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株式会社ベアーズ マーケティング本部長・後藤晃氏インタビュー「お客さま“感動度120%”で期待を超え続ける」

 女性の社会進出やワークライフバランスが叫ばれる中、飛躍的に需要が伸びているハウスクリーニング。オリコン顧客満足度調査でも「ハウスクリーニング」ランキングを新設し、今回で2回目となる調査を実施。結果、今年で創業20年を迎えるベアーズが総合1位に選ばれました。総合的な満足度もさることながら、スタッフの質の高さが特に高く評価される背景とその取り組みについて、同社のマーケティング本部・本部長の後藤晃氏に伺いました。

ランキング1位は「お客様感動度120%」を追求した結果

──このたびの調査ではすべての評価項目で1位。なかでも「スタッフの接客力」「スタッフの技術力」では80点を超える高評価と、スタッフの質の高さが伺える結果となりました。

後藤晃氏(以下後藤) ありがとうございます。弊社の社是である「お客さま感動度120%への飽くなき追求」を、すべてのスタッフが愚直に続けてきたことへの成果として受け止め、評価してくださったお客さまはもちろん、全国のスタッフにも感謝を伝えたいですね。

お話を伺った株式会社ベアーズ マーケティング本部本部長・後藤晃氏

お話を伺った株式会社ベアーズ マーケティング本部本部長・後藤晃氏

──御社の考える「お客さま感動度」とは具体的にどのようなものでしょうか?

後藤 お客さまは「プロにお願いしているのだから、キレイになって当たり前」とお考えになります。また、弊社のお客さまにはリピーターが多いため、最初は「こんなにピカピカになるんですね」と感動していただけても、繰り返し利用するうちにだんだんその感動はすり減っていくものです。だからこそ常にお客さまの期待値を超えていかなければ、「感動度120%」には到達できないんです。

 たとえばお風呂のクリーニングを終えて帰るときに、シャンプーやリンスなどをラベルの向きもすべて揃えてきちんと並べておくといったちょっとした一手間。いわばパッケージ化されていないサービスをいかに意識して行動できるかが、弊社が考える「感動度」というものです。

常にお客様の期待を超え続けることが、「お客様感動度120%」につながる(提供:株式会社ベアーズ)

常にお客様の期待を超え続けることが、「お客様感動度120%」につながる(提供:株式会社ベアーズ)

スタッフ教育の秘訣は”真心と配慮”

──パッケージ化されていないサービスをスタッフに徹底させるのは難しそうですが、御社のスタッフ教育の秘訣を教えていただけますか?

後藤 スタッフ教育については、おそらく同業他社さんとは大きく違うと思います。もちろん技術研修も徹底して行いますが、それよりも重視して指導しているのがお客さまへの真心と配慮。それが弊社の提供するすべてのサービスのベースとなっています。

 お客さまにとっては、たとえハウスクリーニング業者でも知らない人間を自宅に入れるのは、なかなかに心理的ハードルが高いことだと思います。だからこそ笑顔で挨拶する、必ず新品のスリッパを用意しておく、モノを床に置くときにはそっと丁寧に、といったことが大切になってきますし、お客さまのへの真心と配慮があってこそ、そうした行動も自然とできるようになります。

真心と配慮がすべてのサービスのベースに(提供:株式会社ベアーズ)

真心と配慮がすべてのサービスのベースに(提供:株式会社ベアーズ)

『サティスファクショナル・マネージャー制度』が満足度向上に寄与

──御社独自の顧客満足度への取り組みとして、『サティスファクショナル・マネージャー制度』を設置しているそうですが、どのようなものですか?

後藤 お客さまのご要望と、それに的確に応えられるスタッフをマッチングさせる役割を担うのが、サティスファクショナル・マネージャーです。

 弊社ではサービスをご依頼いただくと、まずサティスファクショナル・マネージャーがご要望をヒアリングします。その際、たとえばお子さんは幼稚園と小学生の男の子の2人がいる。そんな情報をインプットしたら、スタッフに「いつも以上に洗剤の扱いや置き場所に注意してくださいね」といったアドバイスをします。ハウスクリーニング用の洗剤は濃度が強かったりしますから、お子さまが万が一触って事故がないように、ですね。

 ハウスクリーニングという作業は同じでも、お客さまの環境は一軒一軒異なります。そういったお客さまご自身も気づいていないニーズやお望みを察知するのが、サティスファクショナル・マネージャーの腕の見せどころです。

毎月、お客様からの評価が高かったスタッフを表彰(提供:株式会社ベアーズ)

毎月、お客様からの評価が高かったスタッフを表彰(提供:株式会社ベアーズ)

──「パッケージ化されていないサービス」や「依頼者自身も気づいてない要望」、そうした付加価値こそが御社が評価される理由なのですね。

後藤 お客さまの評価は弊社の財産です。その財産を全スタッフに共有するべく、お客さまからの「こんなことをしてもらってうれしかった」といった声を「グッドニュース」という形でメール配信しています。また、特にお客さまから評価が高かったスタッフを表彰する「マンスリーアワード」をエリアごとに毎月行っています。モチベーションの向上はもちろん、お客さまが何を望まれているのかを知ることができるので、マンスリーアワードを楽しみにしているスタッフも多いようです。

(文/児玉澄子)

【調査概要】
調査時期:2019/01/04〜2019/01/21
調査対象:合計1,567名(過去3年以内にハウスクリーニングを利用したことがあり、事業者と依頼サービスの選定に関与し、実際に発注をした人で、当日、掃除現場に立ち会った人)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査 (オリコン顧客満足度調べ)

プロフィール

株式会社ベアーズ マーケティング本部 本部長 後藤 晃 (ごとう こう)

1977年大阪生まれ。
IT・業務コンサルティングに従事し、大手システム会社で、クラウド事業開発、IoTサービスの事業企画を歴任。

ベアーズでは、マーケティング、アライアンス推進の責任者。リーディングカンパニーである家事代行サービス業界の成長と発展に貢献する、株式会社ベアーズのブランディング、マーケティング、新サービス開発、アライアンススキームを担う。
近年では、ホームIoTの第一人者として、セミナーなど講演多数。

企業として2010年「ハイ・サービス日本300選」受賞。2011年「勇気ある経営大賞」特別賞受賞。2012年テレビ東京「カンブリア宮殿」に出演。2017年には日本初となる「家事代行サービス認証」(日本規格協会)を取得。