自動車の名義変更とは?必要となるケースや主な流れを解説

自動車の名義変更とは?必要となるケースや主な流れを解説

中古車を購入した、自動車を相続した、友人などから譲り受けた、もしくは結婚などで所有者の氏名に変更があったという場合は、自動車の名義変更が必要になります。

販売店で中古車を購入した場合は、販売店が名義変更を行ってくれるのが一般的ですが、そのほかの場合は自分で行わなくてはいけません。ここでは、自動車の名義変更が必要となるケースその手続き方法費用などについて解説します。

mokuji目次

  1. 自動車の名義変更とは所有者の名義を変更すること
  2. 自動車の名義変更が必要となるケース
    1. 個人間で自動車を売買・譲渡した場合
    2. 自動車を資産として相続した場合
    3. 自分以外の名義でローンが組まれている場合
  3. 自動車の名義変更をしないとどうなる?
    1. 道路運送車両法違反で罰金が科される
    2. 旧所有者に自動車納税通知書が届く
    3. トラブル時の確認が遅れる
    4. リコール通知などを受け取れない
    5. 自動車を売却する際に時間がかかる
  4. 自動車の名義変更に必要なものは?
    1. 普通自動車の名義変更に必要なもの
    2. 軽自動車の名義変更に必要なもの
  5. 自動車の名義変更の流れ
    1. 1. 必要なものを準備する
    2. 2. 申請書を記入して提出する
    3. 3. 車検証を受け取る
    4. 4. 税金の申告をする
  6. 自動車の名義変更に必要な費用
    1. 移転登録手数料
    2. 車庫証明の取得費用
    3. ナンバープレート代
  7. 自動車の名義変更をしたら、自動車保険の変更手続きは必須
  8. 自動車の名義変更を正しく行い、安心のカーライフを

自動車の名義変更とは所有者の名義を変更すること

自動車の名義変更とは、車検証に記載されている所有者の名義を変更することです。
正式には、中古車購入などで所有者自体が変わるケースでは「移転登録」といい、所有者は同じで、結婚などによって姓が変わるケースでは「変更登録」といいます。

自動車の名義変更が必要となるケース

自動車の名義変更が必要となるケースは複数あります。名義変更のうち、移転登録の手続きが必要となるのは、主に下記のようなケースです。

個人間で自動車を売買・譲渡した場合

知人から自動車を購入した、譲り受けたなど、個人間での売買・譲渡があった場合は、名義変更の手続きが必要となります。

自動車の個人間売買・譲渡は、販売店などが介在せず、名義変更を行わないままにしてしまうケースがあります。自動車を個人間で売買したり譲ったりした際は、きちんと名義変更を行うようにしてください。

自動車を資産として相続した場合

親や親族が亡くなった後、所有していた自動車を遺産として相続する場合も、名義変更が必要です。自動車は、所有者が亡くなった後は相続財産として扱われます。

相続人が複数いる場合は、全員の了解を得てから名義変更をしなくてはなりませんので、注意してください。

自分以外の名義でローンが組まれている場合

親がローンを組んで購入した車を子供が譲り受けたといったケースでも、名義変更が必要となることがあります。この場合、所有者の名義はローン会社になっているケースが多く、自動車を使用する上では問題ありませんが、売却や譲渡を行う際には、名義変更をしておかなくてはなりません

なお、基本的にはローンを完済するまで名義変更はできないため、注意が必要です。

自動車の名義変更をしないとどうなる?

自動車の名義変更をしないとどうなる?

自動車の名義変更をしなくても、そのまま自動車に乗り続けることや、車検に出すことは可能です。しかし、所有者が変更されたにもかかわらず、名義変更をせずに自動車に乗り続けることには、さまざまな問題があります。

道路運送車両法違反で罰金が科される

名義変更が必要なのに行わなかった場合、道路運送車両法違反で罰金が科されることがあるため注意が必要です。

道路運送車両法では所有者が変更されると、新所有者は車が自分のものになってから15日以内に名義変更手続きをしなければいけないと定められています。

この期間を過ぎても名義変更手続きをしないと、同法違反により50万円以下の罰金が科される可能性があります。

旧所有者に自動車納税通知書が届く

自動車の名義変更が行われていないと、旧所有者に自動車納税通知書が届くため注意してください。4月1日時点で自動車を所有している人は、自動車税・軽自動車税(種別割)を納める義務があります。

この納付書は、車検証に記載されている所有者または使用者に届くため、名義変更をしていないと旧所有者に届いてしまい、旧所有者とトラブルになる可能性があります

トラブル時の確認が遅れる

名義変更が行われていないと、交通事故で保険を利用する場合や、自動車が盗難に遭った場合に、車の所有者の確認が遅くなりがちです。その結果、保険の補償の手続きが遅れたり、盗難後に発見されても手元に戻ってくるのが遅れたりする可能性があります。

リコール通知などを受け取れない

名義が変更されていないと、自動車メーカーからのリコール通知などを受け取れないことがあります。リコール通知とは、出荷された自動車が規定の保安基準に適合していないなど、何らかの問題を抱えている場合にメーカーから出される通知のことです。
通知は基本的に車検証に記載されている所有者・使用者の住所に届くため、所有者・使用者が変わった場合に名義変更をしていないと、リコール通知を受け取れません。

自動車を売却する際に時間がかかる

所有者が自分の名義でない自動車は、基本的に売却することができません。自動車を売却する際、名義が旧所有者のままだと、まずは自分の名義に変更しなくてはならず、売却するまでに時間がかかってしまうでしょう。

自動車の名義変更に必要なものは?

自動車の名義変更を自分で行うには、必要となるものを用意し、運輸支局や軽自動車検査協会で手続きをすることとなります。必要となるものは下記のとおりです。

普通自動車の名義変更に必要なもの

名義変更に必要なものには、旧所有者に用意してもらうものと、新所有者が用意するものがあります。普通自動車の場合、名義変更に必要なものは、原則下記のとおりです。

<旧所有者に用意してもらうもの>

  • 車検証
  • 譲渡証明書(実印を押したもの)
  • 印鑑証明書
  • 委任状(代理申請を行う場合のみ)
  • ナンバープレート(管轄変更が必要な場合のみ)

<新所有者が用意するもの>

  • 移転登録申請書
  • 印鑑証明書
  • 実印
  • 車庫証明書
  • 手数料納付書
  • 自動車税(環境性能割・種別割)申告書
移転登録申請書と手数料納付書は、運輸支局の窓口や国土交通省のWebサイトで入手できます。
自動車税(環境性能割・種別割)申告書は、運輸支局に隣接する税事務所で入手可能です。

軽自動車の名義変更に必要なもの

軽自動車の名義変更は、普通自動車の場合と必要なものが異なります。軽自動車の場合、必要となるものは基本的に下記のとおりです。

<旧所有者が用意するもの>

  • 車検証
  • ナンバープレート(管轄変更が必要な場合のみ)

<新所有者が用意するもの>

  • 自動車検査証記入申請書
  • 住所証明書類(マイナンバーが記載されていない住民票の写しまたは印鑑証明書)
  • 軽自動車税(環境性能割・種別割)申告書
自動車検査証記入申請書は、軽自動車協会の窓口やWebサイトで入手できます。
自動車税(環境性能割・種別割)申告書は、運輸支局に隣接する税事務所でもらってください。

自動車の名義変更の流れ

自動車の名義変更(移転登録)は、中古車販売店で購入した場合は店舗で行ってくれるため、自分で手続きする必要はありません。

一方、個人間売買などの場合は、普通自動車なら新所有者の現住所を管轄している運輸支局、軽自動車なら軽自動車検査協会に出向いて手続きをする必要があります。手続きの流れは下記のとおりです。

1. 必要なものを準備する

まずは、前述した手続きに必要なもの「自動車の名義変更に必要なものは?」を用意してください。車庫証明書を警察署で取得するには数日かかるので、早めに手続きしておきましょう。

2. 申請書を記入して提出する

名義変更の申請には、普通自動車の場合は移転登録申請書、軽自動車の場合は自動車検査証記入申請書が必要となります。

移転登録申請書は運輸支局の窓口や国土交通省のWebサイトで入手でき、自動車検査証記入申請書は軽自動車検査協会の事務所・支所の窓口、またはWebサイトから入手可能です。

申請書に必要事項を記載し、手数料分の印紙を添付した手数料納付書、ほかの書類などといっしょに窓口に提出してください。

3. 車検証を受け取る

提出した書類などに不備がなければ、車検証が交付されます。交付された車検証はその場ですぐに確認して、万が一記載ミスがあった場合は、すぐに申し出るようにしてください。

4. 税金の申告をする

運輸支局の隣にある自動車税事務所に名義変更を行った旨を申告し、自動車税(環境性能割・種別割)申告書と車検証を提出します。

軽自動車の場合も、軽自動車税(環境性能割・種別割)申告書に記入して、軽自動車検査協会に隣接する税関係の窓口に提出します。

自動車の管轄地域の変更がない場合は、これで手続きは終わりです。管轄地域が変わる場合は、古いナンバープレートを返納して新しいナンバーを購入し、取り付けたナンバープレートに封印をしてもらう工程が加わります。

自動車の名義変更に必要な費用

自動車の名義変更に必要な費用

自動車の名義変更をする際には、さまざまな手数料がかかります。主な手数料は下記のとおりです。

移転登録手数料

普通自動車の移転登録では、移転登録手数料が必要となります。運輸支局で名義変更手続きを行う際にかかるもので、金額は500円です。運輸支局内の印紙販売窓口で金額分の印紙を買い、手数料納付書に貼り付けて提出することで支払います。

なお、軽自動車の場合、名義変更の手数料は無料です。

車庫証明の取得費用

警察で車庫証明書を取得するには、申請手数料と標章交付手数料がかかります。金額は都道府県によって異なりますが、あわせて2,500円前後です。

ナンバープレート代

車の使用地域が変わり、管轄する運輸支局が変わる場合は、別途ナンバープレート代もかかります。金額は都道府県により異なりますが、一般的なナンバープレートであれば1,500円前後です。

自動車の名義変更をしたら、自動車保険の変更手続きは必須

親から子供に自動車を譲る場合、旧所有者(親)が自動車保険に加入していたら、新所有者(子供)は自動車保険の名義も変更してください。自動車保険の名義が変更されないままだと、事故が起きた際に十分な補償を受けられない可能性もあるため、必ず手続きをしましょう。

なお、自動車保険の名義変更は、車検証の名義変更が終わってから行うのが一般的です。同居する配偶者や親族が新所有者となる場合は、等級もそのまま引き継げます。

自動車保険への加入は任意ですが、万が一の事態を想定し、加入しておくと安心です。中古車を購入した場合や、旧所有者が自動車保険に加入していなかった場合は、新規加入を検討してください。

自動車の名義変更を正しく行い、安心のカーライフを

自動車の名義変更を正しく行い、安心のカーライフを

自動車の所有者が変わった際に名義変更を行うことは、道路運送車両法に定められた義務となっています。

手続きをしないままにしておくと、さまざまなトラブルにつながりかねないほか、50万円以下の罰金を科される可能性もあるので、忘れず手続きするのが大切です。名義変更を正しく行い、安心のカーライフを送ってください。

なお、旧所有者である親が自動車保険に加入していた場合は、所有者の名義変更と共に自動車保険の名義変更も行うことをおすすめします。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「自動車保険 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。保険料や事故対応、ロードサービスの充実さなどのランキングを確認することもできるため、保険会社選びの参考にしてください。
オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

\ 13,837人が選んだ /
自動車保険ランキングを見る