全損時諸費用特約とは?補償してくれる諸費用と注意点を解説

全損時諸費用特約とは?補償してくれる諸費用と注意点を解説

車両全損時諸費用特約(以下、全損時諸費用特約)とは、事故に遭って車が全損した場合に、車の買い替えや事故に遭った車を廃車にするときの諸費用が補償される特約です。

車を買い替えたり、廃車にしたりする費用は意外とかかるもの。事故で車が全損してしまい、何かと入用なときにそういった費用が補償されれば、負担が軽減できるでしょう。今回は、全損時諸費用特約の補償内容や注意点などについてご紹介します。

全損時諸費用特約は車両保険の特約のひとつ

全損時諸費用特約は、車両保険につけられる特約のひとつです。車両保険の支払い対象となる事故で車が全損した場合に、買い替えや廃車の諸費用が補償されます。

車が「全損」とされるのは、修理できないほどに損傷した場合だけでなく、修理費が車両保険の保険金額以上になる場合、盗難で車が発見できない場合なども指します。保険会社によって違いますが、多くはこのような状況を全損と定めていると考えていいでしょう。こういった場合に全損時諸費用特約があれば、新しく車を購入したり、全損した車を廃車にしたりする費用を、保険金として受け取れます。

全損時諸費用特約は、車両保険に加入する際に自動付帯となる場合と、自分で付帯の有無を選べる場合があります。保険会社によって扱いは異なりますから、加入の際に確認してみてください。

全損時諸費用特約の諸費用とは?

全損時諸費用特約の諸費用とは?

実際に車が全損となった場合、買い替えや廃車でどのような費用がかかるのでしょうか。ここでは、車の買い替えや廃車でかかるとされる費用と、その目安をご紹介します。

車の買い替えや廃車でかかる諸費用の目安
■買い替え

種類

費用目安

自動車税環境性能割

車の購入額の0〜3%

消費税

車の購入額の10%

自動車税

普通車:2万9,500〜11万1,000円
軽自動車:1万800円

自動車重量税

0〜5万円

リサイクル費用

普通車:1万〜2万円
軽自動車:6,000〜1万5,000円

車庫証明代行費用

1万〜2万円

新車登録代行費用

1万5,000〜3万円

納車費用

5,000〜3万円

■廃車

種類

費用目安

レッカー費用

5,000〜1万5,000円

解体費用

1万〜2万円

永久抹消代行費用

5,000〜2万円

リサイクル費用(購入時に負担していない場合)

普通車:1万〜2万円
軽自動車:6,000〜1万5,000円

実際は車種や地域、適用される税率の軽減措置、利用する業者などでも異なるため、上記はあくまで目安と考えてください。一般的に諸費用は、買い替えの際は車の購入価格の20%程度、廃車の場合は10万円程度とされており、まとまった金額がかかります。

全損時諸費用特約の注意点

事故で車が全損し、買い替えや廃車にする際に役に立つ全損時諸費用特約ですが、注意点もあります。ここでは、全損時諸費用特約で注意しておきたいことをご紹介します。

対象となるのは車両保険の対象事故のみ

全損時諸費用特約は車両保険に付帯する特約であり、対象となるのは車両保険の対象事故のみです。飲酒運転や無免許運転など、車両保険で補償対象外とされる事故で全損しても、全損時諸費用特約は利用できません。

また、車両保険には「一般車両型」と「エコノミー型」があり、どちらで加入するかによって補償範囲は変わります。エコノミー型のほうが保険料は安い代わりに補償の範囲が狭く、自損事故や自転車との接触などでは保険料が受け取れません。全損時諸費用特約が利用できるかどうかも、車両保険の補償範囲による点に注意してください。

新車特約と重複すると使えない

車両保険の特約には、全損時諸費用特約のほかにも複数あり、そのひとつが「新車特約(新車買替費用特約)」です。新車特約は、主に新車購入時に付帯する特約で、補償期間内に全損したり、修理費が車両保険の保険金を上回ったりしたときに、新車価格相当が補償されるものです。

新車特約と全損時諸費用特約は機能が重複する部分があり、新車特約で保険金を受け取ると、全損時諸費用特約が使えなくなってしまいます。二重に保険金を受け取れるわけではないことを押さえておきましょう。

保険金に上限がある

全損時諸費用特約で、車の買い替えや廃車の諸費用のすべてが補償されるとは限りません。保険会社によって異なりますが、保険金上限は車両保険の5〜10%以内(上限10万〜20万円)とされることが多く、場合によっては超過費用が自己負担となることもあるでしょう。

車両保険の保険金は、自分の車の時価額が上限ですから、年々減少していくものであり、全損でもあまり高額にはならない可能性があります。全損時諸費用特約はさらにその5〜10%が上限ですから、車によっては受け取れる金額があまり多くはならないことに注意してください。

全損時諸費用特約があれば万が一のときに備えられる

全損時諸費用特約は、事故で車が全損となってしまった場合に、車を買い替えたり廃車にしたりする諸費用を補償してくれる特約です。買い替えや廃車の諸費用は意外に高額になることがあり、保険金が受け取れれば負担を軽減できるでしょう。ただし、全損時諸費用特約には注意点もあるため、自分に必要かどうかをよく検討してください。

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