自動車保険のノンフリート等級とは?割引率や調べ方などを解説

自動車保険のノンフリート等級とは?割引率や調べ方などを解説

自動車保険を契約・更新する際などに、「ノンフリート等級」という言葉を見かけることがあります。保険料に影響があることは知っているものの、具体的にどのような意味があるのか詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。

今回は、ノンフリート等級の意味や決まり方のほか、保険料にどう影響するかについてわかりやすく解説します。現状のノンフリート等級の調べ方やノンフリート等級を引き継ぐ方法にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. ノンフリート等級とは自動車保険の割増引率を決める区分
  2. ノンフリート等級の決まり方
  3. ノンフリート等級による割増引率の違い
  4. 自身の等級の調べ方
  5. ノンフリート等級は引き継げる?
    1. 自動車保険を乗り換える場合
    2. 車を乗り換える場合
    3. 家族に引き継ぐ場合
  6. ノンフリート等級の仕組みを理解して自動車保険を検討しよう

ノンフリート等級とは自動車保険の割増引率を決める区分

ノンフリート等級_1

自動車保険の契約形態のうち、契約者が所有・使用している自家用車の台数が9台以下の場合の契約を「ノンフリート契約」といいます。これに対して、自動車保険を10台以上まとめて契約する場合の契約形態がフリート契約です。

元々、フリートという言葉は商船の船団など、乗り物の集まりを表していました。自動車保険のフリート契約とノンフリート契約は、ここから派生して生まれた言葉です。多数の社用車をまとめて契約する法人などの事業者がフリート契約で自動車保険に加入するケースが多く見られます。一方、自家用車は9台以下のケースが大半であることから、ノンフリート契約で自動車保険に加入するのが一般的です。

このノンフリート契約者に適用される、自動車保険の割増引率を決める区分のことをノンフリート等級といいます事故歴や年齢といった事故リスクの差に応じて、1等級から20等級までに区分されており、この仕組みが「ノンフリート等級別料率制度」です。

ノンフリート等級の決まり方

ノンフリート等級_2

ノンフリート等級が上がるほど保険料の割引率が高くなり、下がるほど割引率が低くなるか、割増率が高くなります。初めて自動車保険に加入する際には6等級からスタートし、1年間無事故で保険を使わなければ翌年の等級が上がるという仕組みです。
反対に、事故を起こして保険を使った場合には等級が下がります。

ただし、保険を使えば必ず等級が下がるとは限りません。保険を使っても事故件数にカウントされないノーカウント事故もあるからです。

例えば、人身傷害保険や搭乗者傷害保険のみを使って保険金を受け取った場合や、個人賠償特約などの特約のみを使って保険金を受け取った場合がノーカウント事故に該当し、翌年の等級は下がりません。

なお、2013年より順次導入された「新等級制度」により、それまでは「等級据え置き事故」といわれ、次年度の等級に影響しなかった「飛び石や台風、いたずら・盗難などの被害による車両保険の適用」は、1等級ダウンの扱いへと変更されています。

ノンフリート等級による割増引率の違い

ノンフリート等級別料率制度では、ノンフリート等級が上がるほど保険料の割引率が高くなっていくのが基本的な仕組みです。つまり、無事故の期間が続くほど事故リスクが低いと判断され、保険料が割引されていきます。

ただし、7等級以上に関しては、同じ等級でも事故の有無によって割引率が異なります。下表のとおり、前年度に事故を起こしていた場合は、無事故の場合よりも割引率の低い事故有の係数が適用されることから、契約者の状況に応じて保険料に差が生じるのです。
等級別割増引率(継続契約の場合)

等級

無事故

事故有

1等級

+108%

+108%

2等級

+63%

+63%

3等級

+38%

+38%

4等級

+7%

+7%

5等級

-2%

-2%

6等級

-13%

-13%

7等級

-27%

-14%

8等級

-38%

-15%

9等級

-44%

-18%

10等級

-46%

-19%

11等級

-48%

-20%

12等級

-50%

-22%

13等級

-51%

-24%

14等級

-52%

-25%

15等級

-53%

-28%

16等級

-54%

-32%

17等級

-55%

-44%

18等級

-56%

-46%

19等級

-57%

-50%

20等級

-63%

-51%

※損害保険料率算出機構「自動車保険参考純率」
※参考純率は、事故が発生した際に保険会社が支払う保険金そのものに関わる料金率(純保険料率)の参考値。保険会社はこの数値を参考にして純保険料率を設定している。なお、実際の割引率は、さらに「付加保険料率」と呼ばれる、会社運営に必要な諸経費の率を加えて算出される。

自身の等級の調べ方

現在の自分の等級が知りたい場合は、2つの方法で調べることができます。ひとつは自動車保険証券を確認する方法です。自動車保険に加入後、保険会社から送られてきた自動車保険証券には、補償内容や保険期間と併せてノンフリート等級も記載されています。

保険会社によっては、紙の保険証券ではなくデジタル保険証券が発行されているケースもあるでしょう。デジタル保険証券の場合も、保険会社の契約者専用ページなどにログインすることでノンフリート等級をはじめとする契約内容を確認できます。

もうひとつは、代理店や保険会社に直接問い合わせる方法です。代理店や保険会社のお客さま窓口などに電話をかけ、自動車の登録番号や氏名、生年月日など必要な情報を伝えることにより、現在のノンフリート等級を教えてもらうことができます。

ノンフリート等級は引き継げる?

ノンフリート等級は引き継げる?

自動車保険を別の保険会社に乗り換えた場合や、車を乗り換えた場合、ノンフリート等級は引き継げるのでしょうか。また、自身のノンフリート等級を家族に引き継げると聞いたことがある方もいるでしょう。ここでは、ノンフリート等級の引き継ぎについて解説します。

自動車保険を乗り換える場合

自動車保険を現在とは別の保険会社に乗り換える場合、乗り換え先がノンフリート等級制度を導入している保険会社であれば引き継ぎが可能です。無事故の期間を積み重ねて等級が上がっている人であれば、高い割引率が次の保険会社でも適用されます。

同様に、新規契約時の等級よりも低い1〜5等級に下がっている場合も、新たな保険契約では等級が引き継がれ、リセットされることはありません。適用等級は保険会社間で前契約の情報交換をする制度があるため、保険会社を乗り換えても以前の等級が引き継がれるのです。

ただし、6〜20等級の場合は、前契約の満期日の翌日から7日以内に次の保険会社と契約する必要がある点に注意してください。8日以上経過すると、新たな保険契約は再び6等級からスタートすることになります。一方、1〜5等級の場合は8日経過してもリセットされることはありません。新たな契約を6等級でスタートするには、自動車保険を契約しない期間を13ヵ月以上確保する必要があります。なお、契約しない期間の起算日は、前保険契約の満期日です。解約日から13ヶ月以上ではない点にも注意してください。

車を乗り換える場合

契約中の保険会社に変更がなく、契約する車両のみ乗り換える場合には「車両入替」の手続きを行うことでノンフリート等級の引き継ぎが可能です。この場合、新しい車の納車日ではなく、取得日を基準として自動車保険の契約内容を変更する必要がある点に注意してください。

自動車保険は契約時に使用する車両を申告しているため、車の乗り換え時に車両入替の手続きを行わなかった場合、事故が発生した際の補償を受けられないおそれがあります。

ノンフリート等級を引き継ぐためだけでなく、補償が有効な状態を維持するためにも、必ず車両入替の手続きを行いましょう。

家族に引き継ぐ場合

ノンフリート等級は、配偶者または同居の親族に引き継ぐことができます。例えば、現在20等級の父親が同居している子供に等級を引き継いだ場合、子供の等級は初めから20等級です。本人が自動車保険を初めて契約すれば6等級からスタートすることになるため、割安な保険料で自動車保険に加入することができます。

一方で、等級を譲った人が新たに自動車保険を契約する際には、新規契約の扱いとなり再び6等級からスタートすることになります。世帯全体で見た場合にトータルの保険料を抑えられるかどうか、事前に見積もっておいたほうがいいでしょう。

ノンフリート等級の仕組みを理解して自動車保険を検討しよう

ノンフリート等級は、自動車保険の割増引率を決めるための区分です。等級の仕組みを知ることで、自動車保険の乗り換え時などに保険料を抑えられる場合があります。自分の現在の等級を確認するとともに、今回ご紹介したポイントを自動車保険の比較検討に活用してください。


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