死亡保険金額が3000万円だと月額いくら?必要なお金と保険選びのポイント
この記事では、死亡保険金を決める際に考慮すべき点や保険金額の目安などを解説します。
目次
死亡したあとに必要なお金
どのくらいの死亡保険金を用意するべきかを考えるときには、まず自身が亡くなったあとにどのような費用がいくらかかるのかを把握することが大切です。
葬儀に関連する費用
● 家族葬:105.7万円
● 一日葬:87.5万円
● 直葬:42.8万円
また、生前にお墓を用意しない場合は、お墓代も考慮して保障額を決める必要があるでしょう。同社の調査によると、お墓の平均購入金額は、下記の通りです。
● 納骨堂:80.3万円
● 樹木葬:63.7万円
納骨堂や樹木葬であれば数十万円の支出に抑えることも可能ですが、一般的なお墓を購入するとなると約150万円の費用がかかります。
死亡保障額を検討するときは、万が一のときの葬儀費用やお墓の購入代がいくらかかるのかを考えてみるとよいでしょう。
残された家族の生活費
特に、子どもが大学に進学する場合は、入学金や授業料などをあわせると数百万円かかるケースも珍しくありません。
世帯を経済的に支える人が亡くなると、世帯収入が途絶えるか大幅に減少してしまうでしょう。一定の要件を満たす遺族には「遺族年金」が支給されますが、それだけでは十分に生活ができるとも限りません。
そうした事態を避けるためにも、万が一のことがあったときは残された家族の生活や子どもの進学などに支障が出ないように、公的保障とあわせて死亡保険金による備えを準備しておくことが重要です。
本当に3000万円必要?死亡保険金額の目安
生命保険文化センターの調査によると、2人以上世帯における死亡保険金額の平均は、1,936万円でした。
※参考:公益財団法人生命保険文化センター
「2024(令和6)年度「生命保険に関する全国実態調査」(速報版)(2024年11月発行)」
年齢区分別の平均額は、下記の通りです。
年齢区分 | 世帯の死亡保険金額(単位:万円) |
29歳以下 | 1,747 |
30〜34歳 | 2,526 |
35〜39歳 | 2,450 |
40〜44歳 | 2,475 |
45〜49歳 | 2,313 |
50〜54歳 | 2,504 |
55〜59歳 | 2,103 |
60〜64歳 | 1,910 |
65〜69歳 | 1,492 |
70〜74歳 | 1,114 |
75〜79歳 | 1,158 |
80〜84歳 | 922 |
85〜89歳 | 618 |
90歳以上 | 1,247 |
このように、世帯の年齢によって死亡保険金額の平均には差があります。平均額が異なる主な要因は、家族構成の違いでしょう。
例えば、30〜54歳の世帯は、一般的に子育て世帯が多く死亡保険金額が高い傾向にありますが、60歳以降は子どもが独立して夫婦のみで生活をしている世帯も多いため、平均額は下がっています。
ここでは、世帯構成ごとに死亡保険金の考え方を解説します。自身に万が一のことがあったとき、妻や夫のためにいくら残すのかを検討する際の参考にしてみてください。
独身の場合
自身が亡くなったあとに、生活に困る親族がいないのであれば、葬儀代や身の回りの整理にかかる費用などに備えるために、300万〜500万円程度の死亡保障で十分かもしれません。
一方で、親や兄姉などの生活を金銭的に支えているのであれば、万が一に備えて手厚い死亡保障に加入した方がよいケースもあります。
「独身だから手厚い死亡保障は不要」と判断するのではなく、自身の生活背景に応じて万が一の備えを慎重に検討することが大切です。
夫婦2人のみの場合
一方、配偶者も働いており、自身に万が一のことがあっても引き続き生活ができるほどの収入を得ているのであれば、手厚い死亡保障は不要かもしれません。
配偶者の年齢や就業状況、保有資産額などをもとに必要保障額を決めることが大切です。
子どもがいない夫婦世帯の死亡保障額を決める際に押さえておきたいのが、万が一の際に「遺族基礎年金」が支給されないことです。
遺族年金は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2階建てとなっています。このうち、遺族基礎年金が支給されるのは、亡くなった人に「子ども」または「子どものいる配偶者」がいるときです。遺族が子どものいない配偶者であると遺族基礎年金は支給されません。
亡くなった人が厚生年金に加入していれば、子どものいない配偶者にも遺族厚生年金が支給される場合があります。ただし「子のない30歳未満の妻は5年間のみの支給」「子のない夫は55歳以上である方に限り受給」 といった制限があります。
夫婦+子どもの場合
文部科学省の調査によると、幼稚園(3歳で入園)から高校の卒業まですべて公立に通ったときにかかる学習費(入学金・入園料、授業料、給食費など)の総額は約574万円です。すべて私立に通うと、約1,838万円もかかります。
※参考:文部科学省|「令和3年度子供の学習費調査」
子どもが大学に進学する場合は、さらに高額な費用がかかるでしょう。日本政策金融公庫の調査によると、大学に進学する際の入学費用(入学金・受験料など)と在学費用(授業料・通学費・教科書代など)の合計金額は以下の通りとされています。
● 私立大学文系:689.8万円
● 私立大学理系:821.8万円
※参考:日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」
子育て世帯は、子どもの教育費や生活費も考慮して保障額を決める必要があるため、死亡保険金額が3,000万円を超えるケースも少なくありません。
特に、子どもが小さいほど教育費や生活費がかかる期間が長くなるため、万が一の保障額も高くなる傾向にあります。
高齢夫婦の場合
一方で、高齢になると一般的に身体の衰えにより病気やケガのリスクが上昇するため、医療保障や介護保障の必要性は高まります。
子育てをしていた世帯は、末の子どもが独立したタイミングで生命保険の契約内容を確認し、必要に応じて死亡保障を減らして医療や介護の保障を手厚くすべきか検討するとよいでしょう。
ひとり親+子どもの場合
一方、ひとり親世帯は家計を支える大人が1人しかいないため、万が一のことがあった場合の生活費や教育費などを死亡保障で確保する重要性はより高まるといえます。
遺族が子どもであれば遺族年金は受け取れる可能性はありますが、それだけで生活ができるとは限りません。独立前の子どもがいる場合は、万が一の事態に備えて手厚い保障を用意しておくのが望ましいといえます。
死亡保険金額別、毎月の保険料をシミュレーション
途中で解約をしても戻ってくるお金はないかあってもごくわずかであるため、保険料は割安です。定期保険であれば毎月の負担を抑えて手厚い死亡保障を準備することが可能です。
例えば、30歳男性が死亡保険金額3,000万円の定期保険に加入するとしましょう。保障が得られる期間(保険期間)と保険料を払い込む期間(保険料払込期間)を、ともに10年とする場合、月額保険料目安は2,500〜3,000円程度です。
高額な死亡保険のメリット/デメリット
高額な死亡保険のメリット
子育て世帯の場合は、手厚い死亡保障に加入していれば、大学の進学や留学などの費用も賄いやすくなります。
保障が手厚い生命保険に加入することで、生命保険料控除による節税効果を高められる効果も期待できます。生命保険料控除は、1年間で支払った保険料に応じた一定金額を所得から差し引くことができる制度です。
生命保険料控除により1年間の所得が減ることで、所得税や住民税の負担が軽減されるため、家計がより楽になる可能性があります。
※生命保険料控除の対象になる保険料には一定の上限があります。
高額な死亡保険のデメリット
また、残された家族が保険金の使い道に困ってしまうリスクも高まります。
特に、3,000万円が一括で支払われる死亡保険に加入すると、残された家族には日ごろ手にしたことがない金額が振り込まれることになるため、活用の仕方が分からず短期間で使い切ってしまうケースも多々あります。
自分に合った保険商品を見つけるポイント
今後のライフプランを考える
また、家族構成や家計の収支などに変化があったときは、その都度見直しをして保障額を調整するのが望ましいです。
とはいえ、仕事や育児などに追われることで、生命保険の保障内容を定期的に見直す時間を設けることが、現実的には難しいケースが多々あります。
そこで、自身に適した保険金額を考えるときは、現在だけでなく将来のライフプランも考慮するとよいでしょう。
死亡保険金額を検討するときに考慮するポイントは、下記の通りです。
● 持ち家と賃貸のどちらに住むのか
● 子どもにどのような教育を受けさせたいのか
● 自身や配偶者に就職や昇進、転職、独立などの予定はあるか など
さまざまな商品を比較する
また、生命保険会社によっても商品の特徴や保険料の計算基準、付加できる特約などは異なります。
生命保険を検討する際に、商品の選択肢が少ないと自身の状況に合った備えを準備できないかもしれません。
後悔をしないためにも、生命保険に加入する際は、複数の商品を検討し、保険料や保障内容などを比較しながら自分に合ったものを選ぶことが大切です。
保険の専門家に相談する
そこで、万が一に備えて生命保険への加入を検討している方は、保険代理店の担当者やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するとよいでしょう。
各生命保険会社が取り扱う商品の中から、相談者にあった商品を選択して提案してくれるだけでなく、生活背景や今後のライフプランなどにあった保障額を考えてくれるでしょう。
死亡保険金3000万円が適切かどうかを見極めよう
葬儀費用や遺族の生活費、子ども教育費などを考慮し、自身にとって死亡保障額を考えることが大切です。また、加入する商品を選ぶときや必要保障額を決めるときは、生命保険の専門知識が求められるため、保険代理店やファイナンシャルプランナーなどに相談をしましょう。
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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。