環境性能割とは?対象となる車や税率・計算方法をわかりやすく解説

環境性能割とは?対象となる車や税率・計算方法をわかりやすく解説

車を購入する際には、自動車税や消費税などを支払わなければなりません。また、自動車税の中には環境性能割があり、購入時に1度払います。

今回は、環境性能割について解説するとともに、自動車取得税との違いや税率、計算方法などについても紹介します。また、減免制度が受けられるケースについても紹介しますので、これから車を購入しようと思っている人は参考にしてください。

mokuji目次

  1. 環境性能割とは
    1. 自動車取得税との違い
  2. 環境性能割の税率
    1. 普通車
    2. 軽自動車
  3. 環境性能割の計算方法
    1. 新車を購入した場合の計算方法
    2. 中古車を購入した場合の計算方法
  4. 環境性能割が減免されるケース
    1. ASVやバリアフリー車両の場合
    2. 譲渡担保の設定者に返還した場合
    3. 購入先に返還した場合
    4. その他
  5. 環境性能割を理解し車購入に役立てよう

環境性能割とは

環境性能割とは

環境性能割とは自動車を購入した際に支払う税金で、自動車税の中に位置付けられています。

また、普通車を対象にしたものを「自動車税環境性能割」といい、軽自動車を対象にしたものは「軽自動車税環境性能割」といいます。

環境性能割は排出ガスの基準や燃費基準などの燃費性能に応じて課せられるもので、新車・中古車を問わず全ての車に課税されます。

ただし、車の取得価格が50万円以下の場合は課税されません。

自動車取得税との違い

自動車取得税とは2019年の9月末までに購入した車に課せられていた税金で、2019年10月以降に購入した車についてはこの自動車取得税が廃止され、新たに環境性能割が適用されることになりました。

自動車取得税の税率は登録車の場合は取得価額の3%、軽自動車税は2%でした。

ただし、車の購入価格が50万円以下の場合は課税対象外で、さらに燃費のいい車に対してはエコカー減税が適用され、自動車取得税が軽減されていました。

そして、2019年の消費税率引き上げ時の10月に廃止となり、その代わりに環境性能割が導入されています。
新たに導入された環境性能割は購入した車の燃費性能に応じて課税される仕組みで、税率は普通車の場合、取得価額の0%〜3%軽自動車税0%〜2%で、燃費のいい車ほど低い税率が適用されます。ちなみに電気自動車は非課税です。

環境性能割の税率

環境性能割の税率

環境性能割の税率は、2023年4月1日から2026年3月31日の間に車を取得した場合に、自動車の燃費性能などに応じて適用されます。

また購入する車が新車もしくは中古車かによっても適用される税率が異なります

普通車

普通車にかかる税率は車種や燃費達成基準、そして適用時期によって異なります。

以下に普通車の環境性能割の税率についてまとめましたので参考にしてください。

【2025年3月31日まで】ガソリン車・LPG車・クリーンディーゼル車(ハイブリッド車を含む)

2030年度基準

自家用

営業用

60%達成

3%

1%

70%達成

2%

0.5%

80%達成

1%

非課税

85%達成

非課税

非課税

以下に該当する場合は、自家用および営業用ともに非課税
・ 電気自動車
・ 燃料電池自動車
・ 天然ガス自動車(平成21年排出ガス規制NOx10%低減又は平成30年排出ガス規制適合)
・ プラグインハイブリッド自動車
上のどれにも当てはまらない場合、自家用は3%、営業用は2%。
参考:国土交通省「環境性能割の概要(外部リンク)

【2026年3月31日まで】ガソリン車・LPG車・クリーンディーゼル車(ハイブリッド車を含む)

2030年度基準

自家用

営業用

70%達成

3%

1%

75%達成

2%

1%

80%達成

2%

0.5%

準85%達成

1%

0.5%

90%達成

1%

非課税

95%達成

非課税

非課税

以下に該当する場合は、自家用および営業用ともに非課税
・電気自動車
・燃料電池自動車
・天然ガス自動車(平成21年排出ガス規制NOx10%低減又は平成30年排出ガス規制適合)
・プラグインハイブリッド自動車
上のどれにも当てはまらない場合、自家用は3%、営業用は2%。
参考:国土交通省「環境性能割の概要(外部リンク)

軽自動車

続いて軽自動車税の税率を紹介します。分かりやすく表にまとめましたので参考にしてください。

普通車に比べ、軽自動車は燃費基準が細かく分けられていない点が特徴です。

【2025年3月31日まで】ガソリン車(ハイブリッド車を含む)

2030年度基準

自家用

営業用

60%達成

2%

1%

70%達成

1%

0.5%

80%達成

非課税

非課税

以下に該当する場合は、自家用・営業用ともに非課税
・電気自動車
・燃料電池自動車
・天然ガス自動車(平成21年排出ガス規制NOx10%低減又は平成30年排出ガス規制適合)
上のいずれにも該当しない場合は2%の税率が適用
参考:国土交通省「環境性能割の概要(外部リンク)

【2026年3月31日まで】ガソリン車(ハイブリッド車を含む)

2030年度基準

自家用

営業用

70%達成

2%

1%

75%達成

1%

0.5%

80%達成

非課税

非課税

以下に該当する場合は、自家用・営業用ともに非課税
・電気自動車
・燃料電池自動車
・天然ガス自動車(平成21年排出ガス規制NOx10%低減又は平成30年排出ガス規制適合)
上のいずれにも該当しない場合は2%の税率が適用
参考:国土交通省「環境性能割の概要(外部リンク)

環境性能割の計算方法

環境性能割の計算方法

環境性能割の計算方法は、新車そして中古車で異なります

以下では、それぞれの計算方法を解説します。

新車を購入した場合の計算方法

新車を購入した場合の環境性能割の計算方法は以下のとおりです。

(新車購入時の環境性能割の計算式)
車の取得価額(課税標準基準額+購入時のオプションなど付加物の価格)×税率

課税標準基準額の目安は車両の本体価格の90%程度です。

仮に新車で500万円の車を購入し、その車に適用される環境性能割の税率が1%だった場合、環境性能割額の目安は(500万円×90%)×1%=45,000円です。
購入時にいろんなオプションをつけるほど、最終的な環境性能割額は高くなりますので注意しておきましょう。

中古車を購入した場合の計算方法

中古車の場合は新車と異なり、取得価格の計算に残価率を乗じる必要があります。つまり、中古車を購入した場合の環境性能割の計算方法は以下のとおりです。

(中古車購入時の環境性能割の計算式)
車の取得価額(課税標準基準額×残価率)×税率
計算に用いる残価率は経過年数によって異なります。以下に残価率の表を作成しましたので参考にしてください。

(普通車の場合)

経過年数

中古車残価率

1年

0.681

1.5年

0.561

2年

0.464

2.5年

0.382

3年

0.316

3.5年

0.261

4年

0.215

4.5年

0.177

5年

0.146

5.5年

0.121

6年

0.100

参考:総務省「自動車取得税における通常の取引価額について(外部リンク)

仮に200万円で中古車を購入し、経過年数が2年だった場合で、適用される税率が1%だった場合、環境性能割額は
(200万円×90%×0.464)※×1%=8,350円
となります。
※1,000円未満切り捨て

環境性能割が減免されるケース

環境性能割が減免されるケース

車の購入価格や燃費達成基準によっては高額になる環境性能割ですが、条件を満たすことで減免される制度が用意されています。

ASVやバリアフリー車両の場合

ASVバリアフリー車両の場合、減税の特例措置を受けられます

ASVとは、先進安全自動車のことで、衝突被害軽減ブレーキを搭載している車や、側方衝突警報装置および衝突被害軽減ブレーキが搭載されている車が該当します。

また、バリアフリー車両にはノンステップバスリフト付きのバスユニバーサルデザインタクシーがあります。

減税の特例措置の要件を以下のとおり表にまとめましたので、参考にしてください。

ASV減税の概要

対象(取得時期)

要件

通常要する価額からの控除額(取得時期)

衝突被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付き)搭載車両

・車両総重量5t以下かつ乗車定員10人以上で立席のないバスなど
・車両総重量5t超12t以下かつ乗車定員10人以上で立席のないバスなど
・車両総重量12t超かつ乗車定員10人以上で立席のないバスなど

175万円(2025年3月31日まで)

衝突被害期限ブレーキ(歩行者検知機能付き)搭載車両

3.5t超のトラック
(被けん引車を除く)

175万円(2025年3月31日まで)

側方衝突警報装置及び衝突被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付き)搭載車両

8t超のトラック
(被けん引車を除く)

350万円(2024年4月30日まで)

側方衝突警報装置搭載車両

8t超のトラック
(被けん引車を除く)

175万円(2024年4月30日まで)

参考:東京都主税局「自動車税環境性能割(外部リンク)

バリアフリー車両減税の概要(取得時期:2025年3月31日まで)

対象・要件

通常要する価額からの控除額

ノンステップバス

1,000万円

リフト付きバス

・乗車定員30人以上(空港アクセスバスに限る):800万円
・乗車定員30人以上:650万円
・乗車定員30人未満:200万円

ユニバーサルデザインタクシー

100万円

参考:東京都主税局「自動車税環境性能割(外部リンク)

譲渡担保の設定者に返還した場合

譲渡担保財産として取得した車で、債権が消滅したことにより取得した日から6ヶ月以内に該当の自動車を譲渡担保財産の設定者に返還したときには、納税者が申告することで納税義務が免除されます。

例えば、車をローンで購入し、ローン完済から6ヶ月以内に返還した場合などが当てはまります。

購入先に返還した場合

自動車を購入したものの、車の性能があまり良くないことや車の色が契約の内容と異なるため、自動車購入の日から1ヶ月以内にその車を販売会社に返したときなどが該当します。

この場合も納税者が申告することで納めていた税金が還ってきます。

その他

その他、これまで紹介したケース以外で、減免を受けられるのは以下のとおりです。
<その他環境性能割が減免されるケース>
● 一定の要件に該当する障害者もしくは障害者と生計を一にする人が所有する自動車で、障害者自身、もしくは生計を一にする人がその障害者のために運転するもの
● 構造上、障害者の方が使用するように作られている自動車
● 上記の他、自治体の条例で定められている自動車
該当するケースは自治体によって異なります。詳しくは自分の住んでいる自治体のホームページで確認してください。

東京都に住んでいる人は、東京都主税局「自動車税環境性能割・自動車税種別割の減免制度のご案内(外部リンク)」で確認できます。

環境性能割を理解し車購入に役立てよう

もともと自動車取得税として取り扱われていた税金が、所得税率の改正により廃止となった結果、環境性能割が新たに導入されました。

環境性能割は自動車税の1つですが、自動車税は毎年納めるのと異なり、環境性能割は購入時のみ支払います。

新車と中古車では環境性能割額の求め方が異なる点に注意しておきましょう。また、環境性能割には減免制度が設けられていますので、該当する場合は手続きを行い、減免を受けるようにしてください。

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