2008年07月08日 10時00分

taspoが“たばこ離れ”に拍車 きっかけ禁煙者が増加傾向


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 たばこ自販機の成人識別ICカード・taspo(タスポ)が7月1日より、すべての都道府県で運用が開始された。未成年者の喫煙防止対策の切り札として颯爽とスタート! といきたいところだが愛煙家たちの審判は果たして・・・!? オリコンが20〜40代男女の愛煙家を対象に『taspoの申請状況』について調査を行ったところ【申請する予定はない】という回答が46.8%を占め、【すでに申請した】の30.9%を上回った。【申請する予定はない】という人たちのコメントの中には、予想されていた「面倒くさいから」という意見とともに「これを“きっかけ”に禁煙する」というものも少なくない。現時点においては、taspo運用は、時を同じくして叫ばれている“たばこ増税”とともに、愛煙家のたばこ離れに拍車をかけていることが如実に表れる結果となった。

 全体の半数近くを占める【申請する予定はない】には「書類内の証明写真を用意するのが面倒だから」(静岡/30代/女性)に代表されるように「面倒くさい」という意見が全世代にわたって寄せられた。そして意外にも多かったのが「禁煙するから」というたばことの“決別宣言”。「良い機会なのでやめようかな」(群馬/30代/男性)、「禁煙のきっかけにしたいから」(埼玉/20代/男性)という“きっかけ派”から、単刀直入に「禁煙するので」(東京/30代/女性)、また「自動販売機で買えない状況なら吸わなくてもいい」(愛知/30代/男性)という“キッパリ派”まで、手厳しい意見が数多く見られた。さらに「普段から家のそばのコンビニで買っているため自販機を利用する機会がかなり少ないので」(神奈川/20代/男性)、「自販機は使わないし、免許証認証の機械もあると聞いたので必要を感じていない。24時間営業のコンビ二やスーパーがあふれているし」(北海道/40代/女性)という“自販機不要論”や、「個人情報がきちんと守られるかどうか不安だから」(茨城/30代/男性)というコメントも寄せられている。

 一方、全体の約3割が回答した【すでに申請した】には「たばこを扱いたい時、コンビニが見つからないと不便なので」(東京/30代/男性)、「コンビニにあまり置いていない銘柄を吸っているので、不便さをいつか味わうような気がするから作った」(大阪/20代/女性)、「近所にコンビニがなく、カードがないとたばこが買えない」(島根/40代/男性)という愛煙家ならではの不安を解消したいという声が届いた。また目についたのは「近所のスーパーでtaspoを作るキャンペーンをやっていて、書類などをポストに入れる状態までフォローしてくれたから」(神奈川/40代/女性)、「無料でその場で写真撮影をしてくれたから」(大阪/30代/男性)というコメント。現時点での利用者数は、パッとしない感が拭えないtaspoであるが、ユーザーへむけてのアプローチ次第では、その普及率が伸びる可能性もうかがえる。

 ここで気になってくるのが【これから申請する予定】と回答した22.3%の人たちの動向。こちらでも多くあげられたのは「面倒だから」という意見である。なかでも「写真を撮るのが面倒くさくて、手続きしていない」(北海道/20代/男性)というものが目立ち、写真や証明書を提出するという手間が、申請へのネックとなっていることが浮き彫りとなった形だ。しかし「コンビニがないところなどで不便を感じたため」(青森/30代/男性)、「もう5月から開始している地域で、コンビニを中心に買っているが、自販機で買えないのは非常に不便だから」(岡山/40代/女性)というコメントが見られるように、実際にtaspoを持たないことによる不便さを体験した人が現れ始めており、今後の普及に向けての“追い風”は静かに吹き始めているようだ。

 「これ(taspo)、すぐに見直しになるね」(客)、「うん、間違いないね」(店員)。都内某所のたばこ自販機前では、こんな会話が交わされていた。そしてラックに無造作に差し込まれている大量のtaspo申込書を横目に、揃って「あぁ面倒くさい(苦笑)」。まだスタートしたばかりのこの施策だが、彼らの予想は果たして的中するのか否か・・・今後の展開が注目される。

(6月26日〜6月30日、自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員の20代、30代、40代の男女、各150人、合計900人にインターネット調査し「喫煙している」と回答した188人からの調査結果)


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