自動車保険の等級とは?仕組み・割引率・引き継ぎ方法について解説

自動車保険の等級について説明します

保険会社の自動車保険は、等級に基づいて支払う保険料が算出されますが、その仕組みが分かりにくいのが現状です。そこで今回は、自動車保険の等級の仕組みを解説し、お得な自動車保険に加入する方法をお伝えします。

等級の仕組みと確認方法

等級の仕組みと保険料

自動車保険には、「ノンフリート契約」と「フリート契約」の2種類があります。ノンフリート契約は、契約者が所有または使用する自動車の台数が9台以下の契約で、フリート契約は自動車の台数が10台以上の契約です。個人の方は、ノンフリート契約が一般的です。ここでは、ノンフリート契約の等級の仕組みについて解説していきます。

ノンフリート契約の場合は、「等級別料率制度」があり、契約者の事故リスクに応じて1〜20等級に区分されます。初めて自動車保険に加入する人は6等級からスタートし、事故などで保険を使った場合は翌年度に等級が下がり、保険を使わなければ等級が上がる仕組みです。等級が上がるほど保険料が安くなり、等級が下がるほど保険料は高くなっていきます。
このように、自動車保険では等級によって保険料を上下させることで、契約者の保険料負担の公平性を確保しています。この等級は、日本損害保険協会を通じて契約者情報を確認できるため、保険会社を乗り換える場合でも、等級はリセットされずに新しい保険会社に等級が引き継がれる仕組みとなっています。

■等級の調べ方
保険会社から送られてくる自動車保険証券で、自分の等級を確認しましょう。自動車保険証券には、フリート・ノンフリートの区分、等級、保険期間などの情報が記載されています。
また最近では、紙の保険証券ではなく、ネット上で閲覧可能なデジタル保険証券を取り扱う保険会社もあります。デジタル保険証券の場合は、マイページにログインして簡単に等級を確認できます。

事故で等級はどれくらい下がる?

事故の実態に応じて、翌年の等級は3等級ダウン、1等級ダウン、変わらない(ノーカウント事故)の3パターンがあります。以下で具体的な事例を見ていきましょう。
■3等級ダウンが適用される事故
(事故例)
・相手を死傷させ、対人賠償保険を使用
・相手のものを破損させ、対物賠償保険を使用
・自損事故で車両保険を使用
■1等級ダウンが適用される事故
(事故例)
・契約車両が盗難に遭い、車両保険を使用
・台風や洪水、火災などの災害により、車両保険を使用
・落書きなどのいたずらに遭い、車両保険を使用
■ノーカウント事故
(事故例)
・人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険を使用
・個人賠償責任保険や弁護士費用補償特約を使用
>>事故の種類について詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェック

事故の有り・無しで等級の割引率が変わる

自動車保険の等級は1〜20等級まで区分されます。さらに、同じ等級でも「無事故係数」と「事故有係数」に分けられ、下の表のように保険料の割引率が異なります。
【図表】等級別割増引率(継続契約の場合)

等級

無事故

事故有

1等級

+64%

+64%

2等級

+28%

+28%

3等級

+12%

+12%

4等級

−2%

−2%

5等級

−13%

−13%

6等級

−19%

−19%

7等級

−30%

−20%

8等級

−40%

−21%

9等級

−43%

−22%

10等級

−45%

−23%

11等級

−47%

−25%

12等級

−48%

−27%

13等級

−49%

−29%

14等級

−50%

−31%

15等級

−51%

−33%

16等級

−52%

−36%

17等級

−53%

−38%

18等級

−54%

−40%

19等級

−55%

−42%

20等級

−63%

−44%

※参考純率は、事故が発生した際に保険会社が支払う保険金そのものに関わる料金率(純保険料率)の参考値。保険会社はこの数値を参考にして純保険料率を設定している。なお、実際の割引率は、さらに「付加保険料率」と呼ばれる、会社運営に必要な諸経費の率を加えて算出される。
事故などで保険を使用すると、事故有係数が加えられ、低い割引率が適用されます。なお、保険料で割引率に差が発生するのは7等級以上で、6等級以下の割引率については事故の有無は関係しません。その他にも、年齢条件やゴールド免許割引などが適用されるため、実際の割引率は契約者の状況によって異なります。
■事故有係数が適用される期間
事故有係数が適用される期間を「事故有係数適用期間」といいます。一度でも事故を起こしてしまった場合、今後も事故有係数適用期間が続いてしまうのでしょうか?

実はそのようなことはなく、事故の実態により事故有係数適用期間が決まっており、その期間が過ぎると事故有係数適用期間が除外される仕組みになっています。

事故の種類

事故有係数適用期間
(1件当たり)

3等級ダウン事故

3年

1等級ダウン事故

1年

ノーカウント事故

加算されない

上の表のように、1件の事故の実態により、事故有係数適用期間が付与されます。ノーカウント事故では、事故有係数適用期間に加えらませんが、1等級ダウン事故で1年、3等級ダウン事故で3年が加えられる仕組みです。なお、新規で自動車保険に加入する際、事故有係数適用期間は加えられません。事故有係数の上限は6年、下限は0年となっています。

等級は保険会社が変わっても引き継ぐことができる

現在契約中の保険会社の自動車保険の更新が近づき、別の保険会社への加入を検討することもあるでしょう。では保険会社を変えた場合、等級はリセットされてしまうのでしょうか?

実はそのようなことはなく、保険会社が変わっても等級は引き継ぐことができます。ただし、保険の契約状況などによって対応が異なります。

保険期間が満期日を迎えて、満期日後に他社で新しい契約をされる場合は、等級はワンランクアップします。ところが、契約期間途中で保険会社を切り替える場合、新しい保険の契約日から前の契約の等級が1年間適用され、等級アップが遅れてしまいます。ただし、「保険期間通算特則制度」がある保険会社では、保険期間の中途での乗り換えでも、無事故であれば等級がアップします。また、教職員共済や自治労共済、トラック共済など一部の共済では、等級が引き継げない場合があるため注意が必要です。

車を乗り換えたときは?等級の引き継ぎ方法

人生のうちに一度は、車を乗り換えることがあるでしょう。その場合、等級はそのまま引き継げますが、「車両入替」という手続きを必ず行わなければなりません。車両入替の手続きを行わなかった場合、事故が発生しても保険が支払われないこともあります。

なお、車両入替の手続きは新しい車の納車前に行い、納車日を契約変更日に設定することで、新しい保険をその日から適用できるようにしましょう。
車両入替が納車日の後になっても手続きは行えますが、新しい車を取得した翌日から30日以内の猶予期間内に行う必要があるため、注意が必要です。

保険料が安くなる場合も!家族間で等級を引き継ぐ方法

自分が安全運転を心掛けて積み上げてきた等級を、家族間で引き継ぐことが可能です。例えば子ども(18歳)が車を購入し、新規で自動車保険に加入すると6等級からのスタートになり、年齢条件で「全年齢補償」となるために、どうしても保険料が高くなります。しかし親の等級を子どもに引き継ぐことで、トータルの保険料を安く抑えることも可能です。

ただし、等級継承の範囲は以下のように決められています。
@契約者の配偶者(内縁関係でも可)
A契約者の同居親族
B配偶者の同居親族
別居している家族の場合は、等級を引き継ぐことができないため注意してください。
また、家族間の等級継承の手続きは、以下の通りです。
@車を購入した後、納車日を確認し、車検証を用意する
A新しい車を購入した後、保険会社へ車両入替の連絡をする
B保険の名義を、等級を引き継ぐ人に変更する
C自分の保険は新規で契約を行う
家族間の等級引き継ぎを活用し、トータルの保険料を安く抑えましょう。
>>等級の引き継ぎについて、詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック

2台目以降の車は7等級からスタートできる

地方では、自動車は生活必需品であり、一家で複数台保有することは珍しくありません。自動車保険は通常6等級からスタートしますが、2台目以降の車についてはセカンドカー割引を活用し、7等級からスタートすることができます。なお、セカンドカー割引は1台目の車と2台目の車が同じ保険会社である必要はありません。

適用条件を満たすことで、別の保険会社で契約していても、セカンドカー割引を活用することができます。セカンドカー割引の適用条件は、1台目の車と2台目の車に関してそれぞれ細かい条件があるため、しっかり確認しておきましょう。

>>セカンドカー割引の詳細はこちらの記事をチェック

車を手放しても等級は維持できる

海外転勤などにより一時的に自動車を手放し、保険を解約することもあるでしょう。しかし、自動車保険は一度解約すると等級がリセットされ、再契約した場合は原則として6等級からのスタートとなります。そのような場合は、保険会社に「中断証明書」を発行してもらい、等級を維持する手続きを行いましょう。中断証明書を発行すると、10年以内に再度自動車保険を契約することで等級を維持することが可能です。

中断証明書の発行には幾つか条件があるため、保険会社にしっかり確認しておきましょう。また、保険契約金の満期日から14カ月以上経過すると等級がリセットされるため、等級が7等級以上の場合は必ず発行するようにしましょう。

逆に、6等級以下の場合は等級がリセットされても損失はないため、中断証明書を発行しなくても損することはありません。6等級以下で車を手放す場合は、14カ月以上の期間を空けることで等級をリセットでき、再度契約する場合は6等級からスタートできます。

等級の仕組みをしっかり理解し、賢く保険に加入

自動車保険は、等級によって大きく保険料が変わります。事故で保険を請求し、等級が下がると保険料が高くなります。事故を起こした時、修理費用や賠償額が低い場合は保険を使わず、あえて実費で修理した方が保険料を抑えられることがあります。自動車保険の等級を理解し、賢く保険に加入しましょう。

自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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