高金利ネット銀行を徹底比較!あなたに合う銀行の選び方

高金利ネット銀行を徹底比較!あなたに合う銀行の選び方

2024年3月、日本銀行はマイナス金利政策および長短金利操作を終了させました。その影響を受けて、かつては類を見ないほどの低さだった普通預金、定期預金の金利も上がりつつあります。

しかし、さらに高い金利で利用したいのであれば、ネット銀行を活用するのが効果的です。

この記事では、高金利のネット銀行を徹底比較し、そのうえで銀行の選び方を解説するのでぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. 【比較一覧表】主要ネット銀行8行の金利をチェック
  2. ネット銀行選びで失敗しないための3つの必須知識
    1. 知識@:なぜ?ネット銀行は金利が高いのか
    2. 知識A:金利の「最大値」を実現するための条件とは
    3. 知識B:手数料で損しないためのチェックポイント
  3. 【目的別に比較】あなたに合うのはどこ?主要ネット銀行8行を深掘り
    1. とにかく普通預金の金利を重視したい
    2. まとまったお金を定期預金で増やしたい
    3. 普段使いのATM・振込手数料を節約したい
    4. 証券口座と連携させて効率よく資産運用したい
  4. 自分に合ったネット銀行選びが、賢い資産形成の第一歩
荒井美亜

監修者荒井美亜

立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)

【比較一覧表】主要ネット銀行8行の金利をチェック

【比較一覧表】主要ネット銀行8行の金利をチェック

一口にネット銀行と言っても、適用される金利はさまざまです。一般的に、預ける年数が長くなるほど適用される金利は高くなりますが、必ずしもそのパターンにあてはまらない銀行(例:大和ネクスト銀行)もあるのでしっかり確かめましょう。
銀行名(五十音順) 普通預金・
貯蓄預金金利(最大)
定期預金金利
3ヶ月 6ヶ月 1年 3年 5年
auじぶん銀行 年0.55%(※1) 年0.30% 年0.30% 年0.40% 年0.45% 年0.50%
GMOあおぞらネット銀行 年0.20% 年0.20% 年0.23% 年0.31% 年0.32% 年0.32%
住信SBIネット銀行 年0.21%(※2) 年0.225% 年0.225% 年0.275% 年0.350% 年0.40%
ソニー銀行 年0.20% 年0.30% 年0.35% 年0.55% 年0.50% 年0.85%
大和ネクスト銀行 年0.20% 年0.30% 年0.45% 年0.90% 年0.65% 年0.70%
PayPay銀行 年0.40%(※3) 年0.225% 年0.225% 年0.275% 年0.35% 年0.4%
みんなの銀行 年0.57%(※4) 取扱なし 取扱なし 取扱なし 取扱なし 取扱なし
楽天銀行 年0.28%(※5) 年0.225% 年0.225% 年0.275% 年0.35% 年0.40%
※1 プレミアム金利優遇適用時の金利
※2 SBIハイブリッド預金
※3 ステップアップ円預金利用時
※4 貯蓄預金(プレミアムサービス利用時)の金利
※5 マネーブリッジ利用時
※2025年10月 時点

ネット銀行選びで失敗しないための3つの必須知識

ネット銀行選びで失敗しないための3つの必須知識

比較表で気になる銀行を見つけたら、次に、賢い銀行選びに欠かせない3つの知識を確認しましょう。これを知っているだけで、数字に惑わされず、本当にあなたに合った銀行を見つけられるようになります。

また、一般的に普通預金と定期預金の金利では、定期預金の金利のほうが高くなっているため、その理由についても理解しておきましょう。

知識@:なぜ?ネット銀行は金利が高いのか

そもそも、なぜネット銀行はメガバンクより金利が高いのでしょうか。その理由は主に3つあります。
  1. 店舗を持たないことによるコスト削減
  2. 業務のデジタル化による効率化
  3. 顧客獲得のための戦略
まず、ネット銀行は一般的な銀行とは違い、実店舗がありません。顧客からの問い合わせ対応はすべてコールセンターなど専門の窓口に集約されています。そのため、実店舗を運営するための人件費や賃料などの経費がかからないため、コストを削減することが可能です。

また、口座開設や顧客への通知など、さまざまな業務がデジタル化されており、処理スピードも各段に早くなっています。処理スピードが高いこともコスト削減には役立つため、結果としてその分を顧客に還元するべく金利を高くするネット銀行は珍しくありません。

さらに、新規顧客を獲得するため、つまり口座開設数を増やすために金利を高くするのは、一般的な広告戦略として広く行われています。

なお、普通預金と定期預金の金利の違いについても理解しておきましょう。まず、普通預金は変動金利といって、金利の影響を受けて利息が変わる仕組みが用いられています。

一方、定期預金では預け入れた時の金利がそのまま適用される固定金利が一般的です。しかし、金融機関によっては金利の上昇により利息が上がる仕組みを取り入れていることあるため、事前に確認しましょう。

知識A:金利の「最大値」を実現するための条件とは

比較表の金利は、あくまで各銀行が提示する『最大値』です。この金利を実現するには、多くの場合、特定の条件を満たす必要があります。代表的な条件には以下のようなものがあります。
  • 証券口座との連携(マネーブリッジ、ハイブリッド預金など)
  • 給与や年金の受取口座への指定
  • クレジットカードの引落口座への設定
  • 特定のアプリやサービスとの連携
具体的な条件は個々のネット銀行によっても異なりますが、基本的には「自社のサービスを多く使うほど優遇される」仕組みと考えて構いません。

知識B:手数料で損しないためのチェックポイント

高金利の恩恵を最大限に受けるには、手数料をいかに抑えるかが重要です。手数料の条件は複雑なため、ここでは、ご自身で確認する際の重要なチェックポイントを解説します。
  • ポイント1:優遇プログラムを確認する
  • ポイント2:無料対象のATMを確認する
まず、優遇プログラムの詳細を確認しましょう。
ネット銀行によって異なりますが優待プログラムを活用すれば金利や手数料などが優遇されるされることが一般的です。たとえば、給与振込の口座として指定することで金利や手数料が優遇されるなら、変更するのも一つの手段です。

無料対象のATMを確認するのも重要です。ATM手数料が無料になること自体は良いのですが「A社の提携ATMは対象外」など細かい条件が設けられていることがあります。

できるだけ手数料を抑えるためには、条件を熟知したうえで、手数料が本当に無料になる形でATMを利用しましょう。

【目的別に比較】あなたに合うのはどこ?主要ネット銀行8行を深掘り

【目的別に比較】あなたに合うのはどこ?主要ネット銀行8行を深掘り

銀行選びの知識が身についたところで、目的に合わせて、各銀行の特徴を詳しく見ていきましょう。主要ネット銀行8行について、以下の希望に応じて整理してみました。
  • とにかく普通預金の金利を重視したい
  • まとまったお金を定期預金で増やしたい
  • 普段使いのATM・振込手数料を節約したい
  • 証券口座と連携させて効率よく資産運用したい
なお、銀行によっても具体的な扱いは異なりますが、キャンペーンに参加したり、特定のサービスを利用したりすることでさらに金利が優遇されることがあります。ただし、時期によっても異なるため、利用を検討する際は事前に確認してください。

とにかく普通預金の金利を重視したい

日常的に使うかもしれないけれど、少しでも高い金利で預けたいーそんな『流動性の高いお金』の預け先を探している人向けの銀行として、以下の3行を紹介します。

みんなの銀行

みんなの銀行は、福岡を拠点とする地方銀行・福岡銀行を中心とした金融グループ「ふくおかフィナンシャルグループ」のネット銀行です。口座開設をはじめ、ほとんどのサービスが公式アプリ一つで完結するため、気軽に始められます。

みんなの銀行の特徴は、有料プランにあたる「プレミアム」に加入することで、貯蓄預金金利の優遇など豊富な特典が受けられることがあります。

本来は年0.37%(税引後:年0.294%)である金利が、プレミアムサービス(月額600円)に加入すると年0.57%(税引後:0.454%)にまで引き上げられる仕組みです。

ただし、貯蓄預金であるため、残高が定められた金額を上回っていないと金利の優遇が受けられないことに注意してください。
(※2025年10月 時点)

auじぶん銀行

auじぶん銀行は、通信大手・KDDIグループのネット銀行です。KDDIグループの携帯電話サービス「au」の利用者に向けた金利優遇サービスが充実しているのが大きな特徴となっています。

代表的なサービスの一種が「プレミアム金利優遇」です。総資産残高が1,000万円以上もしくはauの優遇プログラム「じぶんプラス」のステージが「プレミアム」であれば、円普通預金の金利が年0.55%(税引き後年0.43%)に引き上げられます。

これ以外にも、au PAYアプリとの連携やau PAYカードの引き落とし、対象証券会社との連携など、サービスの複数利用により普通預金の金利を引き上げることが可能です。
(※2025年10月 時点)

PayPay銀行

PayPay銀行はQRコード決済・PayPayを手掛けるPayPay株式会社のグループ企業です。公式アプリによるカードレスでのATM利用や、引出額が3万円以上であれば所定のATM利用時の手数料が無料など、利用者にとって利便性の高いサービスが豊富に揃っています。

普通預金の通常金利は年0.2%ですが、ステップアップ預金といって、預入残高が増えると金利が最大年0.4%まで上がる仕組みになっています。利息ではなくPayPayポイントで受け取る形であれば、さらに付与率は年0.5%まで上がる仕組みです。
(※2025年10月 時点)

まとまったお金を定期預金で増やしたい

まとまったお金を定期預金で増やしたい場合は、定期預金の金利が高い銀行を選びましょう。1年間など、決まった期間使う予定のないお金を、効率よく増やしたい方には以下の銀行がおすすめです。

auじぶん銀行

auじぶん銀行では「デビュー応援定期預金」を使うと定期預金の金利を大幅に引き上げることができます。新規でauじぶん銀行の口座を開設し、口座開設日の翌々月末までに1万円以上の預け入れをすれば、以下の優遇金利が適用されます。

預入期間

特別金利

3ヶ月

年1.2%(税引後:年0.95%)

1年

年1.0%(税引後:年0.79%)

また、これ以外にもさまざまな形で定期預金の金利を引き上げるキャンペーンが行われています。ただし、時期によっても実施されているキャンペーンと具体的な条件は異なるため、都度確認しましょう。
(※2025年10月 時点)

ソニー銀行

ソニー銀行は、2001年にソニー、三井住友銀行などの出資により設立され、同年6月から事業を開始した日本でも老舗のネット銀行です。

ソニー銀行では、一般的な定期預金も扱う傍ら、円定期預金と外貨定期預金を同時に申し込むと円定期預金の金利がアップする「セット定期プログラム」を提供しています。円定期と外貨定期の合計額が1万円から申し込むことが可能で、組み合わせによっても適用される金利が異なる仕組みです。

たとえば、申込額100万円、通貨米ドル、期間3ヶ月の場合、円定期預金に適用される金利は以下のようになります。

タイプ

円定期適用金利

セット25
(円定期:75万円、米ドル定期:25万円)

年0.36%(税引後:年0.286%)

セット50
(円定期:50万円、米ドル定期:50万円)

年0.49%(税引後:年0.390%)

セット75
(円定期:25万円、米ドル定期:75万円)

年0.87%(税引後:年0.693%)

(※2025年10月 時点)

大和ネクスト銀行

大和ネクスト銀行は、大手証券会社・大和証券のグループ会社であるネット銀行です。預入期間が1年の円定期預金の金利が年0.9%(税引後:年0.717%)と、特段キャンペーンを利用しなくても高い水準となっています。

なお、預入期間は1ヶ月から5年まで選ぶことが可能ですが、1年の場合が最も高くなっているため、その点も意識して期間を考えましょう。

預入期間

定期預金金利(税引前)

1ヶ月

年0.3%

3ヶ月

年0.3%

6ヶ月

年0.45%

1年

年0.9%

2年

年0.6%

3年

年0.65%

(※2025年10月 時点)

普段使いのATM・振込手数料を節約したい

現金を引き出して使ったり、特定の相手に振り込む形で送金することが多いなら、ATM手数料・振込手数料を節約できるよう工夫するのが重要です。

金利だけでなく、給与振込や日々の支払いで頻繁に使う方にとって重要な、手数料の安さで選ぶなら以下の銀行が優れています。

GMOあおぞらネット銀行

GMOあおぞらネット銀行は、あおぞら銀行とGMOインターネットグループのグループ会社・GMOフィナンシャルホールディングスが共同出資して設立したネット銀行です。

GMOあおぞらネット銀行では、顧客優遇プログラム「カスタマーステージ」が設けられています。カスタマーステージは外貨普通預金残高やMastercardプラチナデビットカードの契約など所定の条件を満たすと上がる仕組みです。

最高位の「4テックま君」になると、ATM手数料と他行あて振込手数料について、以下のように優遇が受けられます。

ATM手数料

入金:無制限
出金:月20回まで無料

他行宛振込手数料

月20回まで無料

(※2025年10月 時点)

住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行は、NTTドコモグループのネット銀行です。もともと、三井住友信託銀行とSBIホールディングスの共同出資で設立された銀行ですが、2025年10月からはNTTドコモの連結子会社になりました。

住信SBIネット銀行でも、先に紹介したGMOあおぞらネット銀行と同様、顧客優遇プログラム「スマートプログラム」を設けています。1〜4のランクに応じて、ATM利用手数料無料回数および他行宛の振込手数料無料回数が変動する仕組みです。

最高位の「ランク4」であれば、ATM利用手数料無料回数および他行宛の振込手数料無料回数が月20回まで無料になるになります。

「ランク4」を達成するには、スマートフォンアプリをインストールのうえ「スマート認証NEO」を使ってログインした上で、以下のいずれかの条件を満たしましょう。
  • 外貨預金+仕組預金(月末合計500万円以上)
  • 外貨預金+仕組預金(月末合計300万円以上+住宅ローンまたは資産形成ローン月末残高あり※1)
  • プラチナデビットカード(Mastercard)の契約
  • ミライノカード Travelers Gold(Mastercard)の契約
  • ミライノカードPLATINUM(JCB)またはミライノカードGOLD(JCB)の契約+引落口座として当社プログラム対象支店を指定
※1 フラット35(買取型)の場合は月内取引あり
※ 2025年10月 時点

証券口座と連携させて効率よく資産運用したい

資産運用に取り組んでいるなら、証券口座とネット銀行を連携させると効率的な管理に役立ちます。おすすめの組み合わせを2つ紹介するので参考にしてください。

楽天銀行 × 楽天証券(マネーブリッジ)

楽天銀行と楽天証券の間では「マネーブリッジ」という名前で、口座連携サービスを提供しています。

マネーブリッジを利用すると、手数料無料で楽天銀行および楽天証券間の自動入出金が可能です。また、楽天銀行の普通預金にたいしても、以下のように優遇金利が適用されます。

普通預金残高

金利

普通預金残高300万円以下の分

年0.28%(※税引後:年0.223%)

普通預金残高300万円を超えた分

年0.22%(※税引後:年0.175%)

※2025年3月1日時点
さらに、マネーブリッジに登録すると、優遇プログラム「ハッピープログラム」による優待を受けることが可能です。取引に応じて楽天ポイントがたまるうえに、楽天銀行のATM手数料が最大で7回まで無料になります。

住信SBIネット銀行 × SBI証券(SBIハイブリッド預金)

住信SBIネット銀行とSBI証券では「SBIハイブリッド預金」というサービス名で、両社間の資金移動を自動化できる円預金を提供しています。つまり、SBIハイブリッド預金の残高がSBI証券の買付余力に自動で反映されるため、特段入出金操作をする必要がありません。

また、金利も円普通預金に比べ高くなっています(2025年10月4日現在の数値)

100万円未満

100万円以上

円普通預金

0.200%

0.200%

SBIハイブリッド預金

0.210%

0.210%

NISAなど、長期間取り組む予定の資産運用をしているなら、投資資金を毎日・毎週・毎月など希望するスパンで仕分けておけるため、有効活用しましょう。

GMOあおぞらネット銀行 × GMOクリック証券(証券コネクト口座)

GMOあおぞらネット銀行とGMOクリック証券の間でも「証券コネクト口座」という名称で、両者間の残高の自動表示、取引代金の自動振替機能が利用できます。

また、信用取引をする場合は、設定した維持率を下回った場合に維持率を回復させるために必要な資金を自動で振り替える「信用保証金維持率リカバリー」、追加保証金が発生した場合に自動で振り替える「追証・不足金自動振替」などの機能も利用可能です。

また、証券コネクト口座に預けた残高に関しては、年0.210%(税引後:年0.1673%)※の優遇金利が適用されます。
(※2025年10月 時点)

自分に合ったネット銀行選びが、賢い資産形成の第一歩

ネット銀行も、一般的な都市銀行や地方銀行と同様、それぞれに特徴があります。資産運用と組み合わせると効果的な銀行や、携帯電話会社などグループ会社のサービスと組み合わせると優遇される銀行があるので自分のライフスタイルに合わせて選びましょう。

オリコンでは、ネット銀行を比較検討するための参考として「ネット銀行ランキング」を公開しているのでぜひ参考にしてください。
荒井美亜

監修者荒井美亜

■プロフィール
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。
税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。

■保有資格
2級ファイナンシャルプラニング技能士
日商簿記検定1級、AFP(日本FP協会認定)
貸金業務取扱主任者(試験合格)
税理士科目合格(簿記論、財務諸表論)

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