環境性能割とは?対象となる車や税率・計算方法をわかりやすく解説
今回は、環境性能割について解説するとともに、自動車取得税との違いや税率、計算方法などについても紹介します。また、減免制度が受けられるケースについても紹介しますので、これから車を購入しようと思っている人は参考にしてください。
目次
環境性能割とは
また、普通車を対象にしたものを「自動車税環境性能割」といい、軽自動車を対象にしたものは「軽自動車税環境性能割」といいます。
環境性能割は排出ガスの基準や燃費基準などの燃費性能に応じて課せられるもので、新車・中古車を問わず全ての車に課税されます。
ただし、車の取得価格が50万円以下の場合は課税されません。
自動車取得税との違い
ただし、車の購入価格が50万円以下の場合は課税対象外で、さらに燃費のいい車に対してはエコカー減税が適用され、自動車取得税が軽減されていました。
そして、2019年の消費税率引き上げ時の10月に廃止となり、その代わりに環境性能割が導入されています。
環境性能割の税率
また購入する車が新車もしくは中古車かによっても適用される税率が異なります。
普通車
以下に普通車の環境性能割の税率についてまとめましたので参考にしてください。
【2025年3月31日まで】ガソリン車・LPG車・クリーンディーゼル車(ハイブリッド車を含む)
2030年度基準 | 自家用 | 営業用 |
60%達成 | 3% | 1% |
70%達成 | 2% | 0.5% |
80%達成 | 1% | 非課税 |
85%達成 | 非課税 | 非課税 |
・ 電気自動車
・ 燃料電池自動車
・ 天然ガス自動車(平成21年排出ガス規制NOx10%低減又は平成30年排出ガス規制適合)
・ プラグインハイブリッド自動車
上のどれにも当てはまらない場合、自家用は3%、営業用は2%。
参考:国土交通省「環境性能割の概要(外部リンク)」
【2026年3月31日まで】ガソリン車・LPG車・クリーンディーゼル車(ハイブリッド車を含む)
2030年度基準 | 自家用 | 営業用 |
70%達成 | 3% | 1% |
75%達成 | 2% | 1% |
80%達成 | 2% | 0.5% |
準85%達成 | 1% | 0.5% |
90%達成 | 1% | 非課税 |
95%達成 | 非課税 | 非課税 |
・電気自動車
・燃料電池自動車
・天然ガス自動車(平成21年排出ガス規制NOx10%低減又は平成30年排出ガス規制適合)
・プラグインハイブリッド自動車
上のどれにも当てはまらない場合、自家用は3%、営業用は2%。
参考:国土交通省「環境性能割の概要(外部リンク)」
軽自動車
普通車に比べ、軽自動車は燃費基準が細かく分けられていない点が特徴です。
【2025年3月31日まで】ガソリン車(ハイブリッド車を含む)
2030年度基準 | 自家用 | 営業用 |
60%達成 | 2% | 1% |
70%達成 | 1% | 0.5% |
80%達成 | 非課税 | 非課税 |
・電気自動車
・燃料電池自動車
・天然ガス自動車(平成21年排出ガス規制NOx10%低減又は平成30年排出ガス規制適合)
上のいずれにも該当しない場合は2%の税率が適用
参考:国土交通省「環境性能割の概要(外部リンク)」
【2026年3月31日まで】ガソリン車(ハイブリッド車を含む)
2030年度基準 | 自家用 | 営業用 |
70%達成 | 2% | 1% |
75%達成 | 1% | 0.5% |
80%達成 | 非課税 | 非課税 |
・電気自動車
・燃料電池自動車
・天然ガス自動車(平成21年排出ガス規制NOx10%低減又は平成30年排出ガス規制適合)
上のいずれにも該当しない場合は2%の税率が適用
参考:国土交通省「環境性能割の概要(外部リンク)」
環境性能割の計算方法
以下では、それぞれの計算方法を解説します。
新車を購入した場合の計算方法
車の取得価額(課税標準基準額+購入時のオプションなど付加物の価格)×税率
課税標準基準額の目安は車両の本体価格の90%程度です。
仮に新車で500万円の車を購入し、その車に適用される環境性能割の税率が1%だった場合、環境性能割額の目安は(500万円×90%)×1%=45,000円です。
中古車を購入した場合の計算方法
車の取得価額(課税標準基準額×残価率)×税率
(普通車の場合)
経過年数 | 中古車残価率 |
1年 | 0.681 |
1.5年 | 0.561 |
2年 | 0.464 |
2.5年 | 0.382 |
3年 | 0.316 |
3.5年 | 0.261 |
4年 | 0.215 |
4.5年 | 0.177 |
5年 | 0.146 |
5.5年 | 0.121 |
6年 | 0.100 |
仮に200万円で中古車を購入し、経過年数が2年だった場合で、適用される税率が1%だった場合、環境性能割額は
(200万円×90%×0.464)※×1%=8,350円
となります。
※1,000円未満切り捨て
環境性能割が減免されるケース
ASVやバリアフリー車両の場合
ASVとは、先進安全自動車のことで、衝突被害軽減ブレーキを搭載している車や、側方衝突警報装置および衝突被害軽減ブレーキが搭載されている車が該当します。
また、バリアフリー車両にはノンステップバスやリフト付きのバス、ユニバーサルデザインタクシーがあります。
減税の特例措置の要件を以下のとおり表にまとめましたので、参考にしてください。
ASV減税の概要
対象(取得時期) | 要件 | 通常要する価額からの控除額(取得時期) |
衝突被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付き)搭載車両 | ・車両総重量5t以下かつ乗車定員10人以上で立席のないバスなど | 175万円(2025年3月31日まで) |
衝突被害期限ブレーキ(歩行者検知機能付き)搭載車両 | 3.5t超のトラック | 175万円(2025年3月31日まで) |
側方衝突警報装置及び衝突被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付き)搭載車両 | 8t超のトラック | 350万円(2024年4月30日まで) |
側方衝突警報装置搭載車両 | 8t超のトラック | 175万円(2024年4月30日まで) |
バリアフリー車両減税の概要(取得時期:2025年3月31日まで)
対象・要件 | 通常要する価額からの控除額 |
ノンステップバス | 1,000万円 |
リフト付きバス | ・乗車定員30人以上(空港アクセスバスに限る):800万円 |
ユニバーサルデザインタクシー | 100万円 |
譲渡担保の設定者に返還した場合
例えば、車をローンで購入し、ローン完済から6ヶ月以内に返還した場合などが当てはまります。
購入先に返還した場合
この場合も納税者が申告することで納めていた税金が還ってきます。
その他
● 一定の要件に該当する障害者もしくは障害者と生計を一にする人が所有する自動車で、障害者自身、もしくは生計を一にする人がその障害者のために運転するもの
● 構造上、障害者の方が使用するように作られている自動車
● 上記の他、自治体の条例で定められている自動車
東京都に住んでいる人は、東京都主税局「自動車税環境性能割・自動車税種別割の減免制度のご案内(外部リンク)」で確認できます。
環境性能割を理解し車購入に役立てよう
環境性能割は自動車税の1つですが、自動車税は毎年納めるのと異なり、環境性能割は購入時のみ支払います。
新車と中古車では環境性能割額の求め方が異なる点に注意しておきましょう。また、環境性能割には減免制度が設けられていますので、該当する場合は手続きを行い、減免を受けるようにしてください。
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