2012年03月20日 06時00分
『国際アニメフェア』と『アニメコンテンツエキスポ』共存かそれとも…?
『東京国際アニメフェア2012』会見の出席者。(左から)戸塚利絵(文化放送パーソナリティ)、鈴木仁(東京国際アニメフェア実行委員会事務局チーフプロデューサー)、木谷高明(ブシロード代表取締役社長、寺川愛美(声優)、徳井青空(声優) (C)ORICON DD inc.
3月22日(木)から東京ビックサイトで開催されるアニメーション関連の総合イベント『東京国際アニメフェア(TAF)2012』の鈴木仁チーフプロデューサーが19日、都内で会見した。昨年は「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の改正を巡るボイコット騒動があった上に、東日本大震災の発生で開催中止。2年ぶり11回目の開催となる今年は、復興支援をテーマの柱の一つに掲げる。また、『TAF』への参加を取りやめた企業らによる展示会イベント『アニメコンテンツエキスポ(ACE)』(3月31日・4月1日、幕張メッセ)に対しては、「双方の人数を足して2010年の動員数13万2000人を大幅に超えれば、アニメ業界としてはいいのではいのか」と“対抗意識”ではなく“共存共栄”をアピールした。
日本のアニメの8割近くが東京で制作されていることから、アニメ産業を東京都の新しい文化産業として世界に発信する目的で、東京都が旗振り役となり、2002年よりスタートした『TAF』。アニメに特化した国際的な見本市や、アニメ作品・関係者を表彰する「東京アニメアワード」の表彰式などを毎年実施してきた。
ところが10回目(2011年)の開催に向けて準備を進めていた2010年夏に東京都の青少年健全育成条例改正問題が勃発。表現の自由が侵される懸念などから多くのアニメ原作者を抱える出版社(コミック10社会)が、『TAF』への協力・参加を拒否する旨の声明を発表した。
昨年は東日本大震災によって、『TAF』『ACE』共に開催中止となったが、今年の開催に向けては、「東京都青少年・治安対策本部を中心に出版社としっかり向き合って、条例の慎重な運用に取り組んできた」と鈴木氏。しかし、元の鞘に収まることもなく、「10社がこぞって反対しているのではなく、原作者が反対しているため登場しないキャラクターもある」という複雑な状況のまま、今年の『TAF』は開催される。
同時期にアニメイベントが2つ開催されることについて、鈴木氏は個人的な意見として「ユーザーのことを考えたら一本化できればいいのかもしれない。しかし、2010年の来場者状況を見ると、混雑のあまり子ども連れのファミリー客が安心して楽しめない状況にあったのも事実。テーマの異なるアニメイベントがあってもいいし、分裂というのではなく、共存も一つの方法としてある」と語っていた。
一方の今年初めての開催となる『ACE』は、春から夏にかけてのテレビや映画の新作のプロモーション出展やステージイベントが充実しており、『TAF』とは開催の目的などにおいて異なるところもある。アニメのファンや関係者の反応はどうか。今年の『TAF』、そして『ACE』の賑わいぶりが注目される。
『東京国際アニメフェア(TAF)2012』のチケット発売情報