運転者限定特約とは?保険料が安くなる仕組みと設定の方法

運転者限定特約とは?保険料が安くなる仕組みと設定の方法

任意の自動車保険の特約には、自動車保険の補償内容をより充実させるものと、補償を限定して保険料を抑えるものがあります。「運転者限定特約」は、後者の保険料を安くするための特約です。契約車を運転する人を限定することで事故のリスクを低減し、その結果として保険料を下げることができます。
今回は、自動車保険の運転者限定特約の内容や設定の方法などについて解説します。

運転者限定特約は保険料を割引する特約

運転者限定特約とは、運転者限定割引ともいい、保険料を安くするための特約です。契約車を運転する人を限定することで、事故のリスクも限定し、その分保険料が割り引かれる仕組みになっています。ただし、限定の範囲外の人が事故を起こしても補償を受けられなくなるため、その点には注意が必要です。

運転者限定特約の区分

運転者限定特約にはいくつか区分があります。保険会社によって多少の違いがありますが、多くは以下のように分けられています。

■運転者限定特約の区分

区分

補償対象

運転者限定なし

記名被保険者や家族はもちろん、別居の親族や友人、知人など誰が契約車を運転しても補償される

家族限定

記名被保険者とその配偶者、同居の家族、別居の未婚の子

本人・配偶者限定

記名被保険者とその配偶者

本人限定

記名被保険者のみ

運転者限定特約の「家族」とは、血縁関係がある同居の親族(6親等内の血族や配偶者および3親等内の姻族)を指します。契約者の子供の場合、婚姻歴がなければ、別居でも運転者限定特約では家族とみなされ、既婚であれば家族とはみなしません。また、「配偶者」は法律上の婚姻している夫婦を指しますが、事実婚や内縁関係でも補償を受けられる場合もあるようです。
二世帯住宅に居住している場合、「同居」の判断は保険会社によって分かれるため、契約前に確認しておきましょう。

運転者限定特約の割引率

運転者限定特約は、割引率についても保険会社で違いがありますが、概ね以下のような割引率が適用されるようです。

■運転者限定特約の割引率

区分

割引率

運転者限定なし

家族限定

約1%

本人・配偶者限定

約6〜7%

本人限定

約7〜8%

運転者限定特約は、限定する範囲が広いほど保険料が割引されるため、誰が運転しても補償される「運転者限定なし」を設定すると割引はありません。「家族限定」の場合も、補償範囲が広いため、割引率は低めです。
ただし、割引率を高くするために無理に補償範囲を狭めると、万が一範囲外の人が事故を起こしたときに補償されません。主に契約車を運転する人が誰なのか、しっかり考えた上で設定しましょう。

なお、自動車保険の保険料は、運転者限定特約の他に「年齢条件」の設定でも抑えられる場合があります。設定の仕方で割引率が変わりますから、保険料を節約したい場合は、運転者限定特約だけでなく年齢条件についてもよく考えてみてください。

年齢条件については、以下の記事をご覧ください。

運転者限定特約を本人限定にした車を他人が運転する場合

運転者限定特約を本人限定にした車を他人が運転する場合

昨今は全国的に単身世帯が増加しており、運転者限定特約の区分のうち、「家族限定」を廃止して、「本人限定」を新設する保険会社が増えています。しかし、運転者限定特約が本人限定の車の場合、本人以外の人が運転する際はどうすべきか疑問に思う人もいるでしょう。ここでは、運転者限定特約を本人限定に設定している車を、記名保険者以外が運転する場合に考えられる対処法をご紹介します。

一日自動車保険に加入する

自動車保険には、1日単位で加入できるタイプもあります。運転者限定特約を本人限定に設定している友人の車を、ドライブのために借りる、旅行で友人と交代で運転するなどという場合、一日単位の自動車保険に加入するといいでしょう。

ただし、運転者本人やその配偶者が所有している車を運転する場合は、1日単位の自動車保険には加入ができません。また、レンタカーやシェアカー、一部の外国メーカーの車やスポーツカーなども、一日単位の自動車保険では対象外とされることが多いので、加入前に確認してください。

一時的に運転者限定特約を外す

運転者限定特約を本人限定にしており、記名被保険者以外がある程度の期間、契約車を運転することがわかっている場合は、一時的に運転者限定特約を解除する方法があります。保険会社に連絡することで、運転者限定特約はすぐに変更が可能です。
解除した場合は差額を支払うことになりますが、再度運転者限定特約を設定することで、支払った保険料が戻ってくる場合もあります。

他車運転特約を付帯する

自動車保険の特約には、「他車運転特約」というものがあります。これは他人の車を運転中に事故を起こしてしまった場合に、自分の自動車保険を利用して補償できるという特約です。定期的に他人の車を利用する機会があり、その車が運転者限定特約を本人限定に設定している場合、他者運転特約があれば安心できるでしょう。他人の自動車保険を使わずに済むため、持ち主の等級にも影響しません。

ただし、他車運転特約の「他車」とは、記名保険者やその配偶者や同居親族の所有車、常時使用している車は対象外なことに注意してください。また、他車運転特約で自分の自動車保険を利用した場合、事故の内容によっては自分の等級が翌年以降下がります。

運転者限定特約を利用して保険料を抑えよう

自動車保険は、万が一の事故に万全に備えようすると、保険料が上がってしまうというネックがあります。そういったときに、契約車を運転する人を限定する「運転者限定特約」を設定することで、保険料を抑えられるかもしれません。運転者を限定した場合、その他の人が契約車を運転することを不安に感じますが、一日単位の自動車保険に加入したり、一時的に特約を外したり、他車運転特約を利用したりすることで対処が可能です。運転者限定特約を利用し、万全の備えをしつつ保険料を抑えましょう。

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自動車保険を比較する

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自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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