円安時におすすめの資産運用は?投資先の選び方や注意点も解説

円安時におすすめの資産運用は?投資先の選び方や注意点も解説

アメリカの金融引き締めによって日米の金利差が開き、近年では円安が続いています。海外から輸入するエネルギー資源や食料品の高騰で日常生活にも影響が出ていますが、資産運用の面から見ると円安は大きなチャンスです。

今回は、円安時におすすめの資産運用や投資先の選び方、投資をする際の注意点などを詳しく解説します。

円安とは外国通貨に対して円の価値が下がること

円安は、外国通貨に対して日本円の価値が下がることです。

通貨の交換比率は、ドルと円の場合、「1ドル=100円」のように表され、この比率は日々の市場の需要と供給によって変動します。例えば、1ドル100円のときは10ドルを1,000円で購入できますが、1ドル130円になると、同じ10ドルを購入するためには1,300円が必要です。

このように、円の価値が相対的に下がり、ドルの価値が上がる状態を円安と呼びます。反対に、円の価値が上がり、ドルの価値が下がる状態を円高と呼びます。

過去10年間のドルと円の相場を見ると、2010年前後は1ドル=80〜90円程度で推移していましたが、2011年10月31日には、1ドル=75円32銭という過去最高の円高を記録。2016年から2021年にかけては、1ドル=110円前後で比較的安定していました。

しかし、2022年に入ると、アメリカの金融引き締めの影響などを背景に円安が進み、2024年現在は1ドル=145円前後という、30年以上前の水準に近い状態となっています。

円安のメリット

円安がもたらす大きなメリットは、国際市場における日本の輸出企業の競争力が高まることです。

円安時には、日本製品の海外での価格競争力が向上します。これは、外貨に対する円の価値が下がるため、海外の消費者にとって日本の製品が安く感じられるからです。また、輸出企業が海外で製品を販売して得た収益を円に換える際に、より多くの円を得ることができます。

さらに、外貨建ての資産を持っている人にとっては、資産価値が上がるというメリットもあります。

円安のデメリット

円安には、いくつかのデメリットも存在します。円安が進むと、海外から輸入される製品やサービスのコストが上昇します。日本は特に、エネルギー資源や多くの食材を海外からの輸入に頼っているため、円安時には日常生活への影響が出ることが一般的です。

また、円安時には、同じ量の外貨を購入するためにより多くの円が必要になるため、海外旅行などの費用も増加することが考えられます。

円安時におすすめの資産運用は?

円安時には、資産を円預金で保有するよりも、円安に強い株式や投資信託への投資のほか、外貨預金などで運用する方法がおすすめです。具体的には、下記のような金融商品を選ぶといいでしょう。

株式投資

円安時の資産運用としては、株式投資がおすすめです。株式投資は、企業が資金調達のために発行する株式を購入し、その企業が出した利益の一部を配当金として受け取るか、株価を売却する際に利益を得るという方法です。

円安時には、下記のような株式への投資がおすすめです。

日本の輸出企業の株式
日本の輸出企業は、国内で製造し海外に輸出している製品やサービスによって利益を得ているため、円安によって収益性が高まります。円安時には海外での販売価格が下がり、日本製品の競争力が高まるため、企業の株価が上昇する可能性があります。

インバウンド関連企業
円安時には、多くの外国人観光客が日本を訪れます。ホテルや交通、外食産業、アミューズメント施設など、外国人観光客をターゲットとする業種は、円安時に業績を伸ばす傾向があります。

割安な日本株
市場には業績が良いにもかかわらず、知名度の低さなどにより株価が割安になっている企業が存在します。そのような企業の株式は、長期間保有することで高いリターンを期待できる「バリュー株」や「割安株」と呼ばれています。
バリュー株や割安株は、適切な評価がなされる前に手頃な価格で購入することで、将来的に大きな利益を生む可能性があるのです。

投資信託

投資信託は、複数の投資家から集めた資金を、運用会社が国内外の株式や債券に分散投資を行い、得られた利益を投資家に還元する金融商品です。

多くの投資家から集めた資金をまとめて運用するため、投資家一人ひとりが投資する資金は少額から可能であり、少ない自己資金で効率良く運用できることが特徴です。また、投資のプロであるファンドマネージャーが適切な金融商品を選ぶため、投資初心者や金融商品の知識が浅い方でもリスクを抑えて投資を始めることができます

円安時には、円安に強い企業の株式が含まれている投資信託を選ぶことがおすすめです。具体的には、輸出企業やインバウンド関連企業の株式が含まれているといいでしょう。

外貨預金

外貨預金とは、日本円を米ドルやユーロなどの外貨に交換して預金し、再び日本円に交換して払い戻しを受ける取引です。

外貨預金の魅力は、一般的に円預金よりも高い利息を得られることと、為替レートの変動を利用して利益を得られる可能性があることです。

円安時に外貨預金を行う場合、外貨預金の利息は円預金よりも高い傾向があるため、利息を再び投資に回すことで、利益がさらなる利益を生む複利効果が期待できます。また、円高になれば預けている外貨の価値が下がり、円安になれば外貨の価値が上がるため、円高時に預金をして円安時に払い戻すことで、為替差益(為替レートの変動により生じる利益)を得ることができます

しかし、預け入れや払い戻しのタイミングを間違えると、元本割れを起こす可能性があるので注意が必要です。

さらに、日本円を外貨に交換する際の預け入れ、および外貨を日本円に交換する際の払い戻しには為替手数料がかかります。短期間に預け入れと払い戻しを繰り返すと、積み重なった為替手数料が大きなコストになるリスクもあるでしょう。

外貨預金をする際には、扱っている通貨の種類や金利、手数料などを総合的に比較検討した上で、取引を行う金融機関を選ぶことが重要です。

外貨預金をする上で金融機関やサービス選びに迷った際には、オリコン顧客満足度ランキングをはじめとする、比較サイトが参考になります。「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」では、手数料や金利、入出金のしやすさなど、さまざまな観点から比較検討することが可能です。

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FX取引

FX(Foreign Exchange)取引は、通貨の為替レート変動を利用し、通貨の売買をする際に発生する差額によって利益を出す投資方法です。

例えば、外貨を購入後、円安になるタイミングを見計らい、その外貨を日本円に戻して為替差益を狙います。ただし、相場が円高に振れると、外貨預金と同様に元本割れのリスクが生じる点には注意が必要です。

FXの特徴的な要素は、「レバレッジ」と呼ばれる概念です。レバレッジとは、預けた証拠金(FX取引に要する資金)以上の金額で外貨を売買できる仕組みで、少ない資金でも大きな取引が可能となります。

例えば、証拠金が10万円でも、最大25倍のレバレッジを活用すると、250万円分の取引が可能です。これにより、高いリターンを得るチャンスがありますがリスクも増大するため、取引には慎重な判断が求められます。

FXについては、下記の記事をご覧ください。
外貨預金とFXはどう違う?比較した際のメリット・デメリットとは

円安時の資産運用の注意点

円安時の資産運用の注意点

円安時に資産運用を行う際には、長期・積立・分散投資の3つの基本原則を念頭に置くことが大切です。

円安が続くと、短期的に高いリターンを得られる投資方法を検討する人もいます。しかし、市場の短期的な動きに惑わされず、長期にわたり資産を増やしていく長期投資と、一定額を定期的に投資し続ける積立投資を行うことで、為替変動に左右されずに、最終的には安定したリターンを得ることが可能です。

また、分散投資も重要です。円安が進行しているときに、すべての資金を外貨預金など特定の投資に集中させると、急激な円高が発生した際に大きな損失を招く可能性があります。為替市場を完璧に予測することは不可能であるため、常に資産を分散させて運用することが重要です。
なお、分散投資を行う際には、「投資対象」「地域」「時間」の分散を意識しましょう。

<投資の分散先>
投資対象
外国株式、国内株式、国内債券、外国債券、外貨預金、不動産など、さまざまな金融商品に投資を分散させます。

地域
特定の国や地域に偏らないよう、さまざまな国や地域に分散して投資します。為替相場の動きは通貨ごとに異なるため、分散させておくことで、経済状況が良い国の外貨投資から利益を得ることが可能です。

時間
投資を行うタイミングを少しずつずらすことで、市場の短期的な変動によるリスクを減らすことができます。市場が高値の時に一度に大量の投資をすると、下落したときに大きな損失を出してしまうリスクがあるので注意が必要です。

円安の特徴を理解して効果的な資産運用をしよう

円安のときには、資産を円預金で保有するのではなく、株式や債券のほか、外貨預金などに投資することで、利益を得られる可能性があります。円安の特徴やメリット・デメリット、投資できる金融商品の特徴などをしっかり理解した上で、円安を活かした資産運用に挑戦してみましょう。

特に外貨預金は、日本円より金利が高く、円安を上手に利用することで利益を出すことができる投資方法です。初心者にとっても仕組みがわかりやすく、少額から運用を始められる点も魅力です。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを確認し、外貨預金選びの参考にしてください。

【最新】外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング

外貨預金オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    70.1

    ソニー銀行

  • 2位

    68.9

    住信SBIネット銀行

  • 3位

    67.9

    auじぶん銀行

  • 4位

    67.7

    SMBC信託銀行プレスティア

  • 5位

    67.6

    三井住友信託銀行

  • 6位

    67.1

    SBI新生銀行

  • 7位

    66.9

    楽天銀行

  • 8位

    66.3

    PayPay銀行

  • 9位

    65.9

    三井住友銀行

  • 10位

    65.2

    三菱UFJ銀行

  • 11位

    63.9

    イオン銀行

  • 12位

    63.1

    みずほ銀行

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