2013年03月19日 10時00分
<『みんなの家庭の医学』おさらいニュース>片頭痛に隠されたSOSとは?
ひどい頭痛が度々起こるようなら、一度“頭痛外来”へ足を運んでみては?
ORICON STYLEと朝日放送『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』(毎週火曜午後8時放送)とのコラボ企画“おさらいニュース”が、今回取り上げるのは「頭痛」。“頭痛持ち”という言葉があるように、長期間にわたりこの病と付き合っている人は少なくはない。しかし、片頭痛の原因には心臓の疾患が関係しているケースもあるという。
会社勤めの30歳の女性Sさんは、長年の頭痛持ち。いつも緊張が解けリラックスした時に症状がみられるので、市販の頭痛薬を飲んでやり過ごしていたという。しかし、ある日仕事中にも痛むようになる。市販薬では痛みが治まらないので病院を訪れたところ、問診の結果は「片頭痛」だった。
しかし、Sさんは医師に処方された薬を服用するも改善がみられず、いつものこめかみだけでなく、後頭部などあらゆる場所で激しい痛みが起き、手もしびれるようになってしまった。そこで、Sさんは会社の上司に紹介された、栃木県にある独協医科大学病院で頭痛外来を開設する平田幸一医師(神経内科主任教授)のもとを訪れる。
平田医師は、彼女の症状から【脳梗塞による頭痛】と診断。脳梗塞による頭痛は、血管が詰まったところで発生するため、痛む場所に法則性がなく、このことから、彼女は命には関わらない小さな脳梗塞、隠れ脳梗塞を何度も起こしていた可能性も指摘した。
続けて、平田医師はSさんの頭痛の原因が、心臓にあるかも知れないと予想。検査の結果、実際に心臓の壁に穴が開いていたことが判明した。心臓の壁に穴が開いていると、まだ血栓など老廃物が肺で除去されていない状態の血液が穴を通して流れ出て、再び全身に送り出されてしまうことがあり、血栓はそのまま脳へと到達してしまう。その結果、脳の細い血管を詰まらせ小さな脳梗塞を頻繁に引き起こし、血管のまわりの神経を刺激して、頭痛となって現れる。Sさんの頭痛は、片頭痛の裏に隠された心臓の壁の穴が原因だった。
平田医師らの研究により、最近では「日本におよそ840万人いるといわれる片頭痛患者。その中でも特に、頭痛が起きる前にきらきらするような光が見えるなど、前兆のある片頭痛患者の40%〜70%の心臓の壁に穴が開いている」ということも、わかってきたという。その因果関係はまだ不明だが、平田医師は「手のしびれを伴う等、普段とは違う頭痛が突然起きた場合は注意が必要」と、警笛を鳴らしている。
セカンドオピニオンとは、診断や治療について主治医とは異なる別の医師に意見を求めること。言葉自体は市民権を得たが、積極的に別の医師に診断をあおぐという人は、決して多くはないのも事実。しかし、日々進化し続ける医療において、患者自身の意思でより良い治療を選択できる時代になった今こそ、気になる症状に改善が見られないときは、いろいろな意見に耳を傾けてみては?
「みんなの家庭の医学」番組HP