自動車保険の見積りは、更新時にも取るべき3つの理由 【個別見積もり】と【一括見積もり】それぞれのメリット・デメリットを解説

自動車保険を取り扱う会社は多数あるので、初めての加入時には複数社で見積もりを取る人も多いと思います。しかし、更新となると、見直しせずにそのまま継続契約する人が少なくないのではないでしょうか。実は、更新時にも複数社の見積もりを取ることは有効で、単に毎年更新を繰り返すドライバーより得をする可能性が高いです。今回は、見積もりの必要性種類と取り方見積もりを取るのにベストなタイミングなどを紹介します。
監修者:ファイナンシャルプランナー/経済ジャーナリスト 酒井富士子
金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。【監修者プロフィール】

なぜ更新時にも「見積もり」をとるべきか 3つの理由

@ 保険会社が料率を改定している可能性があるため

見積もりが必要な理由の一つ目としては「保険会社側の料率改定」が挙げられます。自動車保険は、保険会社が各々膨大なデータを基に事故リスクを導き出し、それに応じた料率を用いて保険料を算出しています。そのため、例えば昨年はA社が安く、B社は高かったとしても、今年の更新時に引き続きA社の方が安いとは限りません。

一例として、「38歳男性」というグループでリスクを見てみましょう。過去1年間、A社で契約している「38歳男性」のグループは事故が多かったものの、B社で契約している「38歳男性」のグループは事故がほぼなかった場合、B社では該当グループはリスクが低いとされ、保険料が引き下げられる可能性があります。

このように、ドライバーや車種、地域、等級の料率は見直されることがあるため、昨年見積もった保険料が高かった保険会社でも、今年安くなるということは十分にあり得るのです。

A 年齢や走行距離などの変化は、保険料に影響するため

見積もりが必要な二つ目の理由は、「時間経過による変化」があるためです。1年の契約期間が経過すれば、ドライバーも年を取ります。このような変化は、自動車保険では大きな影響をもたらします。例えば昨年39歳、次年契約時は40歳というケース。更新時に40歳以上を優遇するという保険会社に乗り換えることで、保険料が今よりもお得になる場合があります。

また、走行距離や使用目的、車価などの契約者や車両の変化も顕著に反映されます。「走行距離が5,000キロから3,000キロになった」「使用目的が通勤通学から日常使用になった」「車両保険価格が年数の経過で昨年より20万円減った」などの変化一つ一つが保険料に影響してくるので、その都度、保険料の確認をしましょう。この場合、複数の保険会社から見積もりを取って比べてみることで効率よく確認ができます。

B 家族の状況によって安くなる可能性があるため

申告すべきなのに見落としがちなのが「家族の状況」です。例えば、「75歳の家族が免許を返納したので、もう運転しない」「同居していた28歳の息子が結婚して別居した」といった変化については、申告しない限り保険料に反映されることはありません。特に若年層の家族が運転しなくなったといった条件変更は保険料に大きく関わります。契約中の保険会社だけでなく他の保険会社の公式サイトなどでも見積もりを取って比較してみましょう。

個別見積もりと一括見積もりの違い

ネットからの契約が主となる「ダイレクト型」には、各社のサイトで見積もりを取る個別見積もりと、一括見積もりサービスのサイトで複数社の見積もりを取る一括見積もりの2つがあります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説していきます。

個別見積もりの特徴とメリット・デメリット

【個別見積もり】は、基本補償となる「対人賠償責任保険」や「対物賠償責任保険」「人身傷害保険」「自損事故保険」「搭乗者傷害保険」「無保険車傷害保険」「車両保険」など以外にも、独自の特約や付帯サービスにおいて、細かい条件を設定して見積もり金額を確認できる点がメリットです。

Webサイト上で自動車の乗り方や、保険種類、保険金額、特約などの条件を指定し、瞬時にシミュレーションが可能。自分に合ったプランを検討できます。また、個人情報を入力しなくてもいい自動車保険会社が多く、1社あたりの所要時間は最短2分ほど。

一方、デメリットとしては特約や付帯サービスなど、各保険会社によって名称および補償内容・サービス内容が異なりますので、相見積もりをとった上での比較検討が必要となります。

一括見積もりの特徴とメリット・デメリット

1度の入力で、複数の自動車保険会社から一定条件における見積もりをとれる点が、【一括見積もり】の特徴。

結果が送られてくるまでにかかる時間は各社それぞれですが、同条件の補償内容について、複数の保険会社から最も保険料が安い見積もりを見つけて、ほぼ同じ条件で比較できる点がメリットです。

一方、デメリットとしては、各保険会社の独自の特約や付帯サービスなどの詳細な条件を設定して見積もりを依頼することができません。これは特約の名称が同じだとしても、保険会社によって補償内容が異なる上に、付加できる特約も異なるからです。

また、保険料の安い保険会社を見つけやすい分、判断基準が保険料のみになりがちです。個人情報も詳細記入が基本となるため、望んでいないパンフなどが自宅に郵送される可能性もあります。

大きな違いは「見積もりが手元にくるまでのスピード」

個別見積もりは、必要項目の入力後すぐに見積もりを確認することができます。一括見積もりは、入力後リアルタイムで確認できる見積もりサービスもありますが、保険会社や損害保険会社の代理店によっては見積もりが後からメールや郵送で送られてくることがあります。従って、同じ保険会社で見積もりを取るとしても、個別見積もりであれば入力後すぐに確認できますが、一括見積もりでは受け取り方法が郵送の場合は、手元に届くまで数日かかるという大きな違いがあります。

ここまで説明した2つの見積もりの特徴を比較表にまとめます。特徴を理解して、自分にあった方法で見積もりを取りましょう。
一般的な個別見積もりと一括見積もりの特徴※当社調べ

個別見積もり

一括見積もり

どんなときに向いているか

自動車保険の候補がある

どの自動車保険がよいかわからない
類似条件で比較したい

入力にかかる時間

2分〜5分程度

5分程度

個人情報

入力不要
(必要な会社も有)

入力必要

条件変更

すぐに変更できる

見積もりを最初からやり直す必要がある

比較のしやすさ

各社のサイトで見積もりをとる必要がある

類似条件で比較しやすい
(詳細の補償内容などは全社同一にならない場合もある)

見積もりの取り方

それでは、実際に見積もりを取ってみましょう。見積もりは、基本的に無料で取ることができます。見積もりを取る際に必要な書類は以下の通りです。そのほか、車両保険をつける場合、購入時の「車両本体価格」も必要となります。ダイレクト型の保険会社であれば、見積もりから契約手続きまでインターネットで行うことができますし、代理店型であっても、昨今ではWebで見積もり可能な保険会社が増えてきています。

更新時に見積もりを取る際、必要な5つの書類

更新時に見積もりを取る場合は、以下の5つの書類を用意しておくとスムーズに進みます。
(1)現在の自動車保険証券
(2)更新案内
(3)記名被保険者(主な運転者)の免許証
(4)ほかの運転者の情報(生年月日など)がわかるもの
(5)車検証
上記書類を手元に用意したら、Webサイトの手順に合わせて入力します。基本的には、現在の自動車保険証券か更新案内の内容で入力していくのが有効です。なお、車両保険は毎年減価償却されるので、更新案内の保険金額で統一するとよいでしょう。これにより、同一条件で複数の見積もりを取ることが可能となります。

更新時に見積もりを取るポイントは「条件をそろえる」こと

更新時に見積もりを取る際、大切なことは自分にとって必要な補償を事前に決め、「条件をそろえて」比較することです。例えば、車両保険にしても一般車両保険なのかエコノミー車両保険なのか、自分に合った条件を見つけておくことが重要になります。

更新時の見積もりタイミングは、いつがベストなのか

加入している保険を見直すときに見積もりを取る場合、どのタイミングが最適なのでしょうか?

タイミングは満期日の2カ月前

自動車保険の満期日2カ月前には、契約している損害保険会社から満期通知や継続契約時の見積もりなどが郵送されます。基本的には、この通知を受け取ったときが“見積もりのベストタイミング”となります。

通知を受け取ったら、このまま継続した場合の保険料が分かり、他の保険会社と比較検討しやすくなります。先延ばしにせず、すぐに見直す癖を付けるのがおすすめです。

2カ月前の検討で割引適用やプレゼントがもらえることも

2カ月前であれば割引の適用も

自動車保険には、保険開始日から所定の日数以前の契約で保険料を割り引く「早期契約割引(早割)」というサービスがあります。日数は保険会社によって異なりますが、30日〜50日前で400円〜600円程度を割り引く会社がほとんど。インターネット上で申し込むダイレクト型の自動車保険会社で取り扱っているケースが多いです。

見積もりサイトのサービスが豊富

更新案内到着のタイミングで保険を見直すメリットは、ほかにもあります。自動車保険の見積もり比較は複数の会社が行っていますが、そこでサービス合戦が過熱するのです。

たとえば、見積もりを取るだけで電子マネーやWebサイトで使えるポイントを付与するサービスは多いです。
また一部の保険会社では図書カードやアイスクリームのギフト券などプレゼントがあることも。見積もりから契約までが条件の場合もあるのでその点は注意しつつ、更新時期限定で受けられるサービスを有効に活用したいですね。


この記事では自動車保険の見積もり方法やその種類、ベストなタイミングについて解説しました。
ぜひこの記事の内容を参考に、自分に合った見積もりをしてみてください。

この記事の監修者:酒井富士子

ファイナンシャルプランナー/経済ジャーナリスト。金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。
日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。
リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。「お金のことを誰よりもわかりやすく発信」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報を解説する。

自動車保険を比較する

個別or一括見積もり 違いを比較

必要な情報を入力して金額を出す「見積もり」は、契約前に欠かせないものすが、実は個別と一括で大きな違いが。自分に合う形で申し込んでください。

→ パターンで比較!個別見積もりのとり方

→ ユーザーが比較の際に重視した項目

自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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