何が起こるのか分からないのが海外旅行。万が一の事故に備えるために海外保険があるのですが、クレジットカードには海外旅行傷害保険が付帯しているものもあります。病気や事故による怪我だけではなく、携行品の盗難・破損、ホテルやレストランの設備を壊してしまった場合など、様々な損害に対して補償してくれるサービスです。
有効期間がある
クレジットカードの海外旅行傷害保険は確かにありがたい付帯サービスですが、過信しないようにしてください。保険会社の商品とは異なり、カードの保険には有効期限が設定されています。90日補償が一般的ですが、なかには60日が限度のカードもあるので、旅行前には必ず有効期限をチェックしておきましょう。
補償の日数を超えるような長期滞在の場合は、保険会社の海外旅行保険に入っておくと安心です。
補償が足りない!?
「クレジットカードに海外保険が付いているからケガをしても大丈夫」と思う前に、まずは補償金額を見てください。カードによって金額が異なると思いますが、場合によっては保険金だけでは治療できないこともあります。たとえば盲腸で2泊3日の入院をした場合、ヨーロッパでは平均130万円、アメリカでは平均200万円もかかります。
補償金からオーバーした分は自己負担です。カード1枚ですべてのリスクを補償できるとは思わないようにしましょう。
成功法としては保険会社の海外保険に別途加入する方法がありますが、裏技として「複数のカード会社と契約する」というものがあります。保険会社の保険はいわゆる保険成金にならないように、同じタイプの保険に複数加入していた場合は必要な分だけを保険会社が分割して支払います。しかし、クレジットカードの保険は加算されるのです。たとえば事故・病気を200万円まで保障するカードと、100万円まで保障するカードを持っていた場合、合計300万円まで補填されます。カード保険だけで賄いたいのならば最低でも2枚のカードを持っておきたいものです。
ただし、同じカード会社のカードを複数持っている場合は合算されないので注意してください。
自動付帯と利用付帯
クレジットカードの海外旅行傷害保険には、カードを持っているだけで保険が適用される「自動付帯」と、カードを使って初めてサービスが有効になる「利用付帯」の2種類があります。
注意したいのは利用付帯の方で「保険を受けられると思ったのに、現地でクレジットカードを使っていなかったから補償金が出なかった」ということが起こります。
同じ傷害保険が付いていても“いつ適用されるか”は発行・提供会社によって異なります。あとあとトラブルに発展しないためにも、旅行前には必ず適用条件を確認するようにしてください。
旅行前には契約内容をもう一度チェック
病気やケガはもちろん、加害者になってしまった時でも補償が出る海外旅行傷害保険。
便利な制度ですが適用される条件や、補償される金額はクレジットカードによって異なります。海外旅行へ行く前には契約内容をもう一度チェックするようにしましょう。