2017年08月12日 11時10分

イデコの「元本確保型」と「元本変動型」って何?

【図表】元本確保型・元本変動型・その他の金融商品の違い (C)oricon ME inc. [拡大する]

【図表】元本確保型・元本変動型・その他の金融商品の違い (C)oricon ME inc.

 個人型確定拠出年金(愛称「iDeCo」、以下イデコ)で購入できる商品には、「元本確保型」と「元本変動型」の商品がある。文字通り、元本割れの可能性があるのかないのかによって分類されており、加入者が自由に購入できる。それぞれにどの様な商品があり、保有する際にどんなことに気をつければいいのか、ポイントを確認しておこう。

■元本割れしない「元本確保型」

 「元本確保型」の商品は、積み立てたお金が減ることのない商品だ。定期預金や生命保険、損害保険といった保険商品が該当する。満期まで保有すれば元本と利息が支払われる安全資産で、どの運営管理機関でも、最低ひとつは元本確保型の商品がラインナップされている。

 元本確保型商品で少しややこしいのが、毎月新しい契約を結ぶというイデコ特有の仕組みだ。金利は買い付け時のものが満期まで続くが、毎月違う契約を結ぶことになるため、契約ごとにそれぞれの金利が適用される。ほったらかしにしていると、加入した時期よりも金利が変動していた、ということになりかねない。

 また、商品を預け替える際にも注意が必要だ。満期を迎える前に解約すると、定期預金の場合、元本割れはしないものの中途解約利率が適用になる。保険商品の場合だと、解約控除額が引かれてしまい元本割れする可能性もある。このように、中途解約にはペナルティが課されるということも覚えておこう。

■「元本変動型」で購入できるのは投資信託

 成績次第で積み立てたお金が増えたり減ったりするのが「元本変動型」の商品だ。運用成績次第で、元本が減ってしまうこともあるためリスク商品とも呼ばれる。イデコで購入できる元本変動型の商品は、投資信託のみで、個別の株や債券、ETF(※)は購入できない。

 リスクがあるとはいえ、イデコでは投資信託で運用するメリットは少なくない。

 まず、運用益が非課税になる点だ。通常の金融商品で得た利益にはおよそ20%課税されるが、イデコだと利益がまるまる自分のお金になる。

 さらに、「ドルコスト平均法」が効く点もポイントだ。ドルコスト平均法とは、定期的に決まった額で同じ銘柄を買い付けて価格変動リスクを抑える投資手法のことで、価格が安い時は多くの口数を、価格が高い時は少ない口数を買い付けるので平均購入単価を引き下げる効果がある。イデコは毎月の拠出金額が決まっているため、投資信託を購入すれば自然とドルコスト平均法の効果が発揮されるというわけだ。長期積立を行うイデコには適した商品だと言える。

■運営管理機関の取扱商品は加入前に確認を

 イデコではリスクの異なる「元本確保型」と「元本変動型」の商品が揃えられており、残りの加入期間やリスク許容度によって預け先を選択できるのが特徴だ。商品ラインナップについては、商品数を数本にとどめたシンプルなプランを提供している会社もあれば、数十本の豊富な商品から選べる会社もあり、運営管理機関によってそれぞれ特色がある。加入の際は、自分が欲しい商品が取り揃えられているかも検討すべきポイントとなる。

(※)ETFとは、上場投資信託のこと。証券取引所に上場しており株式と同じように売買できる

(マネーライター・永井志樹子)

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