大惨事につながる「居眠り運転」 事故事例と再発防止策を紹介
<事例1>居眠りしたドライバーがノーブレーキで大型トラックに追突
トラック運転手が、業務を終えて運行中、交差点で停車中の大型トラックに時速65キロのノーブレーキで追突して死亡した。死亡した運転手は、往路の運行では休憩と仮眠をしっかりとっていたが、復路では「8時間」という指示を守らず、3時間の休憩のみで出発。その結果、居眠り運転による前方不注視で事故を引き起こした。
【再発防止策】
この事故では、安全な運行計画が実施されなかったことが問題だ。長距離や深夜帯の運転は、事前に道路状況を把握して運行計画を立てた上で、しっかりと休憩時間を確保することが重要。疲れを感じたらすぐに休憩をとり、眠気がある状態で運転しないことが大切だ。たとえ目的地が近づいていたとしても、眠気を我慢して走行することは危険な行為であることを認識しよう。
自動車保険に関しては、故意ではない居眠り運転が原因で事故を起こした場合、基本的には契約の範囲内で適用されます。今回のような事故でも、死亡保険金が支払われるのが一般的。あらかじめ各社の事故時の対応などを比較した上で加入すると、万が一の際に役立つでしょう。
<事例2>眠気を催してトレーラーに追突、横転させた事故
トラックが業務を終え、高速道路を時速110キロで走行中、休息が不十分であったことなどから眠気を催し、前方を時速80キロで走行していたトレーラーに追突した。この衝撃により、トレーラーは横転、重傷者と軽傷者が出た。
事故原因の1つ目は、トラックドライバーが十分に休息せず、疲労を感じたまま運転を続けていたこと。2つ目は、眠気を感じたまま走行を続けたことである。
【再発防止策】
再発防止策としては、余裕をもった運行計画を立てることと、疲れや眠気を感じたら早めに休憩をとることが挙げられる。そして、今回トレーラーが体験したように後続車が居眠り運転をした場合、ブレーキをかけずに追突してくることも多いため、衝撃が大きく重大な事故につながる可能性が高い。避けることは簡単ではないので、自身の命を守るためにシートベルトを忘れないようにしよう。
警察庁の発表によれば、シートベルト非着用者の事故時の致死率は、着用者の約15倍にものぼるといいます。現在、高速道路を走行する際は全席で着用必須ですが、一般道でもきちんと着用するように心がけましょう。
参照/国土交通省 関東運輸局HP