自動車保険を家族限定にするとお得?補償の範囲や仕組みを解説
今回は、自動車保険を家族限定で契約すると保険料が安くなる理由や、家族限定に設定する際の注意点についてわかりやすく解説します。家族以外の人が運転する場合の対処法にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
自動車保険は補償範囲が狭いほど保険料が安い
家族限定とは、「運転者限定特約」のひとつで、補償の対象者を記名保険者とその家族に限定することを指します。補償の対象者が家族に限定されることにより、家族以外の誰でも運転できる条件にする場合と比べて補償範囲が狭くなるため、保険料が安くなるのです。
運転者限定特約の範囲は3つ
本人限定
本人限定にした場合、記名被保険者以外の人が車を運転し、事故を起こすと補償の対象になりません。補償されるのは記名被保険者一人に限定される点に注意する必要があります。
本人限定について、詳しくはこちらにまとめています
本人・配偶者限定
保険会社によっては、事実婚や内縁関係であっても補償対象となるケースもあります。ただし、保険会社によってルールは異なるため、具体的な条件については契約前に確認しておくことが大切です。
家族限定
家族で買い物やレジャー、旅行などに出掛けた際、運転を交代するケースもあるでしょう。この時、本人限定や本人・配偶者限定で自動車保険を契約していると、補償範囲外の人が運転して事故を起こした場合に自動車保険を使えなくなってしまいます。
一方、運転者の範囲を家族限定に設定しておけば、家族が起こした事故についても補償対象となるのです。家族の中で運転を交代したい場合や、家族と車を共用したい場合などに便利な条件といえます。
家族限定における家族の範囲
家族限定特約の補償範囲
(1)記名被保険者
(2)記名被保険者の配偶者
(3)記名被保険者または配偶者の同居の親族
(4)記名被保険者または配偶者の別居の未婚の子
(2)の「配偶者」に関しては、同居・別居は問われません。また、内縁関係であっても補償対象となるケースもあります。
(3)の「親族」とは、6親等以内の血族または3親等以内の姻族を指します。同居とは、同じ建物内で生活していることを表しているため、同じ敷地内で暮らしていても建物が異なれば別居扱いとなる点に注意してください。なお、単身赴任などの理由で別居しているケースや、子供が進学や就職に伴い一人暮らしをしているケースでは、帰省中に車を運転する際に同居家族として認められるケースも見られます。
(4)の「未婚の子」については、婚姻歴がない子供を指すことに注意が必要です。結婚して親元を離れている場合や、離婚歴があり親元を離れて暮らしている場合には対象外となります。
家族限定は廃止傾向
一方で、家族限定を廃止して本人限定の特約を選べるようにしている保険会社も増えています。家族限定を選べるのかどうか、不明点があれば契約前に各保険会社に確認しておくといいでしょう。
家族以外の人が運転する場合の対応
1日だけ加入できる自動車保険を利用する
なお、車両補償をつけたい場合には、利用開始日の8日以上前に申し込んでおく必要があります。運転する直前に車両補償込みで契約しようとすると、補償が必要な当日に間に合わない可能性がある点に注意してください。運転する日を事前に決めておき、保険の契約手続きを計画的に進めておくことが重要です。
他車運転特約を利用する
なお、他車運転車特約は車を貸す側ではなく借りる側の人が、自身の自動車保険に特約をつけておく必要があります。車を貸す側の家族が加入している自動車保険とは別契約となるため、車を貸す相手の自動車保険に他車運転特約が付帯されているか必ず確認しましょう。
他車運転特約について、詳しくはこちらにまとめています
家族限定を一時的に解除する
注意点としては、家族限定を解除すると補償すべき範囲が広がるため、保険料が高くなることです。家族以外の人が運転する期間が過ぎたら、運転者の範囲を忘れずに家族限定に戻しましょう。家族限定を解除したまま車に乗り続けていると、保険料が高い状態のまま自動車保険に加入していることになります。必要な補償に合わせて、その都度手続きを行うことが大切です。
家族限定の仕組みを理解し、自動車保険を検討しよう
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年自動車保険満足度ランキングを発表しています。保険料や事故対応、加入者の年代など、さまざまな視点のランキングを確認できますので、保険会社選びの参考にしてください。