2009年04月25日 10時00分
靴からブラジャーまで! 節約・エコ意識で「下取り&リサイクル」が加速
「もう使わない」洋服や雑貨、これからは“リサイクル”が主流になる?
■その他の写真ニュースはこちら
“不要な物は下取りに出す”という考えが急速に広がっている。ダイエーやイトーヨーカ堂が始めた下取りキャンペーンは大人気で、このような“下取りサービス”は、百貨店や家電量販店などにも拡大。また、中古商品の買い取り・販売を行っているブックオフコーポレーションも、消費者の節約意識やエコ意識を実感しているという。その背景には、“どうせ捨てるなら”少しでも得をしたい、エコ活動に貢献したいという、節約意識やエコ意識が影響しているようだ。
小田急百貨店は8日から21日まで婦人靴の下取りキャンペーンを行っていたが、好評だったことから期間中に、下取り商品を紳士靴、婦人バッグ、スポーツシューズに拡大した。キャンペーンには約3万人が集まり、持ち込まれた婦人靴は11万足以上。また、商品1点につき1枚渡していた1050円チケットは、1万1000枚以上が利用された。なお、新宿店に集まった婦人靴は民間業者が焼却処分するが、「その際に生じる熱エネルギーは発電用エネルギーとして活用され、発電された電力が電力会社に供給されている」(同社)という。
ワコールは2月12日から4月22日まで、全国の直営店で不要になったワコール製品ブラジャーの回収を行った。同キャンペーンは環境活動の一環として行われており、集まったブラジャーは産業用の固形燃料にリサイクル。割引チケットやキャッシュバックなどの金銭的なメリットはないが、「捨て方に困っていたので助かる」「不用品を出してエコに貢献できるのは嬉しい」と評判になった。今回の集計結果はまだ出ていないが、08年実施の際は、6200人の消費者から約3万枚が集まっており、同社の感触では「前回より増えているかもしれない」と手ごたえを感じている様子だ。
また、中古品の下取り・購入も市場を拡大している。洋服や雑貨などの商品買い取り・販売を行うブックオフコーポレーションは、昨今の状況について「エコに関心の高い女性を中心にリユース品に対する心理的抵抗感が下がり、新しいライフスタイルの一環として定着し始めている」とコメント。下取りに出される商品で増加傾向にあるのは洋服関係で、「洋服は客層を限定しないため、客数増、客層の拡大につながっている」(同社)と語る。
「捨てたいけど捨てられなかった」という消費者心理に変化をもたらし始めた、下取りやリサイクルのキャンペーン。今後、こういった概念が生活の中に定着するようになるかが注目される。