2018年06月30日 16時00分

行動心理学からチェック “積み立て投資”がいい理由とは?

投資信託がいい理由は行動心理学で説明できる?(画像はイメージ) [拡大する]

投資信託がいい理由は行動心理学で説明できる?(画像はイメージ)

 初心者が投資を始めるなら「積み立てがおすすめ」という話をよく聞くが、なぜだろうか。それは少額で始められるというメリットに加えて、実は“人の心理”も大きく影響しているからだ。そこで今回は、行動心理学の視点から積み立て投資がいい理由について探っていこう。

■投資は感情に左右されるとうまくいかない?

 行動心理学の用語で、「プロスペクト理論」という言葉を聞いたことがあるだろうか。心理学者ダニエル・カーネマン氏らによって考案されたプロスペクト理論では、同じ金額でも利益より損失の方が大きく感じてしまうという心理状態を指摘している。つまり1万円の利益が出る喜びよりも、1万円の損失が出る痛みの方が大きいというわけだ。

 実際に投資する際、「もっと上がるだろう」という状況で「損をするのが怖いから、利益があるうちに確定してしまいたい」と早めに売却したり、あるいは逆に「もっと下がるだろう」という状況で早めに売って損失を確定させる“損切り”は痛みが大きいためできないという話を聞いたことがあるかもしれない。

 本来であれば、「もっと上がるだろう」という状況では保有し、「もっと下がるだろう」という状況では早めに売ってしまうのが正解のはずだが、感情に左右されるとまったく逆の行動を取ってしまい、結果的に投資で利益を出すことが難しくなるのだ。

■積み立てにより自動的に買っていけば、感情に左右されなくなる

 では、積み立てによって投資を行うとどうなるだろうか。積み立て投資とは、月に1万円など決まった金額で買い付けていく投資法だ。金融商品と積立金額を一度選べば、あとは自動的に買い付けていくため、心理面で左右されることがなくなる。「利益を早めに確定したい」「下がったから投資をやめたい」などという、人の感情が入り込む余地がなくなるわけだ。また、定額で積み立てを行うと、低い相場ではたくさん買い、高い相場で少なく買うため、結果的に平均単価を下げることにもつながる。

 最近はネット証券でも、月に100円や1000円といった超少額で投資信託を積み立てることもできる。店舗型の証券会社よりも、ネット証券の方が投資信託の買い付け手数料が安いケースも多く、初心者でも気軽に投資を始めやすいだろう。

 投資に興味がある人は、大きく失敗してつまずくことがないように、まずは少額の積み立て投資からスタートしてみてはいかがだろうか。

(ライター:西山美紀)
ファイナンシャルプランナー。2児の母。これまでに1万件以上のマネーデータを分析し、500人以上にマネーの取材を行うほか、女性の生き方などをテーマに取材・執筆・記事監修なども行っている。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。

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