グレードの高い車に乗っているときや、新しい車に乗り替えたときに気になるのが、愛車に傷がついたり壊れたりしたときの、高い修理代です。どれほど大切に乗っていたとしても、駐車場で当て逃げされたり、いたずらで傷をつけられたり、落書きをされたりしてしまうことを防ぐことはできません。また、うっかり電柱にこすってしまうなど、自分で傷つけてしまう可能性もあります。
「車両保険」は、このような場合の修理代金を補償してくれる保険で、修理代金の高額な高級車に乗っていればいるほど役立ちますが、グレードの低い車や中古で買った車などは、保険料を支払うのが無駄になるかもしれません。そこで、車両保険の選び方についてご紹介します。
車両保険とは?
車両保険とは、契約している車両が損壊した際に、その修理代金を補償してもらうための保険です。ただし、あくまでも事故やいたずらなどによって起こった故障の修理が対象ですから、通常の使用で劣化したタイヤやバッテリーなどを交換するときには使えません。
車両保険は、対人賠償などを目的とした任意の自動車保険に加入する際に、オプションとしてつけることができる保険ですので、単独での加入はできません。
車両保険の保険金額は車によって違う!?
任意保険の「対人賠償保険」は、自分で保険金額を決めることができますが、車両保険の場合は保険会社が算出した契約車両の価値で保険金額が決まります。つまり、同じ保険会社であっても、グレードの低いファミリーカーとグレードの高い高級車では車両保険の保険料が異なるのです。
この金額の差は、「車両料率クラス」というものを参考に算出されています。車両料率クラスは、事故に対するリスクの大きさなどから定められており、1から9までの9段階に分かれています。1は料率1.0倍、9は料率4.1倍と、数字が大きくなるほど保険料が高くなります。1と9では4倍以上金額が変わりますので、加入を検討する際は、契約予定の車がどのクラスかを確認しましょう。ただし、それぞれの車両料率をどの程度保険料に反映させるかは、各保険会社によって異なります。
すでに、車両保険に加入している方は、契約している保険会社の契約内容から、自分の車両料率クラスを簡単に確かめることができます。
車両保険の「免責金額」
車両保険には、「免責金額」というしくみがあります。免責金額とは、「免責金額の範囲内の修理代金については、車両保険の保険金を支払わない」という設定金額のことです。
例えば、免責金額が10万円の車両保険に加入していて、50,000円の修理代金が必要になった場合は、免責金額内であるため保険金を受け取ることはできません。しかし、免責金額10万円の車両保険に加入していて30万円の修理代金が必要になった場合は、10万円を差し引いた20万円が補償されることになります。「事故が起こっても、免責金額分が補償されないのでは意味がない」と感じるかもしれませんが、免責金額を設定することで、その分保険料を低く抑えられるというメリットがあるのです。
そのため、車両保険に加入している多くの方が免責金額を設定しているといいます。免責金額をいくらに設定できるかは各保険会社によって異なりますが、一般に免責金額が高ければ高い保険料は低く抑えられます。
自損事故も保険でカバーする?−補償範囲を選んで契約
ここまで、車両保険は「車両料率クラス」と「免責金額」で保険料が変わることを紹介しましたが、その2つ以外にも保険料を決める要素があります。それは、車両にトラブルが起きたときの補償範囲です。この補償範囲には「一般」と「エコノミー」があります。
・一般型の車両保険
カバーしてくれる範囲が広い、手厚い車両保険です。車対車の事故による修理をはじめ、自損事故、火災、飛び石、当て逃げ、無過失での盗難など、幅広い原因による故障に対応しています。
ただし、すべての車両の損害に対して補償があるわけではなく、地震や噴火などが原因の破損には対応していません。地震や噴火などによる被害まで保険でカバーしたい場合は、特約をつける必要があります。
・エコノミー型の車両保険
カバーする範囲を限定した車両保険です。自損事故や盗難、当て逃げ、火災などの災害には利用できません。ただし「自損事故はともかく、盗難や火災などの災害だけは補償したい」という場合は、「限定A」とも呼ばれる「車両危険限定担保特約」を、エコノミー型の車両保険につけることができます。
車両保険の保険料を比較してみると、カバーする範囲が広いので一般型のほうが高額です。エコノミー型の車両保険は、少ない保険料で車同士の事故によるリスクに備えることができますので、「運転技術には自信がある」「ちょっとしたすり傷は気にしない」といった方にはおすすめといえるでしょう。
また、エコノミー型を選択している場合でも、車両危険限定担保特約(限定A)をつけることで、より広いケースに対応できます。
一般型で補償され、エコノミー型+限定Aで補償されないのは、自損事故と当て逃げなどの相手がわからない事故の場合です。それぞれの特徴を理解した上で、自分に合った車両保険を比較検討してください。