変額保険はやめたほうがいいの?向いている人やメリット・デメリットをわかりやすく解説

変額保険はやめたほうがいいの?向いている人やメリット・デメリットをわかりやすく解説

変額保険は、死亡保障と資産運用を兼ね備えた保険商品として注目されていますが、その仕組みやリスクの複雑さから「やめたほうがいい」と感じる人も少なくありません。

本記事では、変額保険の基本的な仕組みや定額保険との違いを解説するとともに、メリットとデメリットをわかりやすく紹介します。

また、変額保険が向いている人と向いていない人の特徴、加入前に確認すべきポイント、さらに変額保険以外の資産形成方法も合わせて紹介します。変額保険への加入を検討中の方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

mokuji目次

  1. 変額保険とは?定額保険とどう違う?
  2. 変額保険に入る4つのメリット
    1. 保障と資産形成を両立できる
    2. 税金の負担が軽減される
    3. インフレ対策ができる
    4. 死亡保険金・高度障害保険金は最低保証される
  3. 変額保険はやめたほうがいい? 5つのデメリット
    1. 元本割れのリスクがある
    2. 投資商品に比べて運用手数料などのコストがかかる
    3. 商品の仕組みがわかりにくい
    4. 景気により影響されやすい
    5. 運用先が限られている
  4. 変額保険に向いている人とおすすめしない人
    1. 変額保険に向いている人
    2. 変額保険をおすすめしない人
  5. 変額保険加入前のチェックポイント
    1. 加入目的と変額保険の特徴を確認する
    2. 仕組みとリスクを理解する
  6. 変額保険以外で資産形成する方法
    1. NISAを利用する
    2. iDeCoに加入する
    3. 投資信託を開始する
  7. 変額保険の特徴を理解した上で加入を検討しよう

変額保険とは?定額保険とどう違う?

変額保険とは?定額保険とどう違う?

変額保険は株式や債券を中心に資産運用をし、運用実績によって保険金や解約返戻金が増減する保険商品です。

資産運用実績によって変動保険金がマイナスになっても、死亡保障および高度障害保険金は基本保険金額が最低保証されます。しかし、途中解約時の解約返戻金には、最低保証はありません

具体的には、保険会社は契約者から支払われた保険料から、保険契約を維持するために必要な諸費用を差し引いたうえで、特別勘定にて株式や債券を中心とした運用を行います。この運用実績に応じて、受け取る保険金額や解約返戻金が変動するのが特徴です

一方、定額保険は契約時に支払保険金額が確定していることが多く、運用実績による金額の変動はほとんどありません

被保険者が万が一の時には、一定の保険金が支払われます。定額保険の場合、保険期間満了前であれば、原則として保険金額は保証されています

このように、変額保険は運用による資産形成の可能性がある一方で、運用実績次第では受け取る金額が払込保険料を下回るリスクもあります。

変額保険に入る4つのメリット

変額保険に入る4つのメリット

変額保険は、「運用実績によって受取額が変動する」という特徴から敬遠される方もいますが、実は魅力的なメリットを複数備えています

保障と資産形成を両立できる
税金の負担が軽減される
インフレ対策ができる
死亡保険金・高度障害保険金は最低保証される

それぞれのメリットについて解説します。

保障と資産形成を両立できる

変額保険は保障と資産運用を組み合わせた商品です。運用実績が好調な場合、将来受け取れる保険金額や解約返戻金が増加する可能性があり、効率的な資産形成が期待できます。

死亡保険金・高度障害保険金には最低保証が設定されているため、運用実績が悪化しても契約時に定めた基本保険金額を下回ることはありません。こうした特徴により、将来の保障を確保しながら資産形成に取り組めます

税金の負担が軽減される

変額保険は、定額保険と同様に一般生命保険料控除の対象となります。年間の払込保険料額に応じて、所得税や住民税の控除を受けることができ、契約者の税負担を軽減する効果があります

さらに、運用期間中に得られた収益は非課税で再投資することができます。この税制メリットを活用することで、より効率的な資産形成が可能となります。

しかし、保険金の受取時には、所得税や住民税の課税対象となる場合があるため、注意が必要です。

インフレ対策ができる

インフレとは物価が上昇することで、お金の価値が実質的に下がる現象です。定額保険では保険金額が契約時に確定しているため、インフレ進行による資産価値の目減りが避けられません。

これに対して変額保険では、インフレ時に金利や株価が上昇すると、運用実績が向上し保険金や解約返戻金が増える可能性があります。このため、インフレによる資産価値の低下を抑制する効果が期待できます。

死亡保険金・高度障害保険金は最低保証される

変額保険の死亡保険金および高度障害保険金は、運用実績にかかわらず契約時に定めた基本保険金額が最低保証されています。運用が不調な場合でも、基本保険金額を下回ることはありません。

むしろ運用成績が良好な場合は、基本保険金額を上回る保険金を受け取れる可能性もあります。そのため、大切な家族への保障を確実に確保することができます。

変額保険はやめたほうがいい? 5つのデメリット

変額保険はやめたほうがいい? 5つのデメリット

変額保険には魅力的なメリットがある一方で、いくつかの注意点もあります。変額保険への加入を検討する際は、以下のデメリットもしっかりと理解しておきましょう。

満期保険金・解約返戻金には元本割れのリスクがある
投資商品に比べて運用手数料などのコストがかかる
商品の仕組みがわかりにくい
景気により影響されやすい
運用先が限られている

それぞれのデメリットについて説明します。

元本割れのリスクがある

変額保険の満期保険金や解約返戻金には最低保証がないため、運用実績次第で払い込んだ保険料の総額を下回る可能性があります。特に有期型の場合、満期時の運用実績が悪いと、それまでの運用成果に関係なく元本割れを避けられないケースもあります

一般的な保険でも途中解約による元本割れのリスクはありますが、定額保険の場合は解約返戻金が契約時に確定しています。

しかし変額保険では、解約返戻金は運用実績によって変動するため、解約のタイミングによっては大きく損失を被る可能性があります。

過去には、バブル崩壊の際に運用損益額が大きくマイナスになり、払い込んだ保険料を大きく下回る事態も発生しています。このような元本割れのリスクは、変額保険の最も重要な注意点の一つです

投資商品に比べて運用手数料などのコストがかかる

変額保険では保険料の大部分が運用にまわされる一方で、死亡保障や高度障害保障といった保険としての機能を維持するためのコストも必要です。そのため保険料の中には、運用にかかる手数料に加えて、保障のための費用も含まれています

純粋な株式投資・投資信託などの投資商品と比較すると、保障部分のコストが上乗せされるため、運用効率は低くなります。たとえ保障が十分である場合でも、変額保険に加入すれば保障のためのコストは避けられません。

このように、投資目的だけを考えると、変額保険は純粋な投資商品と比べてコストが高くなってしまう傾向があります。資産形成のみが目的の場合は、保障コストのかからない株式・投資信託などの投資商品を選択するほうが効率的でしょう

商品の仕組みがわかりにくい

変額保険は生命保険の機能に投資の要素を組み合わせた商品であり、一般的な定額保険と比べて仕組みが複雑です。保険会社によって商品性が異なり、選択できる特別勘定(運用商品)の種類や運用方針もさまざまです。

契約者は自身で運用商品を選択する必要があり、それぞれの特別勘定が持つリスクや特徴を理解しておく必要があります。投資の知識や経験が不足していると、自分に適した運用商品を選べない可能性があります

また、運用実績によって保険金額や解約返戻金が変動する仕組みも、投資経験の少ない人にとっては理解が難しい点です。このような商品性の複雑さは、契約者と保険会社の間でトラブルが発生する原因にもなっています。

景気により影響されやすい

変額保険は市場の動向に大きく影響を受けます。株式相場が下落したり、債券価格が下がったりすると、特別勘定の運用実績も悪化します。リーマンショックのような大きな景気後退時には、運用成果が大幅なマイナスになる可能性もあります

逆に景気が良くなれば運用成績も改善し、保険金や解約返戻金は増える可能性がありますが、そのタイミングを予測することは困難です。特に、満期や解約のタイミングで景気が悪化していた場合、十分な資金が得られないリスクがあります。

このように景気の影響を受けやすい性質は、計画的な資金準備を必要とするライフプランにとって大きな不安要素となりかねません。確実な資金計画を立てたい場合は、預貯金や定額保険など、より安定的な金融商品を検討する必要があるでしょう

運用先が限られている

変額保険の特別勘定として用意されている投資信託は、保険会社によって選択肢が限られており、一般の投資信託と比べると運用の自由度は低くなります。

運用方針や投資対象も保険会社があらかじめ設定したものから選ぶことになるため、契約者の投資ニーズに完全に合致した運用ができない可能性があります。

より柔軟な運用戦略を実現したい場合は、一般の証券会社で投資信託を購入するほうが選択肢は広がります

このように運用先が限定されている点は、投資の自由度を重視する人にとっては大きなデメリットとなるかもしれません。

変額保険に向いている人とおすすめしない人

変額保険に向いている人とおすすめしない人

変額保険への加入を検討する際は、自分に合った商品かどうかを慎重に見極める必要があります。ここでは、変額保険に向いている人と、逆におすすめできない人の特徴を解説します。

変額保険に向いている人

変額保険は以下のような方に適した商品です。

長期的な資産形成を目指している人

保険期間が長期にわたることで、運用のリスクを軽減できる可能性が高まります。20年以上の運用期間を想定できる方に向いています。

市場の動向を見極められる人

株式や債券市場の変動を理解し、リスクを許容できる方であれば、特別勘定の選択や運用方針の決定を適切に行えます。

保険と投資の両方に興味がある人

万が一の保障を確保しながら、将来の資産形成も同時に行いたい方にとって、変額保険は魅力的な選択肢となります。

変額保険をおすすめしない人

以下のような方は、変額保険以外の選択肢を検討することをおすすめします。

投資リスクを避けたい人

運用実績によって満期保険金や解約返戻金が変動することを受け入れられない方には不向きです。損失を一切許容できない場合は、定額保険がより適しています。

元本保証が欲しい人

満期保険金や解約返戻金には最低保証がないため、払い込んだ保険料よりも受け取る金額が少なくなる可能性があります。元本保証を重視する方には向いていません。

投資目的の人

純粋に資産運用が目的の場合、変額保険では保障のためのコストが余分にかかってしまいます。投資信託など、運用に特化した商品を選ぶ方が効率的です。

加入期間が短期間の人

変額保険は10年未満での解約に解約控除がかかることが多く、短期での加入は不利になりがちです。また、運用成果を得るためには長期の投資期間が必要です。

変額保険加入前のチェックポイント

変額保険加入前のチェックポイント

変額保険に加入する前には、商品特性や自分のニーズを十分に確認する必要があります。特に以下の点について、慎重に検討することをおすすめします。

加入目的と変額保険の特徴を確認する

変額保険は保障と資産形成を兼ね備えた商品です。自分の加入目的が変額保険の特徴と合致しているか、しっかりと確認しましょう。具体的には、運用の目的や理想とする運用スタイル、必要な保障内容などを明確にする必要があります。

加入目的が曖昧なまま契約すると、後から「思っていた商品と違った」といったミスマッチが発生する可能性があります。特に、何のためのお金を準備したいのか、運用期間はどのくらいを想定しているのかなど、具体的な目標を定めておくことが重要です

自分の状況と目標を明確にしたうえで、変額保険が最適な選択肢かどうかを判断しましょう。場合によっては、定額保険や投資信託など、他の金融商品のほうが目的に合致している可能性もあります

仕組みとリスクを理解する

変額保険は、特別勘定で運用する商品の種類によってリスクや運用成果が異なります。

株式中心の特別勘定は価格変動が大きく、高い利回りが期待できる一方で、元本割れのリスクも大きくなります。債券中心の特別勘定は比較的安定した運用が期待できますが、その分利回りは控えめになる傾向があります。

また、保険会社によって商品性が異なり、用意されている特別勘定の数や運用方針もさまざまです。商品を選ぶ際は、複数の変額保険を比較検討し、自分のニーズに合った商品を選ぶことが大切です。

変額保険の契約時には、保険会社から契約のしおりや重要事項説明書が提供されます。これらの資料を通じて商品の仕組みやリスクを十分理解し、不明な点があれば保険会社に確認することをおすすめします

変額保険以外で資産形成する方法

変額保険以外で資産形成する方法

変額保険に加入することに不安を感じる方や、保障よりも資産形成を重視したい方には、以下のような選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。

NISAを利用する

NISAは投資で得た利益が非課税になる制度です。通常、投資で得た利益には約2割の税金がかかりますが、NISA口座での取引では非課税となります。

2024年から始まった新NISA制度では、非課税投資期間が無期限化されたため、より長期的な資産形成が可能になりました。

つみたて投資枠では、年間120万円までの購入分が非課税で運用でき、金融庁が選定した商品の中から投資先を選ぶことができます。ただし、投資信託等での運用となるため、売買のタイミングは自分で判断する必要があります。

iDeCoに加入する

iDeCoは、公的年金に上乗せする私的年金制度です。最低5,000円から始められ、運用益が非課税となるほか、掛け金が全額所得控除の対象となります。受け取り時には公的年金等控除や退職所得控除などの税制優遇も受けられます。

ただし、iDeCoは原則として60歳まで資金を引き出すことができません。月々の掛け金は加入者の属性によって上限額が異なり、自営業者なら月額6万8,000円、会社員は会社の制度によって月額2万3,000円が上限となります。

投資信託を開始する

投資信託は、投資家から集めた資金を運用のプロが株式や債券などで運用する商品です。少額から始められ、一つの商品で分散投資が可能という特徴があります。投資対象は国内外の株式や債券、不動産など多岐にわたります。

商品選択の自由度が高く、自分の投資方針に合った商品を選べる点が魅力です。ただし、商品によっては購入時や解約時に手数料が発生するほか、保有期間中は信託報酬がかかります。運用商品である以上、元本保証がない点にも注意が必要です

投資信託で資産形成を行う場合は、できるだけ信託報酬の割合が低く設定されている商品を選ぶことをおすすめします。

変額保険の特徴を理解した上で加入を検討しよう

変額保険は、一般的な定額保険とは異なり、保障機能と資産形成機能を兼ね備えた保険商品です。運用成果次第で将来の受取額が増える可能性がある一方で、元本割れのリスクもあります。

そのため「やめたほうがいい」という意見も聞かれますが、長期的な資産形成を目指し、投資リスクを理解できる人にとっては、魅力的な選択肢となりえます。

加入を検討する際は、商品の仕組みやリスクを十分に理解し、自分の目的に合っているかを慎重に判断することが重要です。保障よりも資産形成を重視する場合は、NISA、iDeCo、投資信託など、他の選択肢も視野に入れて検討すると良いでしょう。

オリコン顧客満足度ランキングでは、生命保険の加入者へのアンケート調査をもとに算出した「生命保険 顧客満足度ランキング」を発表しています。生命保険への加入を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。
※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。

生命保険オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    72.0

    ライフネット生命

  • 2位

    71.5

    ソニー生命

    ※公式サイトへ遷移します。

  • 3位

    70.9

    アフラック

  • 3位

    70.9

    プルデンシャル生命

  • 5位

    69.8

    三井住友海上あいおい生命

  • 6位

    69.6

    チューリッヒ生命

  • 7位

    69.5

    メットライフ生命

  • 8位

    69.4

    アクサ生命

  • 9位

    69.3

    大樹生命

  • 9位

    69.3

    東京海上日動あんしん生命

  • 11位

    69.2

    ジブラルタ生命

  • 11位

    69.2

    はなさく生命

  • 13位

    69.1

    FWD生命

  • 13位

    69.1

    太陽生命

  • 15位

    68.7

    マニュライフ生命

  • 16位

    68.6

    日本生命

  • 16位

    68.6

    メディケア生命

  • 18位

    68.5

    オリックス生命

  • 18位

    68.5

    かんぽ生命

  • 18位

    68.5

    住友生命

  • 18位

    68.5

    SOMPOひまわり生命

  • 22位

    68.3

    明治安田

  • 23位

    68.1

    富国生命

  • 24位

    68.0

    ネオファースト生命

  • 25位

    67.9

    第一生命

  • 26位

    67.7

    SBI生命

  • 27位

    66.0

    朝日生命

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