テレマティクス保険とは?加入者の声も!メリット・デメリットなど詳細を解説

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「テレマティクス保険」とは、自動車に装備されている端末から走行距離や速度、ブレーキのかけ方といった運転技術情報を保険会社が取得し、その情報を基に保険料を算出する保険のことで、イギリスやアメリカなどでは導入が進んでいます。日本でも徐々に商品化されつつあり、少しずつ世間に認知され始めていますが、まだなじみのある保険とまではいえません。本稿では日本でも注目を集め始めている「テレマティクス保険」のメリット・デメリットについて紹介していきます。

〜テレマティクス保険について、もっと知りたい人はこちら〜

テレマティクス保険とは

「テレマティクス保険」という名前の由来

「テレマティクス」とは、自動車などの移動体に通信システムを組み合わせて、リアルタイムに情報サービスを提供することです。“テレコミュニケーション(通信)”と“インフォマティクス(情報工学)”を合わせて名付けられています。

この「テレマティクス」を利用する保険が、「テレマティクス保険」で、PAYD(走行距離連動型)と、PHYD(運転行動連動型)の2種類があります。走行距離や運転特性(アクセルの開け方・ブレーキのかけ方など)といった運転者ごとの運転情報を取得・分析し、その情報を基に保険料を算出する仕組みとなっています。

国土交通省は「リスクに応じた詳細な保険料設定により、安全運転の促進の効果及び事故の減少効果がある」として、2014年から重点テーマの一つとして掲げています。

「テレマティクス保険」の保険料の仕組み

先述した通り、テレマティクス保険にはPAYD型とPHYD型という二つのタイプがあります。

PAYD型
「PAYD」とは「Pay As You Drive」の略で、日本語にすると「走行距離連動型」という意味になり、契約車両が実際に走行した距離を基に保険料を算出する仕組みです。日本ではあいおい損害保険(現あいおいニッセイ同和損害保険)とトヨタ自動車のタッグで2004年から取り扱いを開始した保険で、意外にもその歴史は18年にもなります。

PAYD型では、車載端末経由で送信された実走行距離データを保険会社が受信し、そのデータを基に走行距離に応じた保険料を支払う仕組みとなっており、走行距離が長ければ保険料は高くなり、逆に走行距離が短ければ保険料は安くなります。

PHYD型
「PHYD」とは「Pay How You Drive」の略で日本語にすると「運転行動連動型」という意味になり、テレマティクス技術で取得した運転者の運転挙動(走り出しやブレーキのかけ方といった運転特性)を基に保険料を算出する仕組みです。

日本では、あいおいニッセイ同和損害保険が2017年に国内で初めて商品として提供を開始しました。

PAYD型・PHYD型のいずれも、保険会社によっては保険料への反映ではなくポイント制度として商品交換に用いられている場合もあるため、テレマティクス保険を検討している場合はその点も要確認です。

テレマティクス保険のメリット

事故率の低下

テレマティクス保険に加入するメリットは、ズバリ事故率の低下です。テレマティクス保険、中でもPHYD型では運転時のデータを分析することで安全運転度がスコア化されます。運転技術が月々の保険料に直結するため、安全運転を常日頃意識することになり、結果的に社会全体での事故率低下につながっていきます。

実際に、テレマティクス保険で先行しているイギリスの保険会社の調査結果では、17歳から21歳の加入者の事故率がテレマティクス保険の導入によって35%から40%程度減少したという調査結果が出ています。

保険料を抑えられる、特典を受けられる場合も

テレマティクス保険はその特性上、運転特性データから安全運転度がスコア化されます。そのスコアに応じて保険料に割引が適用されるため、保険料を安く抑えるために安全運転を行うという好循環が生まれることになります。

運転スコアに応じた保険料の割引適用の他にも、安全運転することでポイントをため、一定数のポイントがたまれば商品と交換できるといった特典が受けられるサービスを提供している保険会社もあります。

PAYD型であれPHYD型であれ、運転データは自動車に搭載されている車載端末から通信を受けた各自動車会社のデータセンターを経由して、必要なデータを保険会社に提供することで保険料が算出されるようになっています。また、月ごとに運転に関するレポートデータが提供されるので、データを参考に安全運転に生かすことで運転技術の向上につながります。

テレマティクス保険のデメリット

個人情報が漏れるリスク

テレマティクス保険のデメリットとして考えられるものとして、運転手の走行データといった個人情報が保険会社に提供されるため、個人情報が漏れるリスクが懸念されます。より正確な情報を収集するとなると、車内外の映像などのデータも必要となってくる可能性もあり、万が一外部に漏れ出すことがあると大問題に発展する可能性も出てくるでしょう。

運転技術が荒い人は保険料が高くなる可能性あり

運転歴が浅い人や運転でトラブルを経験したことがある人など、人によっては保険料が高くなる可能性も大いにあります。結果的に保険料が高くなるなら保険には入らないといった任意保険未加入者が増加してしまう懸念も出てくるでしょう。

また、注意点として保険の内容によっては運転技術が高くても、そもそも保険料に反映されない場合もあるため、保険の選び方も重要になってきます。

テレマティクス保険加入者の声

実際の加入者が良かったと感じている点とは?

・より一層注意深く運転をする様になった。
(男性/40代/N-BOX/ゴールド/5,001km〜7,000km)

・運転の仕方を評価してくれるので、自分の悪い癖などわかるのでいいと思います。
(女性/40代/オッティ/ゴールド/3,000km以下)

・自分の運転の癖、習慣がわかる
(女性/30代/タントカスタム/ブルー/5,001km〜7,000km)

・年間走行距離の少ない自分には有利と感じた
(男性/30代/フリード + ハイブリッド/ゴールド/10,001km〜12,000km)

・データがもらえるので、安全運転に繋がる。
(男性/50代/ポロ/ブルー/3,001km〜5,000km)

・運転のスコアによって保険料が変わるので安全運転を心がけようと思えるようになった。
(男性/20代/FIT (フィット) ハイブリッド/ゴールド/15,001km以上)
※オリコン顧客満足度(R)の自動車保険の最新調査データから抜粋。過去2年以内に自分が運転していて自動車保険を適用したことがあり、かつ自動車保険へ加入する際に選定に関与した18〜79歳のサービス利用者が対象。ここでは、テレマティクス保険加入者のデータを掲載。なお、調査期間は、2021年8月24日〜9月6日。

テレマティクス保険は「日頃から安全運転を心掛けている」人におすすめ

どんな人がテレマティクス保険に向いているのか?

結局、テレマティクス保険がどんな人に向いているかというと、「日頃から安全運転を心掛けている」人でしょう。これまでの自動車保険は、万が一事故を起こした場合に対して補償を提供することが主となっていましたが、事故を起こさないことで得られるメリットはさほど大きなものではありませんでした。

テレマティクス保険では、日頃から安全運転を心掛けているドライバーに焦点が当たる内容となっており、事故を起こさないことが保険料の抑制にもつながるため、安全運転を継続する明確な目標ができます。

まとめ

これまでのポイントを総まとめ!

テレマティクス保険には、以前からあるPAYD型と、これからの展開が注目されつつあるPHYD型に大別することができます。今後、日本でもテレマティクス保険の普及が進むことが予想されます。そうなると、事故を起こしたときにどうするかではなく、事故を起こさないためにはどうするかを考えるドライバーも増えるようになります。

安全運転することで保険料を安く抑えたり、特典を受けられたりと個人のメリットに目が行きがちですが、テレマティクス保険加入者が増えることで、社会全体として交通事故の減少に寄与することができる保険ともいえるでしょう。

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