「公務員=老後生活が安定」は昔話に? “イデコ”活用への期待

定年後の安定が約束されていた公務員も、老後生活に備えなければならない [拡大する]

定年後の安定が約束されていた公務員も、老後生活に備えなければならない

 2015年10月、“公務員の年金優遇”とされていた共済年金が廃止され、厚生年金へ統一された。被用者保険の一元化で、公務員や私立学校の教職員の退職金や年金が減額となった。退職金と年金の減額でダメージを受けるなか飛び込んできたのが、個人型確定拠出年金(愛称「iDeCo」イデコ)の加入資格拡大の知らせだ。これまでは公務員や専業主婦、会社員でも企業年金制度がある人など、一部の人は加入できないという制約があったが、2017年1月からはそれらの人も加入できるようになり、現役世代のほぼ全員が加入できるようになった。定年後の安定が約束されていた公務員も、自分自身で老後生活に備えなければならない時を迎えている。

■共済年金は厚生年金に統一

 これまで被用者は民間の会社員なら厚生年金、公務員や私立学校の教職員なら共済年金という別々の年金制度に加入していた。共済年金は厚生年金に比べ保険料率が低く、職域加算と呼ばれる共済年金独自の上乗せ部分があった。公務員の年金制度が有利とされていたのは、このような優遇があったからである。
 
 民間の会社員と公務員で別々だった年金制度だが、2015年10月に共済年金が厚生年金へ統一された。官民格差の解消や年金財政の範囲を広げ、制度の安定性を高めることなどが狙いだ。

■退職金・年金が減額に

 厚生年金への統一に伴い、公務員の定年後の安泰な生活に陰りが見えている。官民均衡を図るため、退職金が約400万円カットとなるからだ。さらに、厚生年金の上乗せ部分も、減額となる。平均的な公務員で月額2万円が一生涯支給される職域加算が廃止され、「年金払い退職給付」が創設された。こちらはモデルケースで月額1万8000円の上乗せとなる想定だ。また、職域加算は公的年金と同じく、世代間扶養が特徴で、本人が死亡したのちも遺族には終身で4分の3の額が支払われていた。一方、年金払い退職給付は半分が有期年金、半分が終身年金となっており、本人死亡の場合は有期年金が残っていれば、その残りは遺族に支払われるが、終身年金は本人死亡の時点で打ち切りとなる。

 低く設定されていた共済年金の保険料率についても、徐々に引き上げを行い、最終的には厚生年金の保険料率に統一される予定だ。被用者保険の一元化により、優遇がなくなった公務員へのダメージは大きい。

■公務員神話が崩壊し、自助努力の時代に

 かつては定年後の生活の安定が保証されていた公務員の年金制度だが、優遇部分がなくなり、自助努力の必要性はいっそう増したと言える。そんな中、加入者枠が拡大された個人型確定拠出年金は、公務員にとって重要な手段となり得るだろう。強力な税制優遇のある制度だけに、縮小する公的年金の穴を埋めるためには使わない手はないだろう。

(マネーライター・永井志樹子)

>> さっそく確認! 利用者が選ぶ【ネット証券】満足度ランキング

>> 「自分年金」作りの大本命! 確定拠出年金って何がすごい?

■禁無断複写転載
オリコン日本顧客満足度ランキングの著作権その他の権利は、株式会社oricon MEに帰属していますので、無断で番組でのご使用、Webサイト(PC、モバイル、ブログ等)や雑誌等で掲載するといった行為は固く禁じております。