自動車保険の中断証明書で等級を維持!発行の条件・流れは?

自動車保険の中断証明書について

海外への転勤や入院などのさまざまな理由で、しばらく自家用車に乗らなくなることもあるでしょう。その際、保険料が無駄になるからといって、自動車保険を解約してしまう人がいるかもしれません。そこで、車に乗らない間に利用できるのが「自動車保険の中断」です。保険料を支払わずに、これまでの自動車保険の等級を維持し、また車に乗り始めるタイミングで保険を再開できます。ただし、自動車保険の中断と再開には、いくつかの条件を満たす必要があります。今回は自動車保険の「中断証明書」について、詳しく解説していきます。

車に乗らない間は保険を中断し、同じ等級で再開できる

自動車保険の中断とは、現在の保険の等級を残したまま保険の支払いを中断し、再び車の運転が必要になった際に、以前と同じ等級で再開できる制度のことです。海外への転勤や入院、車検切れなどの理由で車に乗らなくなったときに、自動車保険を中断することができます。

また、自動車保険の中断は「最長10年間」有効となり、10年以内に保険契約を再開すれば、以前の等級を引き継ぐことができます。

自動車保険の等級は、無事故の場合1年に1等級上がり、等級が高くなればなるほど保険料の割引が大きくなります。自動車保険を中断しておくことで、再び車に乗る際にも、割引率の高い以前の等級を引き継ぐことができるというメリットがあります。

ただし、中断後に引き継ぐことができる等級は、中断した時点の等級ではなく、次回保険更新時の等級が適用されます。

中断証明書を発行できる期間・条件

中断証明書を発行できる期間・条件について

中断証明書を発行するためには、原則として解約日または満期日から13カ月以内に発行を申請する必要があります。一部の保険会社では、5年以内でも可能な場合がありますので、詳細については契約している保険会社に確認してみましょう。

また、中断後に新しく契約する等級が7等級以上でなければ発行できません。現在7等級以上でも、事故を起こして翌年の等級が下がることが分かっている場合、中断証明書を取得できないため注意が必要です。

そのほか、以下のいずれかの条件に該当する必要があります。
1. 自動車を売却・廃車・譲渡する場合
2. 一時的な観光目的以外で海外に渡航する場合(海外赴任など)
3. 自動車盗難に遭った場合
4. 自動車の車検が切れた場合
なお、車を所持したまま海外渡航する際は、海外特則を活用できます。海外特則とは、保険の満期日または解約日から6カ月以内に、海外へ渡航する際(一時的かつ観光目的は除く)、出国日の翌日から新しく契約した保険の初日までの期間が10年以内であれば、等級を維持できる制度です。
■妊娠で運転できない場合は妊娠特則を活用
妊娠のために一時的に車を運転できない場合は、妊娠特則を活用できます。ただし、妊娠特則は自動車には適用されず、二輪・原付のみに適用される点に注意が必要です。さらに、全ての保険会社で妊娠特則を取り扱っているわけではなく、一部の保険会社のみとなるため、加入している保険会社に確認する必要があります。

中断証明書の発行に必要な書類

中断証明書の発行で必要な書類について

中断証明書の発行には、中断する事由によって、必要となる書類が異なります。ここでは、廃車・譲渡・車検切れ・盗難の4パターンに分けて解説していきます。

1. 廃車する場合
・登録事項等証明書(小型乗用車、普通乗用車の場合)
・登録識別情報等通知書(小型乗用車、普通乗用車の場合)
・検査記録事項等証明書(軽自動車の場合)

2. 譲渡する場合
・譲渡前後の車検証のコピー
・登録事項等証明書(小型乗用車、普通乗用車の場合)
・検査記録事項等証明書(軽自動車の場合)
・売買契約書のコピー

3. 車検切れの場合
・車検切れの車検証または軽自動車検査証のコピー
・登録事項等証明書(小型乗用車、普通乗用車の場合)
・検査記録事項等証明書(軽自動車の場合)

4. 盗難に遭った場合
※盗難に遭った場合、書類は必要ありませんが、下記の情報が必要です。
・届出警察署名
・届出受理番号
・盗難発生日

上記のとおり、状況によって必要な書類が異なるため、それぞれの状況に合った適切な書類を用意しましょう。

発行にかかる日数・手続きの流れ

中断証明書を発行するためにかかる時間は、保険会社により異なりますが、約1週間から10日ほどで完了します。それでは、中断証明書を発行するまでの一例を見てみましょう。
1. 廃車・譲渡する車の車検証、もしくは自動車税納税証明書のいずれかのコピーを用意
2. 加入している保険会社へ中断証明書の発行依頼の連絡
3. 中断証明書を発行するための必要書類について保険会社への確認、および中断証明書発行依頼書の受領
4. 必要書類と中断証明書発行依頼書を保険会社へ返送
5. 手続き完了から7日〜10日ほどで中断証明書が保険会社から送付
なお、一部の手続きでは、保険会社により対応が異なる場合があります。

再開するときの手順・必要な書類

中断証明書を利用し、発行時の等級を引き継いで自動車保険を契約する場合は、まず新規に加入する保険会社に連絡を入れましょう。

ただし、中断証明書を利用する際は、下記の条件を満たしている必要があります。
【中断証明書の利用条件】
・中断した日から10年以内であること(国内特則)
・車を取得してから1年以内であること(※)
・海外渡航で中断した場合は、記名被保険者の出国日の翌日から10年以内、かつ帰国の翌日から1年以内であること(海外特則)
・中断の前後の記名被保険者が同一であること
※期間は保険会社によって異なり、1カ月以内の場合もある
また、中断証明書を利用して新規契約する場合は、以下の書類2点を用意しましょう。

・中断証明書の原本
・新しく取得した車の車検証

海外特則を利用して中断証明書を発行する場合は、上記に加えて出国・帰国したことが確認できるパスポートのコピーを用意しましょう。
■契約の再開は他社でもOK
中断証明書を利用して保険を契約する場合、最初に発行した保険会社でなくても、他社を利用することができます。自動車保険では各社で契約者の情報を共有できるため、等級や事故有係数などは、中断時からそのまま引き継ぐことになります。(※一部共済などは適用されない場合もあります。)

保険会社ごとに料金設定が異なるため、これを機に、複数の保険会社で見積を取ってみましょう。

また、中断証明書を発行した保険会社ではなく、他社で契約する場合、保険の解約日と開始日を一致させるようにしてください。保険期間に空白があると、これまで積み上げてきた等級を引き継ぐことができないので注意しましょう。

中断証明書で維持した等級は家族にも引き継げる

中断した等級は、記名被保険者本人だけではなく、記名被保険者の配偶者や親族も引き継ぐことができます。

一般的に中断証明書を利用し、保険を再開させる場合には、下記の条件を満たしている必要があります。

・中断前後の車の所有者が一致していること
・中断前後で自動車保険の記名被保険者が同一であること

このため、中断証明書を利用した場合は、自分だけしか等級を引き継げないように思われがちですが、自動車保険では記名被保険者の配偶者や同居の親族については同一と見なされます。

つまり、自分の中断証明書は、配偶者や同居している親族であれば、そのまま等級を引き継ぐことが可能なのです。しかし、あくまで「同居している親族」であるため、進学や就職などで別居している子どもなどへは引き継ぐことができません。

中断証明書を紛失したらどうする?

中断証明書を発行し、数年間保存している間に紛失してしまう可能性もあるでしょう。ただ、紛失した場合でも再発行できます。保険会社に中断証明書の再発行を依頼すると、「中断証明書再発行依頼書」が送付されます。この書類に必要事項を記入し、保険会社へ返送すれば、約2週間で中断証明書が再発行されます。

中断証明書の仕組みを理解し、損をしないようにしよう

自動車保険は一度解約し、一定期間でも空けてしまうと、これまで積み上げてきた等級がリセットされてしまいます。そのために活用したい方法が、中断証明書の発行です。お得に自動車保険に加入するためにも、期限や条件などの仕組みをしっかりと理解し、活用しましょう。

自動車保険を比較する

個別or一括見積もり 違いを比較

必要な情報を入力して金額を出す「見積もり」は、契約前に欠かせないものすが、実は個別と一括で大きな違いが。自分に合う形で申し込んでください。

→ パターンで比較!個別見積もりのとり方

→ ユーザーが比較の際に重視した項目

自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

当サイトで公開されている情報(文字、写真、イラスト、画像データ等)及びこれらの配置・編集および構造などについての著作権は株式会社oricon MEに帰属しております。これらの情報を権利者の許可なく無断転載・複製などの二次利用を行うことは固く禁じております。