世界の「自動車保険」事情(3)旅行先でレンタカー! 日本の自動車保険は有効?
日本の自動車保険は海外では使用不可! 国内の事故時のみ適用
ただし、持ち物の破損などを補償する海外旅行保険では、「加入する保険のプランにより補償内容は異なりますが、レンタカーの損害をカバーするものもあります。また、クレジットカード付帯保険にも海外での交通事故について補償されるものはあります」(同)という。
海外旅行保険各社の傷害治療費用保険や、クレジットカードの付帯保険では、多くの場合、レンタカー運転中の交通事故における被保険者本人のケガについて補償(飲酒運転や無免許運転などによる事故は対象外)。クレジットカード付帯保険のなかには、現地のレンタカーに付く保険金額を超えたときに、対人は1億円、対物は500万円まで補償するプランも用意されています。ただし、事故相手については補償されないため、やはりレンタカー会社が扱う現地の保険に加入するのがよさそうですね。
【check!】海外の主な自動車保険 日本と異なる「補償範囲」や「補償額」に注意
通称「LP」。日本の自賠責保険にあたる保険で、対人賠償も対物賠償も含まれています。レンタカーの場合はもともと料金に組み込まれていて、別途の申し込みや追加費用は不要なケースがほとんどです。
補償限度額は国や地域などによって異なります。例えばヨーロッパでは、対人・対物ともに無制限の国が多いですが、アメリカでは限度額を設けている州が多数。ハワイ州の場合、対人補償は2万ドル(約230万円)となっています。日本の自賠責保険では、被害者死亡の場合3000万円を限度に保険金が支払われますから、安心してドライブを楽しむためには追加の補償をつける必要があるといえます。
日本の車両保険に相当。アメリカでは「Loss Damage Waiver」通称「LDW」、そのほかの国では「Collision Damage Waiver」通称「CDW」と呼ばれています。一定の金額を支払って加入することで、借りた車両に損害が発生した場合に契約者の金銭的負担が免除されます。ただしCDWにおいては、衝突事故のみ補償です。
海外で安心してレンタカーを利用するには、やはり現地で車をレンタルする際に自動車保険に加入しておくほうが賢明であることは、間違いありません。名称・内容や必要な保険は、国や地域ごとに異なりますので、レンタカーの予約時にしっかりと確認し、適切な保険に加入するようにしましょう。
監修/
新橋IT法律事務所 弁護士・谷川徹三氏
制作協力/
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