5,000万円でおすすめの資産運用は?運用方法やリスクを解説

5,000万円でおすすめの資産運用は?運用方法やリスクを解説

手元に5,000万円程のまとまった資金がある場合、預貯金として保有するか、資産運用に回すかは重要な選択です。「投資をすると資産が減る可能性があるから、そのまま持っていたほうが安全」と考える人もいるかもしれません。
確かに、資産運用はリスクを伴う場合がありますが、そのまま保有していたとしても、資産の価値が変わってしまうリスクがあります。

今回は、5,000万円を運用したほうが良い理由や、代表的な運用方法とそのメリット・デメリットについて解説します。また、5,000万円の資産運用のシミュレーションと、運用するにあたっての注意点も紹介しますので、参考にしてください。
AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

mokuji目次

  1. 5,000万円の資金を運用したほうが良い理由
  2. 5,000万円を資産運用する方法
    1. 株式投資
    2. 投資信託
    3. 不動産投資
    4. 外貨預金
    5. 債券投資
    6. プライベートバンク
    7. ソーシャルレンディング
    8. ヘッジファンド
  3. 5,000万円の資産運用シミュレーション
  4. 資産運用の基本は長期・積立・分散
    1. 長期で投資をする
    2. 積立で投資をする
    3. 分散して投資をする
  5. 5,000万円を資産運用する際のポイント
    1. 資産運用の目的と期間を決める
    2. 専門家に相談する
    3. リスクの許容度を理解する
    4. 余剰資金を運用する
  6. 5,000万円の預貯金があったら、資産運用を始めよう

5,000万円の資金を運用したほうが良い理由

5,000万円の資金がある場合、預貯金として保有しておいても、資産運用を行っても、それぞれのリスクがあります。資産運用として投資を行う場合には、資産額が変動するリスクがありますが、預貯金として保有しているだけでも、資産価値が目減りするリスクがあるからです。

預貯金の資産価値が目減りするリスクとは、将来インフレ(物価上昇)になった場合、相対的に現金の価値が下がるインフレリスクのことです。例えば、毎年物価が2%上昇した場合、現在1,000円で買える商品は、5年後には1,100円出さないと買えなくなります。現在、預貯金で5,000万円を持っていても、インフレが続けば、その価値は物価が上昇した分だけ目減りしてしまうのです。
日本はデフレが長く続いていましたが、2022年頃からはインフレ傾向にあり、今後しばらくはインフレ傾向が続くと考えられています。預貯金を現金で保有している人にとっては、無視できないリスクといえるでしょう。

また、円建ての預貯金として預けている資産の価値は、為替変動によっても目減りするリスクがあります。例えば、2022年1月1日の円ドル相場は、1ドル=約115円でした。2024年1月1日の円ドル相場は、1ドル=約140.9円ですから、5,000万円の預貯金の価値は、海外から見れば、この2年間で1,000万円以上が目減りした計算になります。

預貯金では、このような資産価値の目減りに対応できません。資産を守るためには、生活に必要な分は現金で確保しつつ、そのほかの資産の一部を運用していくのがおすすめです。

5,000万円を資産運用する方法

5,000万円を資産運用する方法

資産運用には、株式や不動産への投資、外貨での預金、債券の購入など、さまざまな方法があります。また、資産が大きくなっていくと、利用できるサービスの幅も広がっていきます。ここでは、代表的な5,000万円の運用方法について見ていきましょう。

株式投資

株式投資は、上場企業の株式を売買して利益を得る方法です。株式投資で期待できる利益は主に3つあります。購入時より価格が上がったタイミングで株式を売却することで利益が得られる「売却益」、企業が利益の一部を株主に還元する「配当金」、企業の製品やサービスをお得に利用できる権利である「株主優待」の3つです。

配当金と株主優待に関しては、それぞれ配当あり・株主優待ありの株式を保有している場合に限られます。
これらの利益を期待できる一方で、株価が値下がりして損失を出す可能性もあります

投資信託

投資信託は、専門家に資産運用を委託する方法です。投資家から集めたお金で大きな資金を作り、専門家が株式や債券などに投資します。運用によって得た利益は、投資家それぞれが投資した金額に応じて分配される仕組みです。

投資信託には多くの種類があり、投資対象や地域、運用手法によって分類されます。例えば、投資対象としては株式や債券、不動産などに分かれ、投資対象地域としては国内と海外(先進国・新興国)に分かれます。
また、市場指標に連動するインデックス型や、指数を上回る成果を目指すアクティブ型など、運用手法もさまざまです。

投資信託では、運用をプロに任せられるので投資の知識がなくても始めやすく、分散投資がしやすいといったメリットがあります。一方で、信託報酬などの手数料がかかり、運用がうまくいかず損失が発生する可能性もあります

不動産投資

不動産投資とは、マンションやアパートなど不動産を購入して賃貸に出し、賃料収入を得る方法です。不動産が値上がりしたタイミングで売却することで、売却益が得られることも期待できます。

不動産投資は、入居者が入れば毎月安定した収入を得ることが可能です。また、資産価値が下がりにくく、物価が上がれば家賃も上昇しやすくなることからインフレに強いといったメリットがあります。
一方で、購入や売却、管理に費用がかかることや、空き室リスクや災害リスクがあること、流動性が低くなかなか現金化できない場合があることなどがデメリットとして挙げられます。

外貨預金

外貨預金は、日本円を米ドルや豪ドルなどの外国通貨に替えて預金する方法です。預け入れた通貨の国の金利が適用され、利息を受け取ることができます。

外貨預金の魅力は、2024年8月現在では海外と比較してまだ低金利が続く円預金よりも、高金利の通貨で預金ができることです。
また、預け入れ時より円が安くなったタイミングで外貨を円に戻せば、為替差益を得ることもできます。ただし、預け入れ時より円高のタイミングで解約した場合は為替差損が発生することや、預け入れ時・引き出し時に手数料がかかることなどに注意が必要です。

債券投資

債券投資は、資金調達を目的として、国や地方公共団体、企業が発行する借用証書の「債券」を購入し、保有期間中に利子を受け取る方法です。満期まで保有すると額面金額が戻り、期間途中で売却することもできます。また、国内債券・海外債券のどちらの商品にも投資をすることが可能です。

債券は、満期償還時に額面金額が支払われるので、発行者の信用度が高ければ、比較的リスクが低い投資方法といえます。ただし、債券の価格変動リスクや、外国債券の場合は円に換算したときの受け取り額が変わる為替変動リスクがあることに注意しなくてはなりません。

プライベートバンク

プライベートバンクとは、富裕層を対象に資産管理や運用を行う金融サービスを利用する方法です。顧客ごとに担当のプライベートバンカーがつき、顧客の要望をもとに、カスタマイズした資産運用を行ってくれます。

プライベートバンクのメリットは、個人の資産状況や運用方針に合った、総合的な資産運用マネジメントを受けられることです。一般の金融機関より高い利回りが期待でき、投資の選択肢の幅も広くなります
一方のデメリットとしては、高額な手数料がかかることや、口座開設の審査が厳しくサービスを利用できない可能性があることが挙げられます。また、口座開設に必要な最低預金額は公開されていませんが、一般的には1億円程度が目安とされているため、5,000万円でも利用可能なサービスを探す必要が出てくるでしょう。

ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングとは、資金調達をしたい人と資産運用をしたい人をつなぐサービスです。これは、クラウドファンディングの一種で、投資家がソーシャルレンディング事業者と契約を交わして出資し、集まったお金を事業者が個人や企業に貸し付ける仕組みとなっています。
運用期間が満了となったら、資金調達をした個人や企業がソーシャルレンディング事業者に元本と利息を返済し、事業者はその返済額を出資した投資家に分配や償還を行います。

ソーシャルレンディングのメリットは、比較的高い利回りが期待できること、短期での運用が可能なこと少額から始められることです。一方のデメリットは、途中解約ができず流動性が低いこと、元本割れのリスクがあることなどが挙げられます。

ヘッジファンド

ヘッジファンドとは、市場の動きに関係なく利益を追求することを目的としたファンドです。出資者から集めた資金を運用するという点は投資信託と同じですが、一般の人が出資をすることはできず、限られた大口投資家しか出資できない仕組みになっています。

ヘッジファンドは高い利回りが期待でき、市場環境が悪化した局面でも利益を狙える点がメリットです。一方で、運用コストの高さや、情報が公開されないので内容がわかりづらい点などがデメリットとなっています。また、ヘッジファンドの投資がうまくいかないと破綻する可能性もあるため、注意が必要です。

5,000万円の資産運用シミュレーション

5,000万円の資産運用シミュレーション

投資利回りによる利益の違いは、何年も続くと大きな違いになっていきます。5,000万円を運用した場合、運用年数と利回りによって、資産は下記のように変化します。
■一定の利回りで5,000万円を運用した場合のシミュレーション

利回り1%

利回り3%

利回り5%

利回り10%

3年目

5,152万円

5,464万円

5,788万円

6,655万円

5年目

5,255万円

5,796万円

6,381万円

8,053万円

10年目

5,523万円

6,720万円

8,144万円

1億2,969万円

15年目

5,805万円

7,790万円

1億395万円

2億886万円

20年目

6,101万円

9,031万円

1億3,266万円

3億3,637万円

一定の利回りで長い期間にわたり資産を運用することができれば、1億円という金額に達することも可能です。

資産運用の基本は長期・積立・分散

資産運用において、リスクを抑えつつ、安定して利益を増やしていくには、「長期」「積立」「分散」で投資を行うのが良いとされています。これは、長いスパンで毎回決まった金額を、複数の金融商品に分散して投資するという意味です。それぞれの内容について、具体的に見ていきましょう。

長期で投資をする

資産を増やすためには、一般的に数年から数十年の長いスパンで投資を行うことがすすめられます。長期で投資を行ったほうが良いといわれるのは、主に下記のような理由のためです。

●安定したリターンが得やすくなる
株式などは、短期的には大きな値動きをすることがありますが、10〜20年のスパンで見ると成長を続けている場合があります。長期で投資を行うことによって、リスクを軽減できる可能性があり、短期的な値動きに一喜一憂する必要もなく、安定したリターンが得やすくなります。

●複利の恩恵を受けられる
複利とは、利益を元金に組み込んで再投資することにより、お金がより大きく増えていく仕組みのことです。投資期間が長くなるほど複利の恩恵は大きくなり、効率的にお金を増やすことができます。

積立で投資をする

積立投資とは、毎月一定額の投資信託を購入するなど、一定間隔で同じ金額をコツコツ投資していく方法です。積立投資には、自分の感情に邪魔されず自動的に投資ができることや、金融商品購入のタイミングを分散することで価格が平均化され、価格変動の影響を減らせることなどのメリットがあります。
一括で投資を行うと、相場が思いどおりに動けば大きな利益が得られる可能性がありますが、逆に動けば大きな損失を被るリスクを避けられません。積立投資であれば、リスクを減らしながら、自動的に投資を続けることが可能です。

分散して投資をする

分散投資の重要性は、「卵は1つのカゴに盛るな」という格言として広く知られています。1つの銘柄、1つの金融商品だけに集中して投資すると、その運用がうまくいかなかったとき、損失は非常に大きいものになるでしょう。
さまざまな金融商品に分散投資している場合、1つの投資がうまくいかなくても、ほかの資産が異なる値動きになれば、全体としてリスクの分散が期待できます

5,000万円を資産運用する際のポイント

5,000万円を資産運用する際のポイント

資産運用は、インフレや円安による資産価値の目減りに対する有効な手段ですが、思いどおりに収益が得られない場合も出てくるかもしれません。
最後に、5,000万円を運用する上で、リスクをできる限り抑え、安定した収益を得るために大切なポイントを見ていきましょう。

資産運用の目的と期間を決める

資産運用はまず、いつまでに、何のために行うのかを明確にすることが重要です。例えば、60歳の人がインフレによる資産価値の目減り対策として資産運用を行うのと、40歳の人が老後の資金を作るために資産運用を行うのとでは、目指すべき金額や運用方法が変わってきます。前者であれば、預貯金をベースにしつつ、インフレによる目減り分程度のリターンを目指す投資スタイルで、後者であれば20年スパンで積極的に資産を増やしていくスタイルが合っているといえるでしょう。
どのような目的で、いつまで運用するのかを基本に、最適な運用スタイルを決めることが大切です。

専門家に相談する

最適なポートフォリオの構築は自分だけでは難しいため、運用のプロに相談するのがおすすめです。個人の場合は、銀行や証券会社、資産運用に強いFP(ファイナンシャルプランナー)、IFA(資産アドバイザー)などが相談先になります。
プライベートバンクを利用している場合は、担当のプライベートバンカーに要望を伝えましょう。

リスクの許容度を理解する

リスクの許容度とは、価格変動で資産がマイナスになった際、自分がどこまで許容できるのかの度合いです。リスク許容度は、一般的には年齢が若いほど高く、年を重ねるにつれて低くなりますが、個人の性格や家族構成、家計の状態、保有資産、これまでの運用経験などによっても異なります。

資産運用において重要なのは、自分のリスク許容度に合った投資をすることです。リスク許容度が低ければ、ハイリスク・ハイリターンの商品は避けることや、投資に回す資産の割合を低くすることなどの投資方針が考えられます。

余剰資金を運用する

資産運用は、生活には支障をきたさない程度の余剰資金で行うのが鉄則です。毎月の生活費やローンの支払いなど、必要なお金は確保しつつ、余剰資金を少しずつ運用していきましょう。
余剰資金かどうかの判断には、日々の生活費に加えて、6ヵ月分の生活費相当額と、将来の見込まれる大きな支出のための費用を除いた金額が目安になります

5,000万円の預貯金があったら、資産運用を始めよう

資産は預貯金として持っておけば元本割れの心配はないと考えがちですが、実際は、インフレや円安局面で、預けている資産の価値が目減りする可能性があります。5,000万円程度のまとまった資金がある場合は、一部からでも資産を運用するのがおすすめです。
例えば、一部を外貨預金にしておくことで、円安になった際も資産価値を守るための対策を行うことができます。

投資商品はさまざまな種類があるため、自身の資産運用の目的や期間、スタイルに合った商品を選ぶことが大切です。資産を増やすためだけでなく、守るためにも資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。
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外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング
AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

外貨預金オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    70.1

    ソニー銀行

  • 2位

    68.9

    住信SBIネット銀行

  • 3位

    67.9

    auじぶん銀行

  • 4位

    67.7

    SMBC信託銀行プレスティア

  • 5位

    67.6

    三井住友信託銀行

  • 6位

    67.1

    SBI新生銀行

  • 7位

    66.9

    楽天銀行

  • 8位

    66.3

    PayPay銀行

  • 9位

    65.9

    三井住友銀行

  • 10位

    65.2

    三菱UFJ銀行

  • 11位

    63.9

    イオン銀行

  • 12位

    63.1

    みずほ銀行

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