家族間の自動車保険「等級」引き継ぎ

 自動車保険のノンフリート等級は家族間で引き継ぐことが可能だ。等級が上のドライバーが運転をしなくなるような場合には、その保険の名義をドライバー歴が短い家族に切り替えると保険料を安く抑えることができる。

家族間で等級を引き継ぐときに重要なこと

  • 【イラスト】家族間での等級引き継ぎ

 ノンフリート等級を引き継ぐ形で自動車保険の名義を変更する場合、重要なのが新旧の契約者の続柄。一般的に自動車保険会社では、ノンフリート等級を引き継げる人物は配偶者や子供、兄弟、親族のみとなっている。それも、同居中の場合しか引き継ぎができないことが多いので、もし新しいドライバーに引越しの予定があれば、早めに名義変更をしておこう。

等級を引き継げる条件

 自動車保険料をなるべく安く抑えるテクニックを使うにはいくつかの条件がある。まず、次の前提条件1か2をクリアしなければならない。

 以下より「娘が車を購入するので父親の等級を引き継ぎたい。父親は新規で保険に入り直す」という場合を例に紹介する。

【前提条件1】
・車を新たに購入した
 現在、父親が1台所有しているが、それ以外でもう1台購入するということ。買換えや、元々所有していた車では等級の引き継ぎはできない。

【前提条件2】
・現在の車を廃車にする
 父親の車を廃車にするなら、20等級を引き継ぐのは新規で買った車以外でも可能となる。

 前提条件をクリアした上で、等級の引き継ぎの相手についての条件をクリアする。

【等級を引き継ぐ相手の条件】
・契約者の配偶者(内縁でも可)
・契約者の同居の親族
・配偶者の同居の親族

 娘は親族となるが“同居”が条件。配偶者を除いて、同居以外は等級の引き継ぎは認められない。

 なお、家族が2台目の車を購入する場合には、必ずセカンドカー割引を適用させよう。適用させない場合は新しい保険のノンフリート等級が7等級ではなく6等級になるため、保険料が高くなってしまう。

実際の手続きはカンタン

 条件がクリアできるようなら、実際の手続きに移る。まず新車の納車日が決まったら、保険会社に連絡して「車を新しく買うので、家族間で等級の引き継ぎをしたい」と担当者に伝え、あとは指示に従えば良いだろう。必要に応じて書類などを用意すれば完了となる。

 具体的なフローとしては以下になる。

【等級を引き継ぐ際の流れ】
1. 現在の契約で親の車Aから子どもの車Bへ、車両入替の申請をする
2. 車Bへの車両入替後、保険名義を親から同居の子どもに替える
3. 親の車Aは親の名義で任意保険に新規加入する

比較:保険料はどれくらい抑えられるのか

 名義変更によりノンフリート等級を引き継ぐことで、保険料はどれくらい変化があるのか。保険料の一例としては以下のようになる。

【等級引き継ぎ 保険料見積もりの例1】
・娘(20歳)がそのまま保険に入った場合
6等級からスタート 年間保険料14万4430円

・娘(20歳)が父親の等級を引き継いだ場合
20等級からスタート 年間保険料4万6380円

 娘の契約で比べれば約10万円も安く保険に入れることになる。なお、父親は自分の保険を娘に譲ったので、そのまま車を継続して乗るなら、自分は新たに保険に入り直す必要がある。その場合の保険料は次のようになる。

【等級引き継ぎ 保険料見積もりの例2】
・父(52歳)がそのまま保険を継続した場合
20等級にて継続  年間保険料2万5290円

・父(52歳)が娘に保険を譲り、新規で入り直した場合
6等級にてスタート  年間保険料4万7740円

 父親の保険料は2万円程度アップすることになるが、父娘のトータルでは8万円程度安くなることになる。条件が合うならば、このテクニックを活用してみよう。

 ちなみに、父親の保険の等級が大きくないと手間がかかるだけで割に合わない可能性もある。事前に等級を引き継いだ場合の試算を取るようにしよう。

※契約内容により様々なケースがあるため、必ずしも記事内容の通りではありません

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