2011年07月01日 17時00分

ハリウッドが注目する新鋭 スペンサー・サッサー監督に直撃インタビュー

長編映画監督デビュー作にして、いきなり名作!? 『メタルヘッド』のスペンサー・サッサー監督   [拡大する]

長編映画監督デビュー作にして、いきなり名作!? 『メタルヘッド』のスペンサー・サッサー監督  

★あらすじと予告編をチェック! 映画『メタルヘッド』

 公開中の映画『メタルヘッド』で長編デビューを果たしたスペンサー・サッサー監督がORICON STYLEの取材に応じた。同作は、『(500)日のサマー』や『インセプション』(ともに2010年)などで爽やかな好青年の印象を与えていたジョゼフ・ゴードン=レヴィットが一転、過激なメタル男に扮し、その言動で周囲の人々を変えていく物語。ナタリー・ポートマンが地味なスーパーのレジ係の役で出演し、初めてプロデュースに参加した作品としても話題を集めている。

 サッサー監督は、CMやミュージック・ビデオなどで実績を上げてきた映像作家。ハリウッドでは、『ソーシャル・ネットワーク』のデビッド・フィンチャーや『かいじゅうたちのいるところ』のスパイク・ジョーンズに続く才能として注目されている新鋭だ。

 「僕は10代の頃から映画を撮りたいと思っていた。そうするために一番いい方法は、まず撮り始めることさ。僕は若い頃から映画を撮り始めて、偶然、コマーシャルやミュージック・ビデオを編集するようになった。要は、僕の映画を編集したい人がいなかったから、どうやって編集するかを自分で学ばなければならなかったんだ(笑)。そうやって僕は編集の仕方を学び、徐々に僕の仕事を目にした人たちから編集の仕事を依頼されるようになった。素晴らしい監督たちと共に仕事をさせてもらって、まるで映画学校にいるようだったよ。キャリアを積むには、実に素晴らしいやり方だった。たくさんの作品を作ったし、その経験を通して得たスキルを、物語を語るのにどうやって使うかを考えていたんだ」

 そんなサッサー監督を見出し、世に出すことに意欲的だったのがポートマンだった。彼女自身にとってプロデュース業に乗り出す最初の作品となったのが、この『メタルヘッド』だ。サッサー監督は「ナタリーはすごいよ。彼女は非常に賢くて優しくて、ただもうあらゆる点において素晴らしい人だ。映画プロデューサーとしても、彼女は、僕と僕のビジョンに対して非常に支えとなってくれた。彼女は僕をよく後押ししてくれた。まさに彼女の存在なくして、この映画は出来上がらなかっただろう」とポートマンへの感謝に堪えない。

 でも、また、何ゆえにヘビメタ男が主人公なのか。

 「僕は常に、物陰に潜んでブラブラして煙草をくゆらせるような、長髪で、ヘビーメタルな謎の男であるこのヘッシャーというキャラクターに強く惹かれてきた。僕の高校時代、周りにはそんな奴らがたくさんいて、そんな奴らをいつも興味深く見てきたんだ。でもそういうヘッシャーのようなタイプのキャラクターは、どうしても笑いものにされたり、型にはまった役でしか描かれていないと感じていた。だから僕はこの映画で、まったく違ったタイプのヘッシャーを描きたかった。何よりもまず、真正直なものを描きたいと思ったんだ。本質的にこの映画は、喪失とどう向き合うかについて描いている。僕はそのことに、まさに焦点を合わせたかった」と語る。

 劇中にメタリカの楽曲を使用している点については、「彼らは、もう最高のバンドさ。明確な理由は分からないけど、僕は10代の頃から彼らの音楽が大好きで、ハマっていった。ヘッシャーも彼らが大好きで、もっと言うと、ベースのクリフ・バートンのことが大好きなんだ。クリフは見事なミュージシャンだった。メタリカは強烈だ。褒め言葉しか出ないよ!(笑)」と興奮気味に答えた。

 次回作について聞くと、「今、1本脚本を執筆中。2年前に制作した『アイ・ラブ・サラ・ジェーン』(原題)というタイトルのショートフィルムを次の長編映画にしようとしている。同時に、ほかにも2つの作品に着手しているんだ。語りたいストーリーがたくさんあって、いろいろなスタイルの映画を作りたいと思っている。『アイ・ラブ・サラ・ジェーン』と『メタルヘッド』は多少の類似点があるが、まったく違うジャンルの映画なんだ。その事実に胸が躍るし、その映画を作るのが楽しみだよ」と語っていた。

 映画『メタルヘッド』は東京・シアターN渋谷で公開中。全国順次ロードショー予定。



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