確定申告は3月15日まで 投資の損失を「損益通算」で節税対策

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損失で負ったダメージが節税対策に!? 「損益通算」について解説(写真はイメージ)

 税金に関する手続き「確定申告」は3月15日(木)までだが、2017年に投資信託や株式などの取引をした人も例外ではない。投資をして儲けが出た場合、その売却益には約20%の税金がかかる。その一方、値下がりをした証券などを売却した場合は、儲けが出ていないので税金はかからない。実は、確定申告で「損益通算」の手続きをすることで、1年の取引の間で、儲けが出た取引と損失を出した取引を通算することで、払った税金を取り戻すことができる場合がある。損失の分だけ利益を圧縮し、支払う税金を少なくできる、あるいはゼロにできるという仕組みだ。今回は、「損益通算」について2回に分けて解説する。

■金融商品の売却益にはいくらの税金がかかる?

 まずは、投資にかかる税金を再確認しておこう。株式や投資信託を売却して得た利益は「譲渡所得」と呼ばれ、所得税15.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%)と、住民税5%の計20.315%が課税される。仮に、株で10万円の売却益があったとすると、2万315円の税金がかかり、手元には8万円弱しか残らない。せっかく利益があっても、税負担がなかなか重いことがわかる。そこで、損益通算などの節税対策が重要になってくるというわけだ。

■損益通算できる金融商品は、「上場株式等」と「特定公社債等」

 では、損益通算可能な金融商品にはどのようなものがあるのだろうか。損益通算は、株式や投資信託、債券など違う金融商品間でもできるのが特徴だ(図表1参照)。従来から、「上場株式」、「株式投資信託」、「外国株式」などが含まれる「上場株式等」は通算が可能であった。これらに加え、2016年からは、国内外の「国債」や「外貨MMF(マネーマーケットファンド)」などの「特定公社債等」も通算できるようになり、対象商品が大幅に増えた。ただし、「FX(外国為替証拠金取引)」や、「日経225先物」といった先物取引は“雑所得”に分類されるため、株式や投資信託などとは損益通算できないので注意しよう。

■損益通算の一例 ―ひとつの口座で取引していた場合―

 2017年中にひとつの口座だけで取引を行った場合の例を見てみよう。例えば、A株で10万円の売却益があった場合、2万315円の税金を納めなければいけないのは先述の通りだ。しかし、同一口座内でB投信も取引を行っていて、20万円の損失を出してしまったとする。通常であればA株の利益には課税されるところ、損益通算をすればA株の利益とB投信の損失が相殺でき、結果として10万円の損失のみが残ることになる(図表2参照)。利益はなかったものとみなされるため、2万315円の納税義務は発生しない。これが損益通算の効果だ。さらに、相殺しきれなかった10万円の損失は、「繰越控除」を行うことで翌年以降3年間にわたり繰り越せる。翌年以降の利益と相殺して節税に役立てることができるので覚えておこう。

(文/永井志樹子)

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