に出席した第144回芥川賞受賞作家・朝吹真理子さん (C)ORICON DD inc. 

 17日に発表された第144回芥川賞・直木賞(平成22年下半期)を受賞した4氏が同日、都内で行われた記者会見に出席し受賞の喜びを語った。今回は芥川賞に朝吹真理子さん『きことわ』と西村賢太さん『苦役列車』、直木賞に木内昇さん『漂砂のうたう』と道尾秀介さん『月と蟹』が選ばれており、7年ぶりの“芥川・直木賞W受賞”となった。

 芥川賞初候補にして初受賞となった朝吹さんは「(自分の作品を)芥川賞選考委員のみなさんに手にしていただいて、嬉しい気持ちと畏怖の気持ちがない交ぜになっています」と神妙に語り、父で詩人の朝吹亮二氏ら家族への報告は「電話で。『良かったね』とそれだけでした」。「もともと私小説にしか興味がない」と語る西村さんは「僕はいい家庭環境に育っていなかったけれど、藤澤清造さんに救われてきた」という思いから藤澤清造氏の全集を編集しており、「汚い話ですけど今回の賞金プラスアルファで(全集を)出せるなと(笑)」と笑わせた。

 木内さんも朝吹さんと同じく初候補で初受賞。「初めてのノミネートで受賞するとは思っていなかったので」とカジュアルな装いで登場した木内さんだが、「(直木賞受賞を機に)これからどういう流れになるのかというのが分からないんですけど、姿勢は変えたくないなとは思います。一つひとつを大切に書いていきたいですね」と力強くコメント。5回連続で候補となり待望の受賞となった道尾さんは「5回といっても2年半なので、作家をやっていくうちの2年半は一瞬ですからね。でも、担当編集者がやきもきしていたので、取れてよかったなと思いました」と語った。

 今回の芥川賞選考会について、委員の島田雅彦氏は「朝吹さんは初回7ポイントを獲得して受賞が決定し、その後残った候補者の中から5.5ポイントで西村さんが選ばれ、W受賞にするかどうかについても簡単に決まった」と選考過程を説明。朝吹さんを「時間、記憶、過去を自在に操る、時間の処理について卓越した技術を持っている」、西村さんを「ゆるぎない芸風を持っている。私小説といいながらも三人称で書かれているが、独特の技法」と評価した。

 また、直木賞選考委員の宮部みゆき氏は木内さんを「最初の投票でバツがなかった唯一の作品。二重三重に難しいことを設定し、相当たくさんの資料を読み、ご自身で消化して、資料に振り回されなかったことが素晴らしい」とコメント。道尾さんについては「非常に大変な挑戦をしていて、10歳の少年の目線になるという難しいところから逃げなかった。しかしもっと短くできたのではないか、これは短編で書くべきではないかという点から議論になった」と、選考委員の間で議論が対立し、決戦投票で票を獲得しての受賞だったことを明かしている。

【写真一覧】⇒第144回芥川賞・直木賞 候補者の顔ぶれと候補作名

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