万が一の自動車事故の補償として、ドライバーは入っておかなければならない自動車保険。しかし、一般家庭の自家用乗用車や軽自動車の平均保険料は2015年度で約65,000円にもなり、家計を圧迫している支出であることは間違いありません。毎年かかる自動車保険の費用をどうにか安く抑えたいと思っている方は多いのではないでしょうか。
2017年5月、損害保険料率算出機構が参考純率の8%の引き下げと保険料率の見直しを金融庁に届け出て承認されました。これにより今後、自動車の自賠責保険や任意保険が順次値下がりする見込みです。ドライバーにとって待望となる保険料の値下げは、2003年に参考準率が6%引き下げられて以来、14年ぶりとなっています。任意の自動車保険料の推移や、今回の値下げの理由について解説していきましょう。
2009年以降、自動車保険は値上がり傾向で推移していた
家計にとって大きな支出となっている任意の自動車保険の保険料。保険料を少しでも安く抑えたいのは、ドライバー共通の希望です。けれども近年の自動車保険料は右肩上がりに推移していました。
特に大きかったのが2009年度の参考純率5.7%の引き上げです。自動車装備の充実や、それに伴う部品の高騰により、事故の際の修理代は以前よりも高額になり、保険金の支払い額も増加しました。他にも少子化により保険料が高い若年のドライバーが減少したため、自動車保険会社にとって支出の増加に対して収入が悪化したのも要因のひとつとしてあげられます。こうした背景から参考純率の引き上げが相次いだのです。
ドライバー待望の保険料の値下げ、値下げの具体的な割合は
最近では2014年に参考純率が引き上げられ、自動車の保険料は任意も自賠責も2014年の保険料をベースに推移をしてきました。それだけに、この度の参考純率改定引き下げのニュースは、ドライバーにとって嬉しいニュースになることは間違いありません。
この改定に至った背景には、自動車事故の減少があります。近年、高級車だけではなく大衆車にも自動ブレーキ装置などの事故被害軽減装置が装備されました。こうした「ASV(先進安全自動車)」の増加により2016年には1949年以来67年ぶりに交通事故死者数が4,000人を下回るなど、事故の減少に大きく貢献したのです。
2017年度は参考純率が8%程度引き下げられることになっています。参考純率は任意保険の保険料のうち保険金の支払いに充てる純保険料率の算出に影響するので、自動車保険会社による差はあるものの、保険料の値下げも期待できるでしょう。
事故件数と保険料の関係 〜「相互扶助の精神」という考え方〜
2014年には、高齢者による事故の増加が参考純率の改定および自動車保険の値上げに影響しました。2017年の参考純率引き下げは、事故軽減装置などのテクノロジーの発達による自動車事故の減少が要因の一つです。このように保険料と事故の発生率には密接な関係があります。
自動車保険をはじめ「保険」の考え方の基本となるのは、相互扶助の精神によるものです。個人では交通事故の際に数千万円にも及ぶ損害賠償の支払いをするのは不可能でしょう。しかし、実際に事故を起こしてしまうのは、ドライバーの中でもごく少数の人に限られています。多くの保険加入者で一定の保険料を出し合い、万が一の事故の際には加入者から集めた保険料から保険金を支払う、というのが自動車保険の考え方です。事故が増加すると、補償として支払われる保険金の支払い金額が増加してしまうので、加入者1人あたりが負担する保険料の負担も大きくなってしまいます。
保険会社各社の保険料を決める参考純率とは
2018年にも見込まれる自動車保険料を値下げする根拠となっているのが、自動車保険の参考純率の引き下げによるものです。損害保険の保険料率は、保険金の支払いに充当する純保険料率と、保険会社の運営に必要な付加保険料率からなっています。参考純率は、純保険料率の算出の際の参考になるものとなっており、参考純率の変動が保険料の変動に直結するのです。ただし、保険会社の提供する保険商品は、あくまでも民間の企業が提供しているものです。一律で値下げという訳ではなく保険会社による違いがありますので、保険料の節約の為には保険会社を比較して選択する必要があります。
近年では自動ブレーキ搭載車などの普及が事故の軽減に貢献していますが、自動ブレーキ搭載車と非搭載車では事故発生率に違いがあります。保険料の公平性を保つために、事故発生率の少ない自動ブレーキ搭載車は優遇されています。2018年以降の値下げでは、自動ブレーキ搭載車に一律9%の割引きが適用される見通しとなっています。
一般家庭の平均の保険料の支払い金額は年間7万円台となっています。2017年度の参考純率引き下げによって、年間数千円ほど保険料の負担が減る見込みとなっています。保険料の変動には、事故の発生率も大きな要因です。近年の自動ブレーキ搭載車などの発達により、2016年には67年ぶりに全国の交通事故死亡者数が4,000人を切ったという明るいニュースもありました。事故の減少により自動車保険料の基準となる参考純率が引き下げられたと言えるでしょう。
ただし、保険料の値下げは各保険会社によっても差が出てきます。賢く保険料を節約する為には、やはり保険会社選びが大切なポイントとなってくるということを覚えておきましょう。