株の買い時・売り時はいつ?株を買うタイミングの見方を初心者向けに解説
株の買い時や売り時の判断は経験を積んだ投資家でも難しいものですが、ポイントを押さえると高値つかみを避けられるようになります。
この記事では株式投資の基礎知識や株の買い時と売り時を判断する方法について、詳しく解説します。
これから株式投資を始める方や、買いのタイミングの判断に悩む方はぜひ参考にしてください。
目次
株式投資の基本|買い時と売り時の重要性
適切なタイミングでの売買は株式投資の利益に直結します。まずは、株式投資の基本を理解しましょう。
株価変動の仕組みと投資タイミングの関係
この変動は、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こるもので、投資タイミングを左右する重要な要素です。
主な要因としては、以下のようなものが挙げられます。
会社の業績・将来性 | 売上や利益といった業績、増配、今後の成長性 |
金利 | 金利が上がると株価は下落しやすくなり、金利が下がると株価は上昇しやすくなる |
外国為替 | 円安になると輸出企業の株価は上昇しやすくなり、輸入企業の株価は下落しやすくなる |
景気動向 | 景気が良くなると企業業績も向上し、株価は上昇しやすくなる |
政治・政策 | 政府の政策や政治状況の変化が、特定の業界や企業の株価に影響を与える場合がある |
国際情勢 | 世界的なできごとや紛争、経済状況の変化が株価に影響を及ぼす |
自然災害や天候 | 地震や台風といった自然災害、異常気象による農作物への影響なども、関連企業の株価を動かす要因となる |
例えば、決算発表で業績予想を上方修正した場合は、今後の業績拡大への期待から買いのチャンスとなるでしょう。
また、為替が円安に振れた場合は、輸出関連銘柄の株価上昇の可能性が高まります。
このように株価変動の要因を理解し、市場の動向を追っていくと、より的確な投資判断をできるようになるでしょう。
初心者が知っておくべき株式市場の特徴
投資家は証券会社を通じて市場での株取引に参加できます。
現在、日本では以下の4つの取引所があります。
・東京証券取引所(東証)
・名古屋証券取引所(名証)
・福岡証券取引所(福証)
・札幌証券取引所(札証)
東京証券取引所は日本最大の市場で、2022年4月からプライム、スタンダード、グロースの3つの市場区分に再編されました。
プライム市場には時価総額が大きく業績の安定した大企業が、スタンダード市場には中堅企業が、グロース市場には成長が期待される新興企業が上場しています。
株価は需要と供給のバランスによって決まります。
企業の株式を購入したい投資家(需要)が多く、売却したい投資家(供給)が少ない場合は株価が上昇します。
反対に、売却したい投資家が多く、購入したい投資家が少ない場合は株価が下落する仕組みです。
株の買い時の見極め方
ここでは、企業の成長性、株価上昇トレンド、移動平均かい離率、出来高についての分析方法について解説します。
企業の成長性の確認
企業の成長性を判断する指標には、以下のようなものがあります。
売上・利益の成長性
- 売上高成長率:前年比での売上の伸び率
- 経常利益成長率:本業での収益力の成長を表す重要指標
- 営業利益成長率:企業の基本的な収益力の伸び
財務面での成長性
- 総資本増加率:企業規模の拡大度合いを示す指標
- 純資産増加率:企業の実質的な成長力を表す指標
財務諸表には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などがあります。
財務諸表から企業の財務状況や収益性、成長性の分析が可能です。
財務諸表を見る際のポイントは、以下のとおりです。
・複数の期間のデータを比較する
・同業他社のデータと比較する
・財務指標の推移を見る
しかし、財務諸表の分析には時間がかかるため、初心者の方は四季報オンラインやYahooファイナンスといった投資情報サイトを活用すると便利です。
また、証券会社が提供する銘柄スクリーニングツールも活用すると良いでしょう。
株価上昇トレンドの分析
株価が上昇する流れのことを「上昇トレンド」といいます。
この上昇トレンドを見極めるために用いるのが、「テクニカル分析」という手法です。テクニカル分析とは過去の株価の動きをチャートで見て、未来の値動きを予測する分析方法です。
代表的なテクニカル分析の手法には、以下のようなものがあります。
トレンドライン | チャートに線を引いて、視覚的にトレンドを判断する方法 |
移動平均線 | 一定期間の株価の平均値を線で表したもの |
チャートパターン | 過去の値動きから、特徴的なパターンを見つけてトレンドを判断する方法 |
トリプルボトム
逆ヘッド・アンド・ショルダーズ
ゴールデンクロス
テクニカル分析は株価の動きを予測するための有効な手段のひとつですが、未来の株価を確実に予測できるわけではありません。
他の情報も参考にしながら、総合的に判断しましょう。
移動平均かい離率の分析
移動平均かい離率を理解すると、より適切な売買タイミングを発見できます。
移動平均かい離率は、以下の式で計算されます。
= ( 当日の終値 - 移動平均値 ) ÷ 移動平均値 × 100
一般的に、かい離率がプラスの場合は割高、マイナスの場合は割安と判断されます。
具体的な買いのタイミングとしては、以下のようなパターンが考えられます。
- かい離率が−15%を超えて下落した後、上昇に転じたとき
- かい離率のマイナス幅が縮小傾向に転じたとき
他の指標やチャートパターンと組み合わせて、総合的に判断するようにしましょう。
出来高の傾向のチェック
出来高とは、証券取引所で株式が売買された数量を指します。
株価の変動は売買によって起こるため、「出来高が多い」とは、その銘柄が活発に取引されているという意味なのです。
出来高の増加は、株価の上昇トレンドを後押しする可能性があります。
多くの投資家がその銘柄を買い求めると株価は上昇しやすくなりますが、出来高が減少すると、株価は下落しやすくなる傾向があります。
例えば、株価が上昇しているときに出来高も増加している場合は、その上昇トレンドが本物である可能性が高いといえるでしょう。
逆に、株価が上昇していても出来高が伴わない場合は一時的な上昇にすぎず、すぐに下降に転じる可能性もあります。
出来高はチャートと併せて傾向をチェックすると、より的確に株価の動きを予測し、買い時の見極めにつながるでしょう。
株の売り時の見極め方
せっかく買った株も適切なタイミングで売却しなければ利益を確定できず、場合によっては損失を拡大させてしまう可能性もあるからです。
ここでは、株の売り時を判断する方法を解説します。
株の売り時を判断するポイント
具体的には、買値から一定幅(5〜10%)上昇したらしたら利益確定、下落したら損切りといったルールです。
このルールを厳守すると、感情に流されない売買が可能になります。
この原則から、目標達成時と損失を限定するための売却の基準を、以下のように考えておきます。
具体的な目標設定:株価が10%上昇したら売却のような、明確な基準を決める
期間の設定:半年以内に目標に到達しない場合は見直すなど、時期も決めておく
損失を限定するための売却
損切りライン:買値から5〜10%下落した時点で売却を検討する
早めの決断:損失が拡大する前の売却が重要
株の売り時を判断する指標
デッドクロス
移動平均かい離率がプラス
株価が移動平均線から大きく上方向に離れた場合(移動平均かい離率のプラス値が高まる)は、売り時と見られます。
ダブルトップ
2回目の高値をつけた後にネックライン(2つの安値を結んだ線)を下回ったら、売りのサインと捉えられます。
出来高が減少する
出来高の減少は投資家の関心が薄れていると推測され、株価上昇の見込みが少ない状態になっていると考えられます。
株式投資は適切な売買タイミングの見極めが重要
まずは値上がりが期待できそうな銘柄を選び、チャートで買いのタイミングを検討します。
チャートの見方を覚え、基本的な買いのパターンを発見したら、買い注文を入れてみると良いでしょう。
売りに関しては最低限の基準を作り、その基準に沿って利益確定や損切りをしていきます。
経験を積んだところで自分なりの買いや売りのパターンを加えていくと良いでしょう。
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