猫の歯周病の原因・症状・治療と予防ケアを徹底解説

猫の歯周病の原因・症状・治療と予防ケアを徹底解説

猫の口臭やよだれ、食べ方の変化が気になっても、歯周病かどうか判断に迷う方は多いでしょう。猫の歯周病は、進行すると抜歯が必要になったり、全身の健康に影響したりする場合があります。

本記事では、猫の歯周病の原因や症状から、診断・治療法、自宅でできる予防ケア、ペット保険での補償について解説します。愛猫の異変に早く気づきたい方はぜひ参考にしてください。
まさの森・動物病院 院長 安田賢

監修者まさの森・動物病院 院長 安田賢

日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。

※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。

mokuji目次

  1. 猫の歯周病とは?歯肉炎・歯周炎の違いと進行の仕組み
    1. 猫の歯周病の症状
    2. 歯肉炎と歯周炎の違いと進行の仕組み
    3. 猫の歯垢・歯石が形成される仕組み
  2. 猫が歯周病になりやすい主な要因
    1. 食事内容・デンタルケア不足が与えるリスク
    2. 免疫異常・ウイルス疾患が関係するリスク
  3. 動物病院における歯周病の診断の流れ
    1. 視診・血液検査による初期評価
    2. 全身麻酔下での確定診断(レントゲン・歯周ポケット検査)
  4. 歯周病の治療方法:軽度から重度まで
    1. 投薬・スケーリングによる初期・中期の治療
    2. 抜歯による重度の治療
  5. 歯周病を放置した場合に起こる全身への影響
  6. 自宅でできる歯周病の予防とデンタルケアの実践
    1. 歯磨きの習慣化と段階的なトレーニングの進め方
    2. フード選びとデンタルケア製品の選び方
    3. 飼い主が行えるセルフチェックの方法
    4. 動物病院での定期クリーニングの重要性
  7. 歯周病はペット保険で補償される?
  8. 猫の歯周病を早期に発見・予防して愛猫の健康を守ろう

猫の歯周病とは?歯肉炎・歯周炎の違いと進行の仕組み

猫の歯周病とは?歯肉炎・歯周炎の違いと進行の仕組み

猫の歯周病とは、歯垢や歯石に含まれる細菌により歯茎や歯を支える組織に炎症が起こる口腔内疾患の総称です。

歯茎に炎症が起こる「歯肉炎」と、炎症が歯を支える歯槽骨や靭帯などにまで広がった「歯周炎」が含まれます。

歯周病は、食べかすなどが歯の表面に付着し、歯垢となることから始まります。

歯垢をそのままにしておくと、唾液中のミネラルと結びついて硬い歯石に変化し、歯の表面に強く付着します。歯石の周囲ではさらに細菌が増えやすくなり、歯茎の炎症や出血、口臭などにつながります。
猫は人間よりも歯垢が歯石に変化するスピードが速く、歯磨きなどのデンタルケアが不足すると歯周病が進みやすいとされています。また、口の中を触られることを嫌がる猫も少なくありません。そのため、飼い主が異変に気づいたときには、すでに歯周病が進行しているケースもよく見られます。

猫の歯周病の症状

猫の歯周病では、口臭や歯茎の赤み、腫れ、出血、よだれの増加などが見られます。初期のうちは症状が目立ちにくく、軽い口臭や歯茎のわずかな赤みにとどまることも少なくありません。

歯周病が進行すると、口の中の痛みや違和感により、ドライフードを嫌がる、食べ物をこぼす、片側だけで噛む、口元を気にするなどの変化が見られます。さらに重度になると、歯がぐらついたり抜けたりするほか、顔が腫れる、皮膚に穴が開く、食欲が低下して体重が減るなど、口の中以外にも影響が出る場合があります。
歯周病の進行段階と主な症状

段階

主な症状

初期(歯肉炎)

歯茎のわずかな赤み・腫れ、軽い口臭

中期(歯周炎)

出血・よだれの増加、ドライフードを嫌がる、歯のぐらつき

重度

歯の脱落、顔の腫れ・皮膚への穴、食欲低下・体重減少

猫は痛みや不調を隠す傾向があるため、見た目だけでは歯周病に気づきにくいことがあります。口臭が強くなった、食べ方が変わった、よだれが増えたなどの変化がある場合は、早めに動物病院で相談しましょう。

歯肉炎と歯周炎の違いと進行の仕組み

歯肉炎は、歯垢や歯石が蓄積し、歯茎に炎症が起こっている初期段階です。歯茎が赤く腫れたり、軽い口臭が出たりすることがありますが、炎症が歯茎にとどまっている場合、歯石除去や自宅でのケアで改善が期待できます。

一方、歯周炎は、炎症が歯茎だけでなく歯を支える歯槽骨や靭帯など深い組織にまで進んだ状態です。歯周炎まで進行すると、破壊された組織は元に戻りにくく、歯のぐらつきや脱落につながることがあります。状態によっては、歯石除去だけでなく抜歯が必要になる場合もあります。
歯肉炎・歯周炎の違い
項目 歯肉炎 歯周炎
炎症の範囲 歯茎のみ 歯槽骨・靭帯など深部組織
回復の可否 適切なケアで改善可能 破壊された組織は回復しない
主な治療 歯垢・歯石除去 歯石除去・抜歯など

歯周病は、歯肉炎の段階で気づき、治療やケアを始めることが大切です。歯周炎まで進行すると治療の負担が大きくなるため、日頃から口の中を観察し、異変を早めに見つけることが予防につながります。

猫の歯垢・歯石が形成される仕組み

猫の歯垢は、フードの食べかすや細菌などが歯の表面に付着してできるやわらかい汚れです。この段階であれば歯磨きなどで取り除けますが、そのまま残ると唾液中のカルシウムやリンといったミネラルと結びつき、石灰化して硬い歯石へと変化します。

歯石になると歯の表面に強く付着するため、歯磨きだけで落とすことはできません

さらに、歯石の表面はザラザラしているため、そこに新たな歯垢が付着しやすくなります。こうして歯垢と歯石がたまり、細菌が増えて歯茎の炎症が進むという悪循環に陥ってしまうのです。
猫は人間よりも歯垢が歯石に変化するスピードが速く、石灰化するまでの期間はわずか1週間程度といわれています。

口臭や歯茎の赤みが気になってからケアを始めるのでは遅く、日頃から歯磨きや口元のチェックを習慣づけておくことが大切です。

猫が歯周病になりやすい主な要因

猫が歯周病になりやすい主な要因

猫の歯周病は、歯垢や歯石に含まれる細菌感染が主な原因です。歯の表面や歯周ポケットに歯垢がたまると、細菌が増殖し歯茎の炎症や出血、口臭などにつながります。

ただし、歯周病は細菌感染だけでなく、食事内容や歯並び、日頃のデンタルケア、免疫状態など、複数の要因が重なって発症・悪化することがあります。

猫が歯周病になりやすい主な要因は、以下のとおりです。
<猫が歯周病になりやすい主な要因>
■ウェットフード中心の食事
■デンタルケアの不足
■FIV(猫エイズ)・FeLV(猫白血病)・カリシウイルスなどウイルス疾患による免疫異常

食事内容・デンタルケア不足が与えるリスク

食事内容は、猫の歯周病リスクの要因の一つです。

ウェットフードはやわらかく食べやすい一方で、歯に挟まりやすく、噛む回数も少なくなりやすい傾向があります。そのため、食べかすや歯垢が残りやすく、そこに日頃のデンタルケアが不足していると、歯石の沈着につながる場合があります。
ただし、ウェットフードそのものが必ず歯周病を引き起こすわけではありません。

大切なのは、食事内容にかかわらず、歯垢をためないように日頃から口の中を確認し、必要に応じて歯磨きやデンタルケア製品を取り入れることです。

免疫異常・ウイルス疾患が関係するリスク

猫の歯周病には、免疫状態やウイルス疾患が関係している場合もあります。

FIV(猫エイズ)やFeLV(猫白血病)、カリシウイルスなどに感染していると、免疫機能が低下したり、口腔内に炎症が起こりやすくなったりすることがあります。

免疫力が低下している状態では、口の中の細菌に対する抵抗力も弱くなり、歯肉炎や歯周炎が悪化しやすくなる可能性があります。

歯磨きやフードの見直しだけでは改善しにくい口臭、よだれ、歯茎の腫れ、出血などが続く場合は、ウイルス疾患やほかの病気が背景にないか確認することも大切です。
口の中の炎症が長引いている食欲が落ちている、元気がないといった症状がある場合は、自己判断で様子を見るのではなく、早めに獣医師に相談しましょう。

動物病院における歯周病の診断の流れ

動物病院における歯周病の診断の流れ

猫の歯周病の診断は、まず獣医師による口腔内の視診から始まります。歯石の付着状況や歯茎の赤み、腫れ、出血の有無、口臭、歯のぐらつきなどを確認し、歯周病が疑われるかどうかを判断します。

ただし、見た目だけでは進行度を正確に判断しにくいことがあります。

歯の表面だけでなく、歯周ポケットの深さや歯根、歯を支える歯槽骨の状態まで確認するには、レントゲン検査歯周ポケット検査が必要になる場合があります。
これらの検査は、猫が動いたり痛みを感じたりすると正確に行うことが難しいため、全身麻酔下で実施されるのが一般的です。治療を安全に進めるためには、口の中の状態だけでなく、麻酔に耐えられる体の状態かどうかも事前に確認します。

視診・血液検査による初期評価

初期評価では、獣医師が口の中を見て、歯石の有無や歯肉の炎症、出血のしやすさ、歯のぐらつきなどを確認します。口臭やよだれ、食べ方の変化など、飼い主から見た日頃の様子も診断の参考になります。

ただし、猫は口の中を触られることを嫌がる場合が多く、痛みが強いと診察中に抵抗することもあります。

そのような場合は、無理に口を開けて確認するのではなく、必要に応じて鎮静剤を使い、猫の負担を抑えながら診察を行うことがあります。
また、スケーリングや抜歯などの全身麻酔を伴う処置を行う場合は、事前検査が必要です。

血液検査で全身状態を確認するほか、必要に応じてレントゲン検査、心電図検査、血圧測定などを行い、麻酔を安全にかけられる状態かどうかを評価します。

全身麻酔下での確定診断(レントゲン・歯周ポケット検査)

歯周病の進行度を正確に確認するには、全身麻酔下での詳しい検査が必要になることがあります。

歯科レントゲン検査では、外から見ただけではわからない歯根の状態や、歯を支える歯槽骨の吸収・破壊の程度を確認できます。

また、歯周ポケット検査では、歯と歯茎の間にある溝の深さを測定します。歯周ポケットが深くなっているほど、炎症が歯の根元や歯を支える組織にまで進んでいる可能性があります。

検査結果は、歯石除去だけで対応できるのか、抜歯が必要かを判断する材料にもなります。

猫が起きている状態では、口の奥まで器具を入れたり、歯周ポケットを正確に測ったりすることが難しく、痛みや恐怖によるストレスも大きくなります。そこで、正確な診断と安全な処置のため、検査や治療は全身麻酔下で行うことがあります。

歯周病の治療方法:軽度から重度まで

歯周病の治療方法:軽度から重度まで

猫の歯周病の治療は、進行度や口の中の状態に応じて行われます。主な治療方法は、薬で炎症や痛みを抑える内科的治療と、スケーリング(歯石除去)や抜歯などを行う外科的治療に分けられます。

また、スケーリングや抜歯、歯科レントゲン検査、歯周ポケット検査などは、猫の安全を確保し、口の奥や歯茎の下まで正確に確認・処置するため、基本的に全身麻酔下で行われます。

投薬・スケーリングによる初期・中期の治療

軽度の歯肉炎や炎症が比較的浅い段階では、抗生剤や抗炎症薬、鎮痛薬などを使って炎症や痛みを抑える治療が行われることがあります。症状や原因によっては、ステロイドやインターフェロンなどが用いられる場合もあります。

ただし、投薬はあくまでも炎症や痛みを抑えるための治療で、歯に付着した歯石そのものを取り除くことはできません。歯垢や歯石が原因で炎症が起きている場合は、スケーリングで口の中を清潔な状態に整える必要があります。

スケーリングでは、全身麻酔下で超音波スケーラーなどを用い、歯の表面だけでなく、歯周ポケット内に入り込んだ歯垢や歯石も取り除きます。

歯石を除去した後は、歯の表面をなめらかにするポリッシング(歯面研磨)を行い、再び歯垢や歯石が付着しにくい状態に整えます。

抜歯による重度の治療

歯周炎が重度まで進行すると、歯を支える歯槽骨の破壊が進み、歯がぐらついたり、歯根部分に強い炎症が起きたりすることがあります。このような状態では、歯を残すことで痛みや炎症が続く可能性があるため、抜歯が必要になる場合があります。

特に、複数の歯に重い炎症がある場合や、歯周病が広範囲に進んでいる場合には、全臼歯抜歯や全抜歯が選択されることもあります。

歯を抜くことに不安を感じる飼い主もいますが、痛みの原因となっている歯を取り除くことで、食欲や生活の質が改善するケースもあります。
抜歯では、歯の根元が残らないように処置することが重要です。歯根が残ると炎症や痛みの原因になる可能性があるため、歯科レントゲンで歯根の状態を確認しながら、必要な処置を行います。

歯周病を放置した場合に起こる全身への影響

歯周病を放置した場合に起こる全身への影響

猫の歯周病を放置すると、口臭や歯茎の腫れだけでなく、口の中以外にも影響が及ぶことがあります。

歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨が破壊されたり、歯根に膿がたまったりすることがあり、顔の腫れや皮膚への穴あきにつながる場合もあります。

また、口の中で増えた細菌が血流を介して全身に広がると、心臓や腎臓、肝臓などに影響を与える可能性も指摘されています。
食欲低下や体重減少など、全身状態の悪化につながることもあるため、早めの発見と治療が大切です。
歯周病を放置した場合に起こる影響

併存疾患・影響

概要

顎骨骨折

歯槽骨が破壊され、顎の骨が弱くなることで骨折リスクが高まることがある

根尖歯周膿瘍・皮膚への穴あき

歯根に膿がたまり、頬が腫れたり、皮膚に穴が開いたりすることがある

慢性鼻炎

炎症が鼻腔に広がり、くしゃみ・鼻水が続くことがある

心臓・腎臓・肝臓への影響

口腔内細菌が血流を介して、全身の臓器に影響を与える可能性がある

歯周病は、自然に治る病気ではありません。口臭やよだれ、食べ方の変化などが見られる場合は、様子を見るだけでなく、動物病院で相談しましょう。

自宅でできる歯周病の予防とデンタルケアの実践

自宅でできる歯周病の予防とデンタルケアの実践

猫の歯周病を防ぐためには、日頃から歯垢をためないようにすることが大切です。すでに歯石になった汚れは自宅の歯磨きだけでは取り除けませんが、歯垢の段階でケアを続けることで、歯周病の予防や進行を遅らせることにつながります。

自宅でできるデンタルケアの柱「歯磨き」「フード選び」「デンタルケア製品の活用」の3つです。ただし、猫によって口元を触られることへの慣れやすさは異なるため、無理に進めるのではなく、少しずつ慣らしていくことが大切です。

歯磨きの習慣化と段階的なトレーニングの進め方

猫の歯周病予防では、歯磨きを習慣にすることが大切です。理想は毎日の歯磨きですが、難しい場合でも、2〜3日に1回を目安に続けましょう。猫の歯垢は短期間で歯石に変化しやすいため、間隔を空けすぎないことが重要です。

ただし、いきなり歯ブラシを口の中に入れると、猫が強く嫌がり、その後のケアが難しくなることがあります。まずは顔や口元に触れられることに慣れさせ、少しずつ段階を踏んで進めましょう
歯磨きのトレーニングは、次のような流れで進めます。
<歯磨きのトレーニング>
1. 顔や頬をやさしく触る
2. 口元に触れる
3. 歯磨きシートで歯の表面を軽く撫でる
4. 慣れてきたら猫用歯ブラシを使う
歯磨きに使う道具は、猫用の歯ブラシや歯磨き粉を選びましょう。人間用の歯磨き粉は、猫が飲み込むことを想定して作られていないため使用できません。
★監修・安田先生
当院では、動物行動学的にも猫のトレーニングでは「お口を触らせてくれたら良いことがある」と覚えてもらうこと(ご褒美による「正の強化」)が成功の近道です。

1つのステップができるごとに、大好きなペースト状のおやつを少量あげたり、チキン味や魚味などの美味しい猫用歯磨きペーストを舐めさせたりして、ご褒美とセットで楽しく進めてもらっています。

フード選びとデンタルケア製品の選び方

食事内容も猫の口腔環境に関係します。

一般的に、やわらかいウェットフードは歯に残りやすく、噛む回数も少なくなりやすいため、歯垢がたまりやすい場合があります。一方カリカリとしたドライフードは歯に挟まりにくい傾向があり、デンタルケアを意識したフードも選択肢の一つです。
ただし、ドライフードを食べていれば歯周病にならないというわけではありません。フードだけで歯磨きの代わりにするのではなく、歯磨きや定期的なチェックと組み合わせて考えることが大切です。

また、歯ブラシ以外にも、猫用のデンタルケア製品にはさまざまな種類があります。代表的なデンタルケア製品は、以下のとおりです。
<代表的な猫のデンタルケア製品>
■デンタルジェル
■飲み水に入れる液体タイプのデンタルケア製品
■口に吹きかけるスプレー
■デンタルケア用のガムやおやつ
■口腔環境を整えるサプリメント
製品を選ぶ際は、猫が無理なく続けられるか安全に使えるかを確認しましょう。

なお、海外製品などでは、歯垢や歯石の蓄積を抑える効果について一定の基準を満たしたものとされているVOHC(米国獣医口腔衛生協議会)の認定マークがあるかどうかも、製品を選ぶ際の参考になります。

飼い主が行えるセルフチェックの方法

歯周病を早く見つけるためには、日頃から猫の口元や食べ方を観察することが大切です。猫は痛みや不調を隠す傾向があるため、飼い主が小さな変化に気づくことが早期発見につながります

セルフチェックでは、次のような点を確認しましょう。
<セルフチェック時に確認すること>
■口臭が強くなっていないか
■歯茎が赤く腫れていないか
■歯の根元に黄色や茶色の歯石が付いていないか
■よだれが増えていないか
■歯茎から出血していないか
■ドライフードを嫌がる、食べこぼすなどの変化がないか
■片側だけで噛む、口元を気にする様子がないか
■顔の腫れや鼻水、くしゃみが続いていないか
口の中を確認するためには、日頃から口元を触ることに慣れさせておくことも大切です。嫌がる猫に無理をすると、口元を触られること自体が苦手になってしまうため、短時間から少しずつ慣らしましょう。

強い口臭や出血食欲低下がある場合は、自己判断でケアを続けず、動物病院で診察を受けてください。

動物病院での定期クリーニングの重要性

自宅での歯磨きは、歯の表面に付いた歯垢を落とすために役立ちます。しかし、歯周ポケットの奥に入り込んだ汚れや、すでに硬くなった歯石を自宅で取り除くことはできません。

そのため、必要に応じて動物病院で歯科検診やクリーニングを受けることが大切になります。

若い猫でも歯肉炎や歯周病が起こることはあります。年齢にかかわらず、口臭や歯茎の赤み、食べ方の変化が見られる場合は、早めに診察を受けることで治療の負担を抑えやすくなります。
また、歯科検診では口の中だけでなく、体重測定や心音の確認、血液検査などをあわせて行うこともあります。

口腔内の健康状態を確認することは、全身の健康管理にもつながります。定期的なチェックを習慣にし、愛猫の変化に早く気づけるようにしましょう。

歯周病はペット保険で補償される?

歯周病はペット保険で補償される?

猫の歯周病の治療費がペット保険で補償されるかどうかは、保険会社や商品、契約内容によって異なります。

一般的に、歯周病・歯肉炎などの治療目的での診察や投薬、抜歯、手術などは補償対象となることがあります。

一方で、予防目的の歯石取りやクリーニング、健康維持のためのデンタルケアは、補償対象外となるケースがほとんどです。

また、加入前から症状があった歯周病や、待機期間中に発症した病気についても、補償されない場合があります。
このように歯科治療の扱いには保険会社ごとの差が大きいため、加入前に次の点を確認しておきましょう。
<ペット保険加入前に確認しておきたい点>
■歯周病・歯肉炎の治療が補償対象に含まれるか
■抜歯やスケーリングが補償されるか
■予防目的の歯石取りが対象外になっていないか
■加入前からある症状や既往症の扱い
■待機期間中に発症した病気の扱い
ペット保険を選ぶ際は、保険料だけでなく歯科治療の補償範囲も確認することが大切です。愛猫の歯周病が心配な場合は、契約前に重要事項説明書や約款に目を通し、不明点は保険会社に問い合わせておくと安心です。

猫の歯周病を早期に発見・予防して愛猫の健康を守ろう

猫の歯周病は、歯垢や歯石に含まれる細菌によって起こる口腔内疾患です。初期症状なら日頃のケアで改善も見込めますが、進行すると歯のぐらつきや抜歯、顔の腫れ、全身への影響などにつながる場合があります。すでに歯石が付いている場合や、よだれ・出血・食欲低下などが見られる場合は、自宅で様子を見るだけでなく、早めに動物病院で相談しましょう。

歯周病は進行すると治療費が高額になることもあるため、ペット保険への加入がおすすめですが、歯周病が補償されるかどうかは保険会社や商品によって異なります。加入を検討する際は、歯科治療の補償範囲も確認しておくと安心です。

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まさの森・動物病院 院長 安田賢

監修者まさの森・動物病院 院長 安田賢

日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。
・獣医がん学会
・日本エキゾチックペット学会
・鳥類臨床研究会(鳥類臨床研究会認定医)
・爬虫類・両生類の臨床と病理のための研究会
 ●まさの森・動物病院

※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。

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