自損事故は車両保険で補償される?車を修理する際の注意点も解説

自損事故は車両保険で補償される?車を修理する際の注意点も解説

自損事故を起こした際の自動車の修理代金は、車両保険で補償できる場合と、補償されない場合があります。

自損事故に備えるには、どの自動車保険に加入しておけば補償してもらえるかを知っておくことが大切です。

本記事では、自損事故で利用できる車両保険や、自損事故を起こしてしまった場合の対処法について、わかりやすく解説します。

mokuji目次

  1. 自損事故とは運転者が単独で起こした事故のこと
  2. 自損事故は車両保険で補償される場合がある
  3. 車両保険以外で自損事故の際に使える自動車保険
    1. 人身傷害保険
    2. 搭乗者傷害特約
    3. 自損事故保険
    4. 対物賠償保険
  4. 自損事故で自分の車を修理する際の注意点
    1. 車両保険を使うと等級が落ちる
    2. 車両保険に未加入だと全額自己負担になる
    3. 車の修理費用は事故の程度などで変わる
  5. 自損事故を起こした際の対応の流れ
    1. 1. 二次被害の防止
    2. 2. 警察への報告
    3. 3. 病院での受診
    4. 4. 保険会社への連絡
  6. 自損事故に備え、車両保険に加入しておこう

自損事故とは運転者が単独で起こした事故のこと

自損事故とは、相手のいない単独の事故のことです。

電柱や塀、ガードレール、車庫などにぶつかったりこすったりした場合が該当します。
ほかの車や歩行者など、相手のある事故の場合は、自損事故ではありません。

相手のある交通事故と同様、自損事故を起こした場合も警察への連絡が必要です。

自損事故は、運転免許の違反点数には影響しませんが、連絡を行わずに当て逃げをすると、減点の対象になる上、3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられます

軽微な事故や目撃者のいない事故でも、必ず連絡を行ってください。
※参照:e-Govポータル「道路交通法

自損事故は車両保険で補償される場合がある

自損事故によって車に傷やへこみ、故障などのトラブルが生じた場合、車両保険で修理代の補償を受けられる可能性があります。

ただし、すべてのケースで補償を受けられるわけではありません。車両保険は、一般的に「一般型」と「エコノミー型」という、対象範囲が異なる2タイプが用意されています。

名称は保険会社によって異なりますが、このうち自損事故が対象になるのは、補償範囲の広い一般型です。

車庫入れの際にバンパーが車庫の柱にあたった、曲がり角を曲がる際に標識にこすったなど、自損事故によって車両の修理が必要になるケースは少なくありません。

運転に自信がない場合や、修理代金の支払いに不安がある場合は、一般型の車両保険への加入を検討しましょう。

なお、車両保険で補償されるのは、自分の自動車の修理代金のみです。

ぶつかってしまった車庫や標識の修理費用のほか、運転者、同乗者のケガの治療費などは、別の自動車保険でカバーする必要があります。
車両保険は必要?加入を検討するポイントについて解説

車両保険以外で自損事故の際に使える自動車保険

車両保険以外で自損事故の際に使える自動車保険

車両保険では、自損事故を起こした際に自動車の修理代金などの補償を受けることができます。

一方、車の運転者や同乗者のケガ、死亡、事故によって壊れた物などに関する補償は対象外です。

人に対する補償は「人身傷害保険」「搭乗者傷害特約」「自損事故保険」のいずれか、物に対する補償は「対物賠償保険」を利用します。これらの保険は、自損事故であっても利用可能です。

なお、自賠責保険では対人事故の相手方の損害賠償のみが補償対象となり、自損事故は対象外となっています。

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人身傷害保険

人身傷害保険は、自動車事故によって運転者や同乗者がケガをした、死亡したといった際に保険金が支払われる保険です。

設定した保険金額を上限に、治療費や休業によって生じた損害額、精神的な損害に対する補償額が支払われます。
運転者や同乗者が亡くなった場合は、逸失利益が支払われます。

人身傷害保険は、自損事故も対象となる自動車保険です。
上限はあるものの、運転者や同乗者の損害額が支払われるため、万一の事態に備えて加入を検討することをおすすめします。

人身傷害保険とは?補償内容と搭乗者傷害保険との違いを解説

搭乗者傷害特約

搭乗者傷害特約は、人身傷害保険と同様、自動車事故によって運転者や同乗者がケガをした、死亡したといった場合に保険金が支払われる保険です。

人身傷害保険は実際の損害額に応じて保険金が支払われますが、搭乗者傷害特約は、治療日数などに応じてあらかじめ定められた保険金が支払われます。

スピーディーに保険金を受け取れる点がメリットですが、補償額が実際の損害額に満たない可能性もあるため、人身傷害保険と併用するのがおすすめです。

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自損事故保険

自損事故保険は、自損事故によって運転者や同乗者がケガ、もしくは死亡した場合に規定の保険金が支払われる保険です。

保険会社によっては「自損事故傷害特約」「自損事故傷害保険」といった名称で呼ばれることもあります。自損事故保険で支払われるのは、規定の入院・通院保険金や死亡保険金などです。

保険会社によっては、自動車保険加入時や人身傷害保険をつけない場合に、自損事故保険が自動付帯されるものもあります。

一方、任意で付帯させる特約になっている場合もあるため、ご自身の加入している自動車保険の補償内容を確認しておきましょう。

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対物賠償保険

対物賠償保険は、他人の車や物を破損して賠償義務を負ったときに備えるための保険です。

通常は自動車保険に自動付帯されるため、特約などをつけていない人でも利用できます。

対物賠償保険の保険金額は、あらかじめ指定した保険金額を上限とした実際の賠償額です。

例えば、ガードレールを壊してしまった場合や、他人の家の塀を車で壊してしまった場合などは、対物賠償保険から賠償金が支払われます。

一方、自宅の車庫に入れる際に、自損事故を起こして柱を壊したなどのケースは対象外です。

対物賠償保険では、あくまでも他人の物や車を破壊した場合のみ補償されます。

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自損事故で自分の車を修理する際の注意点

続いては、自損事故を起こした車を修理する際の注意点をご紹介します。

車両保険に加入している場合もしていない場合も、それぞれ注意すべき点があるため確認しておきましょう。

車両保険を使うと等級が落ちる

自損事故で車両保険を利用すると、基本的には等級が3等級ダウンします。

また、事故有係数適用期間も3年加算されます。

自損事故を起こしてしまった際は、翌年以降、等級が戻るまでの保険料の上昇幅と車の修理代金を比較して、車両保険を利用するのとしないのとではどちらにメリットがあるのか計算してください。

修理代金の見積もりを取った上で保険会社に保険料の確認をすると、正確な比較が可能です。

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車両保険に未加入だと全額自己負担になる

車両保険に加入していない場合、自損事故の車の修理代金は全額自己負担となります。

いくらかかったとしても、すべて自分で支払わなければなりません。車両保険に加入していない人は、万一に備えてある程度の蓄えを持っておくことが必要です。

車の修理費用は事故の程度などで変わる

車の修理代金は、一概にいくらといえるものではありません。

同じようなすり傷であっても、傷の場所や車種、範囲によって金額が大きく変わることもあります。

また、修理業者によっても金額は異なります。早めに見積もりをとって、修理費用を把握しておくことが大切です。

自損事故を起こした際の対応の流れ

自損事故を起こしたときは、下記の手順で対応してください。
何をしなければいけないのかを事前に理解しておくことで、慌てずに対処しやすくなります。

1. 二次被害の防止

自損事故を起こしてしまったときは、まず二次被害を防止しなくてはなりません。

自損事故によって塀が崩れたなど、ほかの車の走行の妨げになる被害が生じている場合は、すみやかに取り除いてください。

ただし、自分自身の身の安全にも気を配る必要があります。

2. 警察への報告

二次被害を防止したら、自損事故を起こしたことを警察に連絡します。

通常は、現場に警察が来て状況の確認を行うため、事故現場を離れずにその場からすみやかに連絡してください。

警察への連絡は、最寄りの警察署への電話、または110番への通報で行えます。

3. 病院での受診

自損事故を起こした後は、病院を受診することをおすすめします。

後から体の不調が明らかになると、原因が特定できずに保険金を受け取れない可能性があるからです。

明確な不調やケガをしていなくても、診てもらっておくと安心です。

4. 保険会社への連絡

自損事故で利用できる保険に加入している場合は、保険会社に連絡をしましょう。

利用できる保険があるかどうかわからないときも、問い合わせを行うことで契約内容に応じた対応をしてもらえます。

自損事故に備え、車両保険に加入しておこう

自損事故に備え、車両保険に加入しておこう

自損事故を起こすと、車の修理費用や自分や同乗者の治療費など、さまざまな支払いが生じる可能性があります。

特に車の修理費用は、多くの自損事故で発生しやすいため、相応の備えが必要です。

すり傷やへこみといった、比較的軽微な修理でも数万円といったまとまった金額がかかるケースは少なくありません。

万一の事態に備え、車両保険に加入しておきましょう。

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