5,000万円でおすすめの資産運用は?運用方法やリスクを解説
確かに、資産運用はリスクを伴う場合がありますが、そのまま保有していたとしても、資産の価値が変わってしまうリスクがあります。
今回は、5,000万円を運用したほうが良い理由や、代表的な運用方法とそのメリット・デメリットについて解説します。また、5,000万円の資産運用のシミュレーションと、運用するにあたっての注意点も紹介しますので、参考にしてください。
監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。
目次
5,000万円の資金を運用したほうが良い理由
預貯金の資産価値が目減りするリスクとは、将来インフレ(物価上昇)になった場合、相対的に現金の価値が下がるインフレリスクのことです。例えば、毎年物価が2%上昇した場合、現在1,000円で買える商品は、5年後には1,100円出さないと買えなくなります。現在、預貯金で5,000万円を持っていても、インフレが続けば、その価値は物価が上昇した分だけ目減りしてしまうのです。
日本はデフレが長く続いていましたが、2022年頃からはインフレ傾向にあり、今後しばらくはインフレ傾向が続くと考えられています。預貯金を現金で保有している人にとっては、無視できないリスクといえるでしょう。
また、円建ての預貯金として預けている資産の価値は、為替変動によっても目減りするリスクがあります。例えば、2022年1月1日の円ドル相場は、1ドル=約115円でした。2024年1月1日の円ドル相場は、1ドル=約140.9円ですから、5,000万円の預貯金の価値は、海外から見れば、この2年間で1,000万円以上が目減りした計算になります。
預貯金では、このような資産価値の目減りに対応できません。資産を守るためには、生活に必要な分は現金で確保しつつ、そのほかの資産の一部を運用していくのがおすすめです。
5,000万円を資産運用する方法
株式投資
配当金と株主優待に関しては、それぞれ配当あり・株主優待ありの株式を保有している場合に限られます。
これらの利益を期待できる一方で、株価が値下がりして損失を出す可能性もあります。
投資信託
投資信託には多くの種類があり、投資対象や地域、運用手法によって分類されます。例えば、投資対象としては株式や債券、不動産などに分かれ、投資対象地域としては国内と海外(先進国・新興国)に分かれます。
また、市場指標に連動するインデックス型や、指数を上回る成果を目指すアクティブ型など、運用手法もさまざまです。
投資信託では、運用をプロに任せられるので投資の知識がなくても始めやすく、分散投資がしやすいといったメリットがあります。一方で、信託報酬などの手数料がかかり、運用がうまくいかず損失が発生する可能性もあります。
不動産投資
不動産投資は、入居者が入れば毎月安定した収入を得ることが可能です。また、資産価値が下がりにくく、物価が上がれば家賃も上昇しやすくなることからインフレに強いといったメリットがあります。
一方で、購入や売却、管理に費用がかかることや、空き室リスクや災害リスクがあること、流動性が低くなかなか現金化できない場合があることなどがデメリットとして挙げられます。
外貨預金
外貨預金の魅力は、2024年8月現在では海外と比較してまだ低金利が続く円預金よりも、高金利の通貨で預金ができることです。
また、預け入れ時より円が安くなったタイミングで外貨を円に戻せば、為替差益を得ることもできます。ただし、預け入れ時より円高のタイミングで解約した場合は為替差損が発生することや、預け入れ時・引き出し時に手数料がかかることなどに注意が必要です。
債券投資
債券は、満期償還時に額面金額が支払われるので、発行者の信用度が高ければ、比較的リスクが低い投資方法といえます。ただし、債券の価格変動リスクや、外国債券の場合は円に換算したときの受け取り額が変わる為替変動リスクがあることに注意しなくてはなりません。
プライベートバンク
プライベートバンクのメリットは、個人の資産状況や運用方針に合った、総合的な資産運用マネジメントを受けられることです。一般の金融機関より高い利回りが期待でき、投資の選択肢の幅も広くなります。
一方のデメリットとしては、高額な手数料がかかることや、口座開設の審査が厳しくサービスを利用できない可能性があることが挙げられます。また、口座開設に必要な最低預金額は公開されていませんが、一般的には1億円程度が目安とされているため、5,000万円でも利用可能なサービスを探す必要が出てくるでしょう。
ソーシャルレンディング
運用期間が満了となったら、資金調達をした個人や企業がソーシャルレンディング事業者に元本と利息を返済し、事業者はその返済額を出資した投資家に分配や償還を行います。
ソーシャルレンディングのメリットは、比較的高い利回りが期待できること、短期での運用が可能なこと、少額から始められることです。一方のデメリットは、途中解約ができず流動性が低いこと、元本割れのリスクがあることなどが挙げられます。
ヘッジファンド
ヘッジファンドは高い利回りが期待でき、市場環境が悪化した局面でも利益を狙える点がメリットです。一方で、運用コストの高さや、情報が公開されないので内容がわかりづらい点などがデメリットとなっています。また、ヘッジファンドの投資がうまくいかないと破綻する可能性もあるため、注意が必要です。
5,000万円の資産運用シミュレーション
利回り1% |
利回り3% |
利回り5% |
利回り10% |
|
3年目 |
5,152万円 |
5,464万円 |
5,788万円 |
6,655万円 |
5年目 |
5,255万円 |
5,796万円 |
6,381万円 |
8,053万円 |
10年目 |
5,523万円 |
6,720万円 |
8,144万円 |
1億2,969万円 |
15年目 |
5,805万円 |
7,790万円 |
1億395万円 |
2億886万円 |
20年目 |
6,101万円 |
9,031万円 |
1億3,266万円 |
3億3,637万円 |
資産運用の基本は長期・積立・分散
長期で投資をする
●安定したリターンが得やすくなる
株式などは、短期的には大きな値動きをすることがありますが、10〜20年のスパンで見ると成長を続けている場合があります。長期で投資を行うことによって、リスクを軽減できる可能性があり、短期的な値動きに一喜一憂する必要もなく、安定したリターンが得やすくなります。
●複利の恩恵を受けられる
複利とは、利益を元金に組み込んで再投資することにより、お金がより大きく増えていく仕組みのことです。投資期間が長くなるほど複利の恩恵は大きくなり、効率的にお金を増やすことができます。
積立で投資をする
一括で投資を行うと、相場が思いどおりに動けば大きな利益が得られる可能性がありますが、逆に動けば大きな損失を被るリスクを避けられません。積立投資であれば、リスクを減らしながら、自動的に投資を続けることが可能です。
分散して投資をする
さまざまな金融商品に分散投資している場合、1つの投資がうまくいかなくても、ほかの資産が異なる値動きになれば、全体としてリスクの分散が期待できます。
5,000万円を資産運用する際のポイント
最後に、5,000万円を運用する上で、リスクをできる限り抑え、安定した収益を得るために大切なポイントを見ていきましょう。
資産運用の目的と期間を決める
どのような目的で、いつまで運用するのかを基本に、最適な運用スタイルを決めることが大切です。
専門家に相談する
プライベートバンクを利用している場合は、担当のプライベートバンカーに要望を伝えましょう。
リスクの許容度を理解する
資産運用において重要なのは、自分のリスク許容度に合った投資をすることです。リスク許容度が低ければ、ハイリスク・ハイリターンの商品は避けることや、投資に回す資産の割合を低くすることなどの投資方針が考えられます。
余剰資金を運用する
余剰資金かどうかの判断には、日々の生活費に加えて、6ヵ月分の生活費相当額と、将来の見込まれる大きな支出のための費用を除いた金額が目安になります。
5,000万円の預貯金があったら、資産運用を始めよう
例えば、一部を外貨預金にしておくことで、円安になった際も資産価値を守るための対策を行うことができます。
投資商品はさまざまな種類があるため、自身の資産運用の目的や期間、スタイルに合った商品を選ぶことが大切です。資産を増やすためだけでなく、守るためにも資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。
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監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。