公開日：2024-08-27

通院交通費明細書の書き方とは？記載時の注意点も解説

通院交通費明細書は、交通事故によるケガの治療のために病院に通う場合、通院にかかった交通費を記録する書類です。自動車保険の保険会社に提出し、適切な補償を受けるために必要となります。

ここでは、通院交通費に含まれる費用の詳細と通院交通費明細書の書き方、通院交通費明細書を作成するにあたっての注意点について解説します。

通院交通費明細書は、通院交通費の請求に必要な書類
通院交通費に含まれる費用
通院交通費明細書の記載項目
通院交通費明細書はどのように記載する？
通院交通費明細書に記載する際の注意点
通院交通費明細書は正しく記載し、自動車保険で事故の負担を抑えよう

通院交通費明細書は、通院交通費の請求に必要な書類

交通事故でケガを負い、その治療のための通院にかかった交通費を自動車保険の保険会社に請求する際、通院交通費明細書が必要となります。交通事故のケガなどの治療で、電車やバス、タクシーなどを利用した場合、これらの通院にかかった交通費は自動車保険の補償対象となるのです。

補償を受けるには、通院交通費の金額を保険会社に伝える必要があります。通院交通費明細書があれば、保険会社に対し、「通院交通費としていくらかかったか」の詳細を申告することが可能です。
自家用車で通院した場合は、燃料代相当額が補償の対象になります。徒歩や自転車での通院は、通院交通費が発生しないため、保険金支払いの対象外です。

なお、通院交通費明細書とは一般的な呼び方であり、その名称は保険会社によって異なります。

通院交通費に含まれる費用

通院交通費として補償されるのは、交通事故によるケガの治療を目的とする通院でかかった交通費です。具体的には、下記のようなものが含まれます。

通院にかかった交通費

通院にかかった交通費は、電車やバスなど、通院の際に利用した公共交通機関の利用料金です。タクシー代は公共交通機関を利用できる場合、原則として通院交通費には含まれません。

ただし、ケガの程度から公共交通機関での移動が困難である場合や、バスが1日2本しかないなど公共交通機関が不充分である場合は、タクシーの利用が認められることがあります。
自家用車で通院する場合、ガソリン代は1kmあたり15円で通院交通費として計算します。

入院・通院の付添人の交通費

入院や通院に付き添った人の交通費も、通院交通費に含めることが可能です。ケガの程度から1人での通院や通院が困難であるなど、付添人をつけることが妥当な状況であれば、付添人の交通費も通院交通費として請求できます。

家族のお見舞いにかかった交通費

入院した家族をお見舞いに来た人の交通費についても、必要・妥当な範囲で通院交通費として認められる場合があります。必要・妥当の範囲は、ケガの程度や見舞人との関係などで判断されるため、一概にはいえません。家族であれば、必要かつ妥当と認められる可能性が高いでしょう。

ケガによる通勤費の増額分

交通事故のケガによって通勤が困難になり、タクシーなどを利用するようになった場合、交通費の増額分が通院交通費として認められることがあります。
ケガによって通勤が困難だったものの、タクシーを利用することで早めに職場復帰でき、休職期間を短縮できたといった場合が該当します。

通院交通費明細書の記載項目

通院交通費明細書は、保険会社によって様式が異なりますが、記載項目や書き方に大きな違いはありません。下記の項目を正確に記入して作成してください。
なお、通院交通費明細書は保険会社の担当者から送られてくるため、自分で用意する必要はありません。

記載日

記載日は、通院交通費明細書の各項目を記載した日です。通院交通費の発生日ではありません。

事故日

事故日には、交通事故が発生した日を記載します。年月日を正確に記載してください。

被害者の氏名

被害者の氏名は、交通事故で被害に遭った人の氏名です。基本的には、ケガによって通院した人の氏名となります。

請求者の氏名

請求者の氏名には、通院交通費の請求を行う人の氏名を記載します。被害者が未成年で親が請求者となるなど、請求者が被害者本人でない場合は、被害者との間柄も記載してください。

通院交通費の請求の有無

通院交通費の請求の有無は、「請求する」「請求しない」から選択します。どちらかを選択して◯で囲みます。

医療機関の名称

医療機関の名称は、ケガの治療などのために入院・通院した医療機関名を記載してください。通院先が2ヵ所以上ある場合は、交通費の詳細を医療機関ごとに記載していくのが一般的です。

交通費の詳細

交通費の詳細は、通常、自家用車を使用した場合、公共交通機関・タクシーを使用した場合、自宅以外から通院した場合に分けて記載するようになっています。日付ごとに、交通手段と区間、片道・往復の選択、金額などを記載してください。

通院交通費明細書はどのように記載する？

続いては、通院交通費明細書の記載例をご紹介します。
事故後1ヵ月間は週1回タクシーで通院し、その後1ヵ月間は週1回電車と徒歩で通院したケースでは、下記のように記載します。

■通院交通費明細書の記載例

通院交通費明細書の記載例

通院交通費明細書に記載する際の注意点

通院交通費明細書を記載する際には、いくつか気をつけたいことがあります。主な注意点は下記のとおりです。

自家用車の場合はガソリン代の計算が必要

自家用車で通院した場合、ガソリン代を通院交通費とするには計算する必要があります。2024年7月現在、ガソリン代は走行距離1kmあたり15円で計算されることが一般的です。
例えば、自宅から病院が片道5kmで、合計10日間通院した場合、通院交通費として認められるのは5km×2回×15円×10日＝1,500円です。
なお、有料道路や駐車場を利用した場合は、領収書があれば実費を請求できます。

タクシーの場合は領収書を添付

タクシー代金は、ケガの状態や、公共交通機関の状況などから必要性が認められれば、通院交通費として請求できますが、申告には領収書の原本を添付する必要があります。
タクシーを利用した場合は、忘れずに領収書をもらっておきましょう。電車やバスについては、領収書は不要です。

虚偽が発覚すると返還要求などがある

通院の事実がないのに通院したと申告したり、かかった料金を多めに申告したりするなどの虚偽があった場合、それが発覚すると、保険会社から返還要求を受けることがあります。
悪質な場合は警察に被害届が提出され、刑事事件として立件される可能性があります。少額でも、虚偽申告は絶対にしないでください。

通院交通費明細書は正しく記載し、自動車保険で事故の負担を抑えよう

通院交通費明細書は、交通事故でケガを負ってしまった場合、通院費がいくらかかったかを細かく記録する書類です。書類は保険会社が用意しますが、交通事故に遭った場合に備え、通院交通費明細書の正しい書き方を覚えておきましょう。

自動車事故に適切に備えるためには、自動車保険への加入がおすすめです。自動車保険に加入していれば、通院交通費だけでなく、車の運転中などに起きた事故やトラブルによる損害の補償を受けることができます。カーライフを安心して楽しむため、自動車保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。

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