2017年04月29日 10時50分

時速何キロ以下からが渋滞? 道路によって異なる“渋滞の基準”

連休の風物詩ともいえる“渋滞”、その判定基準とは? [拡大する]

連休の風物詩ともいえる“渋滞”、その判定基準とは?

 「今日から大型連休スタート!」という人も多いのではないだろうか。連休といえば各地での交通渋滞がつきものだ。日本道路交通情報センター(JARTIC)によれば、今年の高速道路の渋滞ピークは下り線が5月3日(水)〜4日(木)、上り線が5月4日(木)〜5日(金)と予測されるという。ところで、ひとくちに「渋滞」といっても、実は道路によって判定基準が異なるのだが、あまり知られていない。そこで今回は、渋滞の定義をはじめとした“渋滞のイロハ”を紹介する。

■「渋滞」と「混雑」どう違う?

 まず渋滞の定義だが、これはNEXCO各社などの高速道路会社や、JARTICなどの各団体が基準を設けている。大元指針は警察庁の「交通情報の提供に関する指針」であり、それによると渋滞の判定基準は以下となる。

【渋滞】と表現すべき速度
・郊外部の高速自動車国道等:時速40キロ以下
・都市部の高速自動車国道等:時速20キロ以下
・その他の道路:時速10キロ以下

 また、渋滞手前の「混雑」の判定基準は以下となる。

【混雑】と表現すべき速度
・郊外部の高速自動車国道等:時速60キロ以下
・都市部の高速自動車国道等:時速40キロ以下
・その他の道路:時速20キロ以下

 ただし、これらはあくまで指針であり、実際の基準は前述の各団体が当該道路のある地域の交通事情に応じて変更することができる。そのため、たとえば首都高速の「渋滞」の基準は指針通り時速20キロ以下だが、阪神高速道路では時速30キロ以下となっていたりするわけだ。

■渋滞は昔より軽減している? 増加している?

 高速道路各社では長年にわたり、渋滞を緩和するための取り組みを実施してきた。NEXCO東日本の統計によると、料金所にETCが普及して以降は大幅に緩和されたが、2009年の休日特別割引の実施を受け、交通量が再び増加。2011年に休日特別割引終了に伴い少し減少したものの、東日本大震災に伴う復旧工事の影響などで再び増加傾向に転じ、2013年にピークを迎えた。2013年以降は減少傾向にあるとはいえ、交通量が多い状態が続いている。

 とはいえ、引き続き対策も進んでおり、車線の増設や、合流車線・減速車線の延伸といったハード面に加え、ETC時間帯割引の活用、LED表示板による速度回復の情報提供などのソフト面での取り組みも行われており、効果をみせている。

 また、各団体が提供している渋滞予測情報も重要な役割を果たしている。たとえば、JARTICの渋滞予測は全国の高速道路における渋滞区間、渋滞の長さに加え、特に渋滞が激しい時間帯も公表しており、渋滞緩和の大きな手助けになる。長距離ドライブの際には「渋滞のピーク」を避けた計画を立てるだけでも、かなりストレスが減り、安全運転にもつながるだろう。渋滞予測はウェブサイトで閲覧できるため、大型連休の前にぜひチェックしてみてはいかがだろう。

※情報は2017年4月26日時点

(前田智行)

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